「毛糸」品薄現象も…Z世代で「編み物ブーム」なぜ?タイパと“真逆”でもハマるワケ【THE TIME,】

今、Z世代の間で流行っている「編み物」。ブームのきっかけは何?タイパ重視の若い世代が“時間をかけても編みたい”と感じる魅力とは?
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毛糸の「入荷が追いつかない」
100円ショップ『Seria』ジャパンミート王子店(東京・北区)の手芸コーナーに行ってみると…
THE TIME,マーケティング部 新名真愛部員:
「ええっ!全然ない。毛糸ほぼ売り切れちゃっています」
本来なら毛糸で埋まっている棚3面がスカスカ!
『株式会社セリア』千葉営業所の遠藤彩桂さんによると、最近は「入荷が追い付かないほど売れている」とのこと。編み物関連の商品は前年比約1.7倍に売上を伸ばし、特に若い世代からの需要が増えているといいます。
実際に街で聞いてみると…
「編み物界隈やろう!みたいな感じで」(高3女子)
「休み時間とか空き時間にすごく編んでいる」(高2女子)
中には、作り終えたばかりの帽子をかぶっている女子も。ふちの部分にファーのようなものや、ワッペンなどがデコレートされています。
高1女子:
「フワフワとかアレンジも加えられるし、オリジナルの小物とかもいっぱい作れる」
「編み物ブーム」2024年夏秋ごろから?
手芸用品専門店の『ユザワヤ』蒲田店(東京・大田区)も、毛糸を求める若い世代で賑わっています。
女性客(大学1年):
「ユザワヤだといろんな色があるし、やっぱり糸の質とかも良い」
毛糸担当・市村はるかさんによると、「若いお客さんがドカッと増えた印象があるのは2024年10月頃から」とのこと。友人同士やカップルの客も多いといいます。
そして、ブームの波は90店以上の布問屋が立ち並ぶ東京の繊維街・日暮里にも。
約40年間、布地を中心に販売する『トマト』(東京・荒川区)では、2024年夏以降ぐらいから「毛糸を扱ってほしい」という声が届き始め、セレクト館に編み物コーナーを新設したといいます。
さらに、『knit cafe 森のこぶた』(東京・港区)では、ランチやスイーツを楽しみながら編み物ができる「ニットカフェスペース」が人気!
4時間ゆっくり過ごせる「のんびりコース」(ランチ・スイーツ・ドリンク2杯付・2500円※要予約)などがあり、定期的にワークショップも開催しているのでプロのレクチャーを受けることもできます。
Z世代の「編み物ブーム」きっかけは?
編み物のどこに魅力を感じているのか?街で聞いてみると…
「世界に1個みたいなオリジナル性」(20代女性)
「納得のいくもの、自分の好きなものに辿りつける」(10代女性・大学1年)
「買ったやつよりも愛着が湧くから、ずっと大切にしたいなとか」(中1女子)
次々出てくるZ世代の“編み物愛”。
そもそも編み物にハマるきっかけは何だったのでしょうか?
多くの人が口にしたのは、K‐POPグループのメンバーの名前です。
20代女性(大学生):
「SAKURAちゃんが帽子とか作っていて可愛いなと」
20代女性:
「それがインスタとかSNSにあがってて、みんな憧れて作っているのかなって」
LE SSERAFIM(ルセラフィム)のSAKURAさんが、SNSで趣味の編み物を投稿。それが「カワイイ」と話題になり、ブームに火が付いたようです。
編み物で「癒される」若者たち
しかし、今どきの若者といえば何かとタイパを重視しがち。手間も時間もかかる編み物は真逆な気もしますが、ハマる理由として出てきたのが「無心」という言葉。
20代女性(専門学校生):
「無心にやるからストレスが結構減る。集中して自律神経が整うらしいんですよ。編み物をし始めてから結構ストレスが減るようになってる」
30代女性:
「無心で手を動かして、頭からっぽにできる」
そして、“編んでいる時間が好き”という声も。
「暇な時間に携帯いじりまくるより、充実した感じになる」(高3女子)
「コト消費だなみたいな感じで、作った思い出になる」(10代女性・専門学校生)
「作っている時間のほうが大事かも。その過程が楽しい」(高3女子)
編み物は、Z世代に充実と癒しの時間をもたらしているようです。
(THE TIME,2025年2月12日放送より)