米・ウィスコンシン州の判事を逮捕　当局の移民拘束を妨害した疑い

移民当局が移民を拘束するのを妨害したとして、アメリカのFBI＝連邦捜査局は中西部ウィスコンシン州の裁判所の判事を逮捕、訴追したと発表しました。

FBI＝連邦捜査局は25日、移民当局が移民を拘束するのを妨害したとして、ミルウォーキー郡の裁判所のハンナ・デュガン判事を逮捕し、訴追したと発表しました。

裁判資料によりますと、デュガン判事は今月18日、暴行罪に問われて出廷していた不法滞在のメキシコ人移民の刑事裁判を担当していた際に、移民当局がこの移民を拘束するために裁判所内に立ち入ったことを知り、「不合理だ」と抗議。

法廷の外で待機していた当局の目につかないよう、陪審員用の出口から移民を退出させたということです。

判事の逮捕を受け、ウィスコンシン州選出で、民主党のムーア下院議員は「政権が捜査機関を武器にしていて、衝撃的だ」と批判。

ニューヨーク州選出で、民主党のシューマー上院議員は「危険なエスカレーションで、三権分立に対する攻撃だ」とコメントしました。

現地メディアによりますと、裁判所の外では判事の逮捕に抗議する人が集まり、「正義なくして平和なし」などと書かれたプラカードを掲げて判事の釈放を求めるデモが行われたということです。