ダライ・ラマ14世 90歳の誕生日迎える 歴代アメリカ大統領がビデオメッセージで祝辞 リチャード・ギアさんも出席

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の90歳の誕生日を祝う式典が行われました。
ダライ・ラマ14世の90歳の誕生日を祝う式典は、6日、チベット亡命政府があるインド・ダラムサラで行われました。
ダライ・ラマ14世はスピーチで「他人の役に立つという利他の気持ちを持ってこれまで生きてきた」と述べ、人々に慈悲の心を持つことの重要性を説きました。
会場には巨大な誕生日ケーキが用意され、ダライ・ラマ14世がケーキを口にする場面もあったほか、お祝いの歌が歌われるなど祝賀ムードに包まれました。
誕生日にあたりアメリカのクリントン元大統領、ブッシュ元大統領、オバマ元大統領がビデオメッセージを寄せたほか、台湾の頼清徳総統のメッセージも読み上げられました。
式典にはインド政府の高官やアメリカ政府の外交団などのほか、アメリカ人俳優のリチャード・ギアさんも出席し「ダライ・ラマは世界の宝であり地上の最も素晴らしい存在だ」と祝辞を述べました。
誕生日に先立ちダライ・ラマ14世は2日、自身の後継者について死後に生まれ変わりを探す「転生」制度を続ける方針を発表。これについて、中国外務省の毛寧報道官は「ダライ・ラマの転生は国家の法律に基づいて処理されなくてはならない」と述べ、中国政府の認定が必要だという立場を繰り返し強調しています。
これに関連してアメリカのルビオ国務長官は5日、ダライ・ラマ14世の90歳の誕生日を祝福する声明を発表しました。この中で「アメリカは引き続きチベットの人々の人権や自由を尊重する取り組みに強く関与する」と強調。言語や宗教、文化を守る取り組みを支持する考えを示しました。
また、チベットの人々が「宗教指導者を干渉されることなく自由に選択し崇拝することを支援する」として、後継者問題で対立している中国政府をけん制しました。