イスラエルに対する抗議活動がアメリカの大学で広がっています。名門・コロンビア大学では、警察が抗議する学生らを強制排除する事態となっています。現場にいるニューヨーク支局の並木支局長に聞きます。
【動画】ポイントは「大学側への怒り」 秩序保ったデモ活動に逮捕者 さらには「停学処分」も 米大学でイスラエルへの抗議デモ激化
Q.現場の今の状況は?
学生らが占拠していた建物周辺には、警察がはしご車で突入する際に破壊されたとみられるバス停のガラスの破片が飛び散ったままになっています。午前3時すぎ現在も、おびただしい数の警察車両が止まっており、警戒が続いています。
Q.なぜ、アメリカ各地の大学でデモが拡大しているのか?
ポイントは、学生の大学側への怒りです。コロンビア大学の学生は当初、秩序を保ってデモ活動を行っていたところ、突然、大学側が警察をキャンパスに入れ、逮捕されたクラスメイトが停学処分になるなど、大学に裏切られたと怒りが爆発しました。
そして、コロンビアの学生への連帯を示す輪が各地に広がり、そこでも学生が逮捕され、火が燃え広がっています。
Q.アメリカの大統領選を控えて若者からの支持を失いたくないバイデン大統領としては、かなりやっかいな問題といえるのでは?
実際に民主党を支持する学生の間からも、バイデン氏はイスラエル寄りだとの批判の声が上がっています。
その学生がトランプ氏に票を投じることはないと思いますが、バイデン氏への票が減るかもしれず、バイデン氏は今回の運動について、親パレスチナ、ユダヤ系双方に配慮し、バランスを取る難しい立ち回りを強いられています。
そして、デモ活動が学生の間で留まるのかが今後のひとつの焦点です。
選挙に向け、重要な夏の民主党大会で身内から大きな抗議の声が上がり、混乱すれば共和党に攻め込まれるので、バイデン大統領は難しいかじを取り続けることになります。