イギリスで「週休3日をどう広げるか」議論活発に　昼休みの短縮や、電話に出ずに録音を聞いて対応も…

今、イギリスでは「週休3日をどう広げるか」という議論が活発になっています。労働者の柔軟な働き方を認めつつ生産性の向上を目指そうというわけですが、すでに導入した企業を取材しました。

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記者
「政権交代後、初めての労働党の党大会が行われています。CHANGE BEGINS＝改革を始めるというスローガンが掲げられています」

イギリス　スターマー首相
「この世代で最大の労働者の権利向上です。改革は始まっています」

スターマー政権は看板政策として「労働者の権利拡大」のための法改正を行う方針で、中でも注目されているのが「週休3日の促進」です。

11人が働く化粧品メーカーです。おととし6月から「週休3日」に切り替えました。合わせて行ったのが「昼休みの短縮」。30分にはなりましたが、社員は携帯電話をいじったり、雑談したりとくつろいでいます。

しかし、新たに導入された生産性を高める時間「ディープ・ワーク・タイム」が始まると、留守番電話に切り替わっても出る人はいません。

その理由は、電話に出た人が解決できない場合、最大で5～6人の業務が中断され、のべ1時間が無駄になるからです。後で録音メッセージを聞いて、まとめて対応するということです。

化粧品メーカー「ファイブ・スクイラルズ」 ギャリー・コンロイCEO
「こうすることで業務の効率が大幅に向上し、どんどん仕事が片付きます。この2年間で会社の売上げと利益は伸びていて、今後も伸びる見込みです」

2歳の息子がいるディクソンさんは、子どもを保育園に預ける日数を減らすことができ、金銭面だけではないメリットがあったといいます。

2歳の息子の父親 アレスタ・ディクソンさん
「私と息子だけで過ごす日が1日増え、息子との距離が近くなりました。何より妻が、私と息子だけの時間ができたことをとても喜んでいます。それが一番です」

一方で、週休3日を好まない社員もいたといいます。

化粧品メーカー「ファイブ・スクイラルズ」 ギャリー・コンロイCEO
「一人暮らしや職場以外にあまり友人関係がない人には、仕事場が社交の場となるのでしょう。寂しさを紛らわすために、5日勤務や6日勤務の仕事に転職する社員もいました」

また、党大会の出席者からはこんな意見が。

労働組合「ユニソン」介護担当
「介護の現場は人材を十分確保できていません。（法改正で）雇用者は人材を確保しやすくなり、より多くの人が介護を受けられるようになるでしょう」

一方、野党保守党からは「企業を弱体化させる」として、経済成長への影響を懸念する声もあがっていて、週休3日をどう拡充させるのか。スターマー政権の試金石となりそうです。