自民党総裁選 石破氏・高市氏・小泉氏による“三つ巴”の戦いか TBS政治部長が最新情勢を解説 得票同数の場合は“くじ引き”で総裁決定【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-09-27 12:42

自民党総裁選。各候補が“重鎮詣で”をするなど大物議員がキーマンになっています。派閥解消といわれるなか、重鎮議員の影響力はまだ強く残っているのでしょうか?

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自民党総裁選 各候補が“重鎮詣で” 影響力は健在?

小川彩佳キャスター:
各候補が“重鎮詣で”ということになっていますが、この動きをどう見ていますか?

株式会社QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
すぐにシステムが変わるものではないとは思いますが、派閥と決別と言いつつ、現段階ではそこから逃れるというのはやはり少し難しいのかなと思っています。

小川キャスター:
派閥解消と言われても重鎮議員の影響力はまだまだ強く残っているのかと、見ている側としては困惑してしまい、何を見せられているんだろうというふうに感じてしまいます。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
人間関係の長い付き合いもありますので、派閥はなくなったとはいえ、まだまだ影響力というのは残っています。

各候補者からすれば、「ここまで来れば何とかして勝ちたい」「多少、批判を受けてもどうにか勝ちたい」と。勝って総理になった後には、重鎮の方々にも協力してもらわないと政権運営がうまくいかないので、批判覚悟で挨拶回りをしているという状況です。

石破氏・高市氏・小泉氏による“三つ巴の戦い”に?

藤森祥平キャスター:
自民党総裁選の現在の情勢はJNNの取材によると、国会議員票では小泉進次郎氏がトップになっている一方、党員・党友による地方票は石破茂氏と高市早苗氏が支持を広げているので、“三つ巴の戦い”になりそうだということです。

石破氏と高市氏は国会議員票では35人前後とそれほど伸びていないのに、地方票をとっているのはどういうことなのでしょうか?

岩田政治部長:
地方票を入れるのは自民党員ですが、自民党員というのはどういう人なのか自民党関係者に聞くと、地方に住んでいる高齢の男性が比較的多く、保守的な考えの人が多いということです。ですので、保守層に非常に強い高市氏への支持が広がっているということは頷けるかなと思います。

また、ある自民党幹部によると石破氏自身も「最後の戦い」と言っていましたが、今回5回目の総裁選なのでこの言葉が党員には効果的で、「今回は石破氏を応援してあげよう」という動きが広がっているということです。

藤森キャスター:
そうなりますと、決選投票は2人の戦いになるのは確実と見られています。

石破氏vs高市氏、石破氏vs小泉氏、小泉氏vs高市氏の3つのパターンが考えられます。実際はどのケースに当てはまりそうですか?

岩田政治部長:
永田町では石破氏vs高市氏、あるいは石破氏vs小泉氏のどちらかになる可能性が高いと見られています。小泉氏vs高市氏の可能性は非常に低いのではないかと見られています。

藤森キャスター:
まず、石破氏vs高市氏になった場合はどうなるのでしょうか?

岩田政治部長:
重鎮の動きや立ち位置なども含めて見ていきますと、岸田総理は「自分がやってきた政策を引き継いでほしい」という思いが強いので、石破氏にその“政策の継承”を期待しているところがあります。

一方、麻生副総裁については、私達の最新の取材では、麻生副総裁が麻生派の一部の議員に電話をして、「高市氏を推すように」と話をしたということで、麻生副総裁は高市氏を推す考えだということが明確になってきている状況です。

藤森キャスター:
では、石破氏と小泉氏による決選投票の場合はどうなるのでしょうか?

岩田政治部長:
この2人の場合ですが、岸田総理は当初、側近の議員が小泉氏の陣営に入ったこともあったので、小泉氏を推すのかというような動きでした。しかし25日、石破氏が「岸田政権の経済政策を引き継ぐ」と記者会見で明言をしたので、これを受けて少し石破氏寄りにもなっているのかな、中立かなという状況です。

小泉陣営の議員は26日夜、相当激しく動いていて、さらにこの上積みができる可能性があるというふうに話しているので、本当に最後の最後までわからないという状況です。

決選投票で同数の場合、総裁を“くじ引き”で決定

小川キャスター:
こうしている間にも駆け引きが行われているということもあるかもしれません。

ここまでの総裁選の長い動きというのをどう見ていましたか?

伊沢さん:
石破氏と麻生副総裁の仲が悪いのは15年くらい見ている気がします。

今回、「THE MATCH」という広報戦略を自民党がとっているわけですが、戦いという意味の「MATCH」と、政策と国民が「MATCH」するかどうかを見る戦いで、「MATCH」をかけていると広報していました。ただ、国民とのMATCH感を伺えるような場面というのはあまりなく、党利党略だったり党内政治の部分、あとは裏金問題の話などもあまり触れられずに終わってしまった部分もあるので、「THE MATCH」というタイトルが少し空虚なものになったまま終わってしまうのは悲しいところです。

藤森キャスター:
ちなみに、もし決選投票で同数だった場合、壇上でくじ引きで決めるそうです。

伊沢さん:
これは投票を最大限リスペクトした結果としてくじ引きになるとは思うのですが、見てみたい気持ちも野次馬心としてはあります。

小川キャスター:
くじ引きの可能性というのはあるのでしょうか?

岩田政治部長:
本当にぴったり同数というのは可能性としてはだいぶ低いと思いますが、実はくじ引きのルールが決まったのは26日午後3時からの会議でした。

つまり、「くじ引きのルールをちゃんと作っておかないとまずいかもしれないから作ろう」という動きが26日出来たというくらい、接戦になっているのだと思います。

小川キャスター:
「くじ」と「派閥の力学」のどっちがフェアなんだろうというふうにも思います。

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<プロフィール>
岩田夏弥さん
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒 クイズプレーヤーとして活躍中

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