「位置情報送らない」のに追跡…「紛失防止タグ」“悪用”を規制対象に GPSとは異なる“盲点”【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-11 20:35

位置情報を把握する、「紛失防止タグ」を悪用したストーカー事案が急増していることを受け、政府はストーカー規制法の改正案を閣議決定しました。

【実際の写真】「本当に恐怖です」なぜ、いつの間に?愛車に貼り付けられていた紛失防止タグ

紛失防止タグを悪用…相談件数はすでに前年超え

山形純菜キャスター:
紛失防止タグは貴重品につけたり、お子さんの見守りとして活用されたりしています。

令和ロマン 松井ケムリさん:
僕は鍵にも財布にもタグをつけていて、なくした鍵が見つかったこともあり、便利に使わせてもらっています。

山形キャスター:
このように紛失防止タグは本来は便利なのですが、今、これを悪用したストーカー事案が急増しているといいます。

全国の相談件数は、2021年は3件だったものが、2024年は370件に増えています。そして2025年は、2024年をすでに上回っているということです。

11日に閣議決定された改正ストーカー規制法案では、相手の承諾を得ずに紛失防止タグを取り付け、位置情報を取得する行為が規制対象に追加されました。今の臨時国会で成立すれば、公布から20日後に施行されるということです。

では、紛失防止タグが今まで規制対象とならなかった思わぬ“盲点”についてみていきます。

位置情報というと、GPS機器などを思い浮かべる方が多いと思います。GPS機器などの「位置情報記録・送信装置」については、相手の承諾なく取り付け・位置情報を取得する行為が2021年8月から規制の対象となっていました。反復して行った場合は、ストーカー行為罪の対象にもなります。

「位置情報がわかる」という意味では、紛失防止タグもGPSも同じだと思われますが、紛失防止タグについては規制の対象外でした。

刑事法が専門である、東京都立大学の星周一郎教授は「法のグレーゾーン、盲点だった」と話しており、その盲点は紛失防止タグの仕組みにあるということです。

なぜ盲点? 紛失防止タグの仕組みとは

山形キャスター:
紛失防止タグの位置情報は、仕掛けた人物にどうやって届くのか、その仕組みの一例をみてみます。

まず、紛失防止タグはBluetooth信号を発信しています。

そして近くにいるときには、その信号を検知して位置情報が届きます。

一方、遠くにいるときには紛失防止タグの周囲のスマートフォンがBluetooth信号を検知し、クラウドで共有され、仕掛けた人物にも位置情報が届くという仕組みになっています。

つまり紛失防止タグはGPSとは違い、それ自体が位置情報を記録・送信する装置ではないと星教授は解説しています。そのため、これまで規制の対象外だったようです。

井上貴博キャスター:
スマートフォンがたくさん周囲にあり、検知した位置情報をクラウドで共有し、リレーしていくような感じですね。

デジタル技術が進化して間違いなく便利にはなっており、テクノロジーには光の部分がありますが、必ずそこには影の部分もあるのだと思います。抜け穴は潰していかないとだめですよね。

令和ロマン 松井ケムリさん:
自分の近くに紛失防止タグがあるとスマートフォンに通知が来ますが、機種や商品との相性によっては来ないこともあります。技術的に可能なら、全部に義務付けられるといいですよね。

出水麻衣キャスター:
すれ違いざまに、紛失防止タグをかばんに入れるようないたずらも流行っているといいます。

それを見つけた人がどう処理していいのかわからないという問題もあるので、対策もこれから周知していってほしいと思います。

被害者の申告なしでも警察が「警告」可能に?

山形キャスター:
閣議決定されたストーカー規制法案には、他にも改正点があります。

やはり被害者は報復を恐れ、なかなか申し出ができないというケースがあります。しかし今回の規制法案では、警察は被害者からの申し出がなくても、職権で加害者に行政指導の警告ができるということです。

また、探偵などの業者については、ストーカー行為のおそれがある者と知りながら情報提供した場合、廃業など行政処分の対象にもなりうるということです。

井上キャスター:
リスクがあるとわかっていても、実際にそういった事柄が起きたり、事件が発生したりしないと議論に進めない。どうしても法律が後追いになってしまうところがもどかしいです。

令和ロマン 松井ケムリさん:
やはり警察も動き出すのが難しい状況があり、後手後手に回って悲惨な結果になることもあると思うので、こういった形で少しでも動き出しが早くなるといいですよね。

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<プロフィール>
令和ロマン 松井ケムリさん
お笑い芸人
1993年生まれ 慶應義塾大学法学部卒業
M-1グランプリ2023・2024 史上初の連覇達成

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