「犬をハウスさせたときに吠える」という悩みはよく聞きますが、その悩みと同じくらい「吠えている間は無視をしましょう」というアドバイスもよく聞きます。実際にそのようなアドバイスをするプロもいますが、果たしてそれは本当に犬にとっていいことなのかを、一度立ち止まって考えてほしいのです。
犬を無視するその先にあるものは学習性無力感
「犬が諦めるまで無視しましょう」という言葉は、一種の呪いとも言えます。
諦めるまで無視をすると簡単にいいますが、逆の立場で同じことをされたとき、あなたはどう感じますか？
恐らく「悲しい」「辛い」と感じない人はいないのではないでしょうか。そして、無視をされ続けた結果、何を言っても無駄だと無気力になると思います。
ハウスをさせたら吠える犬を無視するということは、犬を無気力な状態にするという意味であり、それは学習性無力感に陥らせる危険性があるのです。
学習性無力感は、学習された絶望とも言われています。
学習により絶望を覚える状態、考えただけで恐ろしいですよね。
決して大げさな話ではないということを、ここで知っておいてください。
犬に諦めさせるのではなく満たす方法を考えよう
学習性無力感を引き起こす危険がある無視をするよりも、犬が満たされる方法を考え実行するほうが健全です。
犬も楽しいですし人も犬が楽しむ姿を見れるので、双方が幸せな状態になれます。
また、犬が諦めるまでに段階があり、その途中で爆発的に反応が悪化する現象が必ず起こります。
それを消去バーストというのですが、それがいつどのタイミングでどれくらい起こるかはその子によりますし、大抵の場合その状態に耐えられる人はいません。
結果、次から犬は爆発的に悪化した状態が通常の状態になり、より一層吠えに悩まされることになるのです。
このように、飼い主さんも犬も苦しむ方法が無視なので、無視をして諦めさせようという手法はとらないようにしましょう。
動物福祉に配慮した暮らし方を提案するプロに相談しよう
犬を満たす方法はいろいろありますが、同時に工夫が必要なケースもあります。
それを自分で考えて試行錯誤し、正解を見つけることが大切です。
しかし、難しい場合はドッグトレーナーなどプロに相談して、できるだけ早い対処をすることをおすすめします。
また、プロも千差万別ですから、選ぶなら動物福祉に配慮したプロにしましょう。
しつけのためにも厳しさが必要と考えるプロもいますが、それは国際基準である動物福祉を知らないプロです。
犬との暮らしで厳しさは必要ありません。大切なのは犬を満たし、選択肢を提示し、不快な環境から開放し正の経験を増やすことです。
その手助けをしてくれるのが、動物福祉を学んでいるプロなので、悩みが深刻化する前に相談してみましょう。
まとめ
愛犬を無視するという行為は、愛犬を傷つけ学習性無力感に陥らせることを意味します。
逆の立場で同じことをされたら苦しいですよね。
それを大切な愛犬にする必要はありませんし、これはやってはいけない手法です。
犬を満たすことで結果として問題が減り、折り合いをつけながら楽しく暮らすのが、本来の健全なあり方のはずです。
どうしてもうまくできない人は、動物福祉に配慮したプロに相談し、ポジティブな日々を過ごしましょう。
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