今日、地震がおきたら…あなたの備えは万全? 経験者語る在宅避難のリアル、東日本大震災「15年を生きる」【Nスタ解説】
東日本大震災から15年。未来に向けた「備え」について考えていきます。未来と言うと遠い話に聞こえますが、「今日、地震がおきたら」。皆さんの“備え”は万全でしょうか?
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この言葉はコミックエッセイのタイトルです。15年前、1組の家族が地震への“備えゼロ”の中、直面した自宅での避難生活が綴られています。筆者が今こそ伝えたい「備え」への教訓とは?
いつ起きてもおかしくない「首都直下地震 」
山形純菜キャスター:
政府の調査によると、“東京圏3690万人を襲う”M7クラスの地震は30年以内の発生確率が70%程度とみられており、いつ起きてもおかしくない状況となっています。
政府は、倒壊などの心配がなく安全に過ごせる場合は、「できる限り在宅避難を」と呼びかけています。
【避難所など自宅以外で避難】
・発生3日後:約390万人
・発生1週間後:約450万人
【在宅避難者数】
・発生3日後:約2170万人
・発生1週間後:約590万人
毎日 川に水を汲みに…経験者語る 在宅避難のリアル
そんな在宅避難を経験したのが宮城県在住のイラストレーター ・防災士のアベナオミさん一家です。
15年前、2011年の東日本大震災のとき、自宅は一部被災しましたが、寝室はほぼ被害がなかったということです。
そして1歳7か月の息子さんがアレルギーを持っていたということで、避難所は困難だと判断。備えほぼゼロの3週間の在宅避難が始まりました。
この在宅避難で最も大変だったというのが「水の確保」です。▼3月11日、震災当日はまだ水は出ていましたが、▼翌12日には水道が止まりました。その後 断水は1か月以上、断続的に続いていたといいます。
水問題で一番大変だったのが「トイレの水を確保する」こと。トイレ1回分を流すために1日2~3回、近くの川へ水を汲みに行っていたというのです。
また、アベナオミさんは、在宅避難ゆえの複雑な心境もあらわれてきたそうです。テレビなどで避難所での様子を見ていると、「自分たちは家で暮らせていることが恵まれているのではないか」といった心境になったというのです。
さらにアベナオミさんは「震災後、防災対策を自分なりに研究し、情報発信を考えたが、自分たちより被害が大きかった人に対して、申し訳ない気持ちで踏み切れなかった」と言います。
それでもアベナオミさんは震災から5年ほど経って、自身の経験をもとに情報を発信し始めました。今では防災士の資格も取って、全国で講演を行っているということです。
経験者が語る 災害の備え 推し活グッズが役に立つ?
ある調査によると、災害の備えについて半数以上が「できていない」と答えていることがわかりました。
【東日本大震災レベルの地震が起きた場合 自身の対策や備えは?】
・あまり/ 全くできていない:計69.2%
・十分 / ある程度:計20.5%
・わからない:10.3%
(2026年 日本赤十字社調べ 10代以上の男女 / n=1200)
また、アベナオミさんによると、震災を経験していないご自身のお子さんに東日本大震災や在宅避難について話をすると、「むかーしむかしの じしんでしょ」「避難所に行ってないの?じゃあ全然被害なかったんだね」と答えたそうです。
私自身も15年前、岩手県盛岡市で被災しました。その後は防災意識を高く持つようになりましたが、想定できない自然災害に、どのように意識を持っていくか、非常に難しいところがあります。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
何かあったとき「どうなるだろう、何とかなるだろう」と、楽観的になる人もいますが、メリハリをつけることがすごく大事です。
何かが起きる前に「きちんと不安になっておくこと」。つまり、どういったリスクがあるか、水はどの程度必要か、電気やガスが止まるとどうなるのかと、不安になることで準備をするといった行動に移すことができます。
でも、いざというときは、いつ来るかわかりません。あっては欲しくないけれど、何かあったときは、どれだけ楽観的に「できることは何かな」と考えるなど、メリハリをつけることですね。
山形キャスター:
常に「不安がる必要性はない」ということですね。3週間の在宅避難を経験した、アベナオミさんは「備えがある人、ケガをしない人が1人でも多く増えれば、間接的な人命救助の手助けになる」と言います。自助が共助、そして公助に繋がっていくのです。
今から、私たちができることについてアベナオミさんに聞きました。
▼3大備蓄の用意
「水」「非常用トイレ」「火」
▼役立つ意外なモノ
・「推し活ペンライト」がランタンがわりに
・「フォンデュ鍋セット」が湯沸かしに
▼安全エリアを作る
家の中の、よくいる場所に、「物が落ちてこない」「家具などが倒れてこない」スペースを
アベナオミさんに15年後を描く未来について聞いたところ、「防災対策をすることが、あたり前になって、大地震で亡くなる人がゼロになってほしい」との事でした。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト
慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰