岩手・大槌町の山林火災 早朝から消火活動も“鎮火のめど”立たず…民家1棟を含む7棟の建物に被害 「丸焼け何もない」住民が語る悲痛な思い…【news23】
岩手県大槌町で続く山林火災。火は23日も燃え広がり、これまでに200ヘクタールが焼失しました。現場では消火活動が続いていますが、鎮火のめどは立っておらず、火は住宅街にまで迫っています。(4月23日午後23時ごろ放送)
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住宅街に迫る火… 岩手・山林火災 鎮火のめど立たず
山のあちこちから立ちこめる煙。山肌が赤く燃えている様子も確認できます。
22日、岩手県大槌町で発生した山林火災は依然、鎮火のめどがたっていません。町内では23日も不安な夜が続いています。
――どんなことが心配?
女性
「いつ鎮火するんだろうな。家がなくなったときが怖い」
この女性はこれから、県内の別の自治体に住む親戚の家に避難するのだと言います。
火災が起きているのは、小鎚地区と吉里吉里地区、約10㎞離れた町内の2つの地区です。
町内は23日も消防車が行き交い、緊迫した雰囲気に包まれ、火の手は、住民の足となる三陸鉄道の線路脇にも迫っていました。
上空からはヘリコプターによる消火活動が続き、地上では地元の消防団員らが山に向け放水を続けていました。
林の中では、枯れ木に燃え広がった火を消防団員が鍬を使って消火する様子も確認できます。
それでも火は延焼を続け、吉里吉里地区とその周辺の焼失面積は178ヘクタールとなりました。(23日午後5時時点)
「丸焼けで何もない…」民家に被害が出た地区も
23ヘクタールが焼失した小鎚地区では、これまでに民家1棟を含む7棟の建物に被害が出ています。
―― ものすごい煙が立っていますが、昨日(22日)と比べてどうですか?
農家 藤原市之助さん
「昨日よりすごいです」
この地区で農業を営む藤原さん(78)。鎮火の見通しが立たない状況に、不安は募る一方です。
藤原さん
「今の状態だと広がっていく一方ですから」
藤原さんは農家の組合仲間をビニールハウスに集め、被災した仲間への支援を協議しました。
藤原さん
「一緒に仕事をしている仲間ですから、何か助けになればと相談していた」
同じ町内に住む農家の川﨑郷泉さん(71)。
――ご自宅の様子は?
川﨑郷泉さん
「丸焼けです、何もないです。色々あったんですけど、全部一瞬にしてなくなりました」
家族は全員避難して無事でしたが、長年住み慣れた自宅は全焼してしまったと言います。
――(家の)基礎部分もない?
川﨑さん
「基礎が少し残っているくらいで、半分が2階建てだったんだけども、それが崩れるのを見たら…」
火災の終息はいつ? “消防力”分断の懸念も
大槌町では、1229世帯2588人に避難指示が出されています(23日午後1時35分現在)。
また、町内には20日に発生した地震により「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されていて、避難を続ける住民は地震と火災、二重の不安を強いられています。
火災の終息はいつになるのでしょうか。
専門家は今回の火災は“飛び火”ではなく、別々に発生した火災の可能性があると指摘した上で、このように話しました。
元東京消防庁 坂口隆夫さん
「2か所から火災が発生していると、消防隊の消防力が分断されてしまう。かなりの広範囲に延焼拡大しているので、鎮火となると、小さな火種まで確認して消さないといけないので、相当な日数が必要だと思う」
岩手県内では、24日も注意報級の乾燥が続く予想で、引き続き注意が必要です。
地震に火災... 避難住民からは半ば諦めの声も
小川彩佳キャスター:
今も延焼が続いているということで大変心配な状況ですが、現場からどんなことが見てとれますか。
喜入友浩キャスター:
まさに、先の読めない燃え広がり方になっています。大槌町の山の頂上辺りから麓に向かって線を描くように燃え広がっています。
遠くからでもオレンジ色の炎がはっきりと見え、激しく燃えているのがわかります。
地元の方によると、23日は一日を通して風は穏やかだったといいますが、よく見ると地を這うように燃え広がっているように見えます。
さらに山全体を見てみますと、あちらこちらで火の手が見えていて、23日はその火が繋がるような場面も確認できました。街全体に煙が広がっていて、焦げ臭いにおいが漂っています。
藤森祥平キャスター:
風がない分、煙がその場で漂ってしまうような状況なので、その地域で生活をしている方は本当に厳しい状況だと思います。
広がっている火の距離感は近いですか?迫ってきているのですか?
喜入キャスター:
燃えている山の麓に住宅街が広がっていて、もうすぐそこまで火が迫っている場所があります。
沢山地区と呼ばれる場所なのですが、ちょうど住宅街の奥に山があり、目視できるほど近くに火の手が見えます。
この沢山地区は、23日午後になって避難指示が出されました。ただ、地元の方によると、午前中は火の手が見えなかったそうです。急な避難指示だったので、勤務先から急いで自宅に戻って、高齢の家族を連れて逃げたという方もいました。
地元の方は「火が燃え広がるスピードに避難指示が追いついていない」と話します。
近くに消防隊員の姿がないので、自ら家に水をかける人の姿もありました。
地震に火災と続いて、避難している方からは「なるようにしかならない」と半ば諦めの声も聞かれました。