【米中間選挙】“保守の牙城”テキサス州で異変 民主党のタラリコ候補が浸透…キリスト教徒の「トランプ離れ」も【news23】
“共和党の牙城”テキサス州で起きている異変。トランプ氏の「焦り」の背景にあるのは、党大会の舞台・テキサスです。長年支えてきたキリスト教徒の間で、“トランプ離れ”の動きが広がっています。
【写真で見る】「聖書を読んだとは思えない」トランプ氏に反発するキリスト教徒たち
直近の世論調査では民主党の候補が5ポイントリード
トランプ大統領
「私自身が候補者だと考えてほしい。私が立候補しているのだと」
中間選挙での共和党候補への投票を、強く呼びかけたトランプ大統領。党大会の舞台となったテキサスは、共和党が上院選で38年間負けていない「保守の牙城」です。
しかし、いまここで歴史的な大接戦が繰り広げられています。
その中心にいるのが、野党・民主党の新星・37歳のタラリコ氏です。
民主党 タラリコ候補
「我々は団結の政治・友情の政治、そして“愛の政治”を実践している」
神学校で学んだ経歴を持つタラリコ氏。演説では、キリスト教の教えに基づく“愛”や“融和”を前面に掲げます。
社会の分断に嫌気がさした幅広い有権者から人気を集め、地元では「将来の大統領候補」との声まであがっています。
対する与党・共和党の候補者は、トランプ氏の代名詞「MAGA」派を自認するパクストン氏です。
共和党 パクストン候補
「トランプ大統領の支持表明には、政界で最も大きな影響力がある」
保守的な土地柄を考えれば、パクストン氏が圧倒的に優位なはずですが、複数の世論調査で両者はほぼ互角。YouGovによる直近の調査(8月27日~9月4日)では、タラリコ氏が48%、パクストン氏が43%。タラリコ氏がパクストン氏を5ポイントリードしています。
牧師もトランプ氏の政権に強い違和感
背景の一つが、共和党を支えてきたキリスト教徒の一部に見られる“トランプ離れ”です。
住民の“3分の2”がキリスト教徒とされるテキサス。トランプ氏の強固な地盤ですが、すべての信者が支持しているわけではありません。
記者
「オースティンの教会に来ています。日曜日の朝ということで、地元の住民がたくさん集まってきています」
主流派プロテスタントの一つ、「長老派」の教会です。政治的には“穏健な立場”とされています。
「長老派」ガベンタ牧師
「人の過ちを赦せば、天の父もまた赦してくださいます」
この教会のガベンタ牧師は、トランプ氏の政策に強い違和感を覚えている一人です。
「長老派」ガベンタ牧師
「トランプ政権には懸念を抱かざるを得ません。隣人である移民を悪者扱いし、分断をあおる姿勢は、聖書の教えが反映されているとは到底思えません」
「聖書を読んだとは思えない」 広がる反発
トランプ大統領(7月)
「公正な大義・勇敢な国民・素晴らしい文化。我々の運命は神に定められている」
トランプ氏自身もキリスト教徒ですが、2026年に入り、自らをイエス・キリストになぞらえたり、キリストと寄り添ったりするAI画像をSNSに投稿し、物議を醸しました。
「長老派」教会に通う人
「トランプ氏は自身の目的のために、キリスト教を“手段”として利用しているように見える」
「長老派」教会に通う人
「彼が聖書を読んだとは思えない。なぜ支持されるのか理解できない」
こうしたなかで、トランプ氏とは違う形でキリスト教の“価値観”を訴えているのがタラリコ氏です。「神はどちらの党の味方でもない」としたうえで、聖書の「隣人愛」を政治にも反映させるべきだと主張しています。
その声は、これまで共和党を支持してきた人にも届き始めているようです。
元共和党支持者
「私は、ずっと共和党支持者だったの。でも、タラリコ氏は党派を超えているわ。誰もが平等に、尊厳を持って生きられる社会を目指しているの」
専門家も、今後、こうした離反の動きがさらに広がる可能性を指摘します。
公共宗教研究所 デックマン博士
「タラリコ氏の訴えは、過激な政治姿勢に違和感を抱く信者だけでなく、これまで共和党に傾いていた層にも届き始めています。今回の中間選挙で、キリスト教徒のさらなる離反につながると思います」
トランプ人気に陰り…キリスト教徒の変化
小川彩佳キャスター:
キリスト教徒といってもさまざまですが、これまで共和党を支持してきたキリスト教徒の方々にも変化が出てきているんですね。
歌手・俳優 ニコラス・エドワーズさん:
そのように見えます。
これまでは決まって、キリスト教の方が重要視しているような社会的な問題を、共和党が政策として推していくことが多かったです。
政治に興味がある場合も、そこまで政治にこだわっているわけではないけれども投票はするという場合にも、キリスト教の方は共和党に傾きがちなところが、長いことアメリカでは続いているのではないかと思います。
しかし今回は、他の立候補者がスキャンダルに遭っていたり、民主党の立候補者がキリスト教を強く前面に出したりしています。これまでは当たり前のように共和党に票を入れてきた人が、民主党に入れる可能性があります。
テキサスという保守的なイメージがある場所で、もし共和党ではなく民主党の立候補者が当選したのであれば、アメリカ人として非常に大きな衝撃を受ける人も多いのではないでしょうか。
藤森祥平キャスター:
揺るがぬレッドステートというイメージがあるなかで、「まさかこちらに傾くのか」という状況ですよね。
歌手・俳優 ニコラス・エドワーズさん:
共和党のパクストン氏が43%、民主党のタラリコ氏が48%というテキサス州の世論調査(YouGov、8月27日~9月4日)の段階で「すごいな」という印象を受けます。
キリスト教の根本的な考え方の一つは一神教です。また、“白黒”や“善悪”にこだわるような考えを持っている人も多いです。アメリカがいま直面している両極端になってしまう現象は、アメリカ文化の中にあるキリスト教とも関係しており、それはどうしても覆せないと感じていました。
しかし今回は柔軟な考えによって、その現象がよくなっていく未来も少しは見えているように思います。
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<プロフィール>
ニコラス・エドワーズ
歌手・俳優
米国オレゴン州出身 34歳
米国文化と政治の関係をSNSで発信