“『責任ある積極財政元年』の幕開け” 臨時国会開会も…参院はいまだ少数与党で“野党工作”が必要?【Nスタ解説】
5日に召集された臨時国会。食料品の消費税減税に関する法案が最大の焦点となる見通しですが、高市政権はどのような方針で臨むのでしょうか。
【写真で見る】「『責任ある積極財政元年』の幕開け」高市総理の所信表明演説
5日から臨時国会が開会 高市総理「決断、挑戦、実行」
高柳光希キャスター:
5日から臨時国会がはじまりました。会期は10月5日~12月12日までの69日間です。
食料品の消費税減税や重要土地等調査・規制法改正案など、政府からは21の法案が提出される予定です。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
通常は10~15本のところ、今回の臨時国会で21本もの法案が提出されるというのは多いと感じます。色々な法案を通そうとしていることがよく分かります。
なかでも「食料品の消費税減税」や「重要土地等調査・規制法改正案」は、抜本的に国を変えるような法律ですので、非常に注目しています。
高柳キャスター:
高市総理の所信表明演説では、このような一言がありました。
高市総理(5日)
「日本列島を強く豊かに。決断、挑戦、実行。決断、挑戦、実行」
「決断、挑戦、実行」という言葉を繰り返して発しており、高市総理も相当気合が入っていることがうかがえます。
しかし、簗大臣の問題を受けて、野党からの反発がありそうでしょうか。
TBS報道局 政治部 佐藤浩太郎 記者:
簗大臣の問題は野党が反発を強めていて、今後の国会審議でブレーキになりかねない事態になっています。
少数与党で“野党工作”必要か…最大の焦点は「消費税の減税」
高柳キャスター:
今回の一番の焦点は「食料品の消費税減税」です。
物価高対策の目玉ですが、各党の姿勢は次のようになっています。
【臨時国会 最大の焦点は】
食料品の消費税 2年間 1%に引き下げ
▼賛成:自民、維新
▼容認:保守
▼反対・慎重:国民、中道、立憲、公明、みらい
TBS報道局 政治部 佐藤記者:
日本維新の会は、与党なので賛成しています。
日本保守党は「食料品の消費税の恒久的ゼロ」を求めていますが、妥協案として「容認」しています。
その他の野党は反対の姿勢を示しています。
反対の理由としては、
▼2年後に「実質増税」のリスクがあること
▼2年間10兆円の財源が示されていないこと
▼影響が出る業界への具体的な支援策がないこと
などが挙げられています。
高柳キャスター:
そもそも法案は衆議院を通過、そして、参議院の委員会を通過して本会議で採決されます。今回の消費税減税法案は参議院を通過できるのでしょうか?
TBS報道局 政治部 佐藤記者:
消費税の法案を話し合う参議院の委員会はいくつかあります。その中で、野党は「少数会派も参加できて、充実した審議ができる」として特別委員会で審議することを望む一方で、与党側は「財政金融委員会」での審議を希望しています。
「財政金融委員会」で審議するとなった場合、与党と野党の委員数のバランスがポイントとなります。与党が11人に対して、野党が13人と、野党の方の人数が上回っています。
したがって、野党に賛成の働きかけをすることが不可欠です。なお、唯一「容認」を打ち出している日本保守党は委員に入ってないので、それ以外の野党へとなります。
【参議院「財政金融委員会」で審議の場合】
委員長を除く採決票をもつ人数…24人
▼与党…計11人
自民:9人
維新:2人
▼野党…計13人
立憲・無所属:3人
国民:3人
公明:2人
参政:2人
共産:1人
いのち:1人
社民:1人
高柳キャスター:
野党工作が必要ということですが、簗大臣の問題はどのような影響があるのでしょうか。
TBS報道局 政治部 佐藤記者:
野党の中道は「単なる不祥事ではなく、政治家がどこまでやっていいのかという権限に関わる話だ」として、国会の質疑の中で政府の見解を問いただす予定です。今後の状況によっては、国会審議が遅れるリスクをはらんでいます。
参院自民「協力し合える余地がある」国民民主党と公明党が焦点に
高柳キャスター:
厳しい見方をしている野党もある中で、財政金融委員会内のどの党がポイントとなるのでしょうか。
TBS報道局 政治部 佐藤記者:
ポイントは「国民民主党」と「公明党」です。
参院自民党のトップが9月の記者会見で、国民民主党とは「協力し合える余地がある」としたうえで、「将来的には連立も視野に」と発言しています。
公明党とは「20数年与党として信頼関係を積み重ねてきた」「協力を模索していきたい」と話しています。
井上貴博キャスター:
最大の焦点が財源であることは間違いありませんが、個人的には、ここまで来たら一度「消費税減税」を試してみても良いのではないかと感じています。もちろん、商品価格が必ずしも下がらない可能性や、外食産業への影響など、デメリットを挙げればきりがありません。
しかし、これまで実施してこなかった政策を一度試すことで、将来のパンデミック等に備え、消費税率を機動的に変更できるシステムを構築することには大きな意義があるはずです。税制変更に伴う影響や実効性を検証する意味でも、一度取り組む価値はあると考えます。
一方で、具体的な財源が一向に示されない点については、議論を進める上で致命的になりかねないと懸念しています。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
年内の取りまとめを目指すとしていますが、一般的な企業であれば、財源や予算の裏付けもないまま意思決定を進めることは考えられません。
一方で、現在の衆参両院における勢力バランスについては、前向きに捉えています。数の力だけに頼るのではなく、様々な立場にある国民のためにしっかりと議論を重ね、必要に応じて修正や対応を行っていくことこそが民主主義の根幹です。その意味では、現在の国会状況は非常に健全な姿と言えるのではないでしょうか。
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<プロフィール>
佐藤浩太郎
TBS報道局政治部 与党担当
国対の奥深さに迫るため日々国会の廊下に立つ
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者
1963年オランダ生まれ
現パナソニック顧問・アース製薬の社外取締役など