蛇口は英語で「カラン」だと思っている方も多いです。
しかし、実際は英語ではなくオランダ語となっています。
では、なぜその名称が使用されるようになったのでしょうか。
今回はそれら「カラン」という言葉について解説します。
また、ここでは「カラン」だけではなく、水栓をなぜ蛇口と呼ぶのかについても説明します。
「カラン」は英語ではなくオランダ語
まずは「カラン」がどのような言葉なのか見ていきましょう。
「カラン」の由来
「カラン」は鶴を意味するオランダ語「kraan」から来ています。
これらはもともと「クレーン」と発音される言葉となります。
事実、日本のクレーン車などの「クレーン」もオランダ語が語源とされているようです。
これらは形状が鶴の首の曲線に似ていることにちなんでいます。
実際に蛇口も鶴の首の曲線に似ているところから「クレーン」と呼ばれるようになったそうです。
それが転じて、言葉が変化したことで「カラン」という名称が広まったとされています。
蛇口は英語でなんという?
蛇口がオランダ語であることは前述の通りです。
しかし、では英語だと何と表現するのでしょうか?
これに関しては「tap」もしくは「faucet」で表現できます。
これらは水道栓や給水栓なども意味する言葉となります。
また、単に飲み口を指すこともあるので注意しましょう。
そもそもなぜ「蛇口」?
そもそもなぜ水が出る口を蛇口と呼ぶのでしょうか?
最初は「ライオン」だった?
蛇口という名前から察するに「蛇に似ていたからでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、蛇口はもともとライオンだったとされています。
そもそも蛇口という言葉が生まれたのは明治時代のことです。
当時、日本では水道の近代化が進められていたのだとか。
その際、イギリスから水飲み場を輸入することとなりました。
それらイギリスの水飲み場に採用されていた水栓がライオンだったわけです。
事実、イギリスの水飲み場にはライオンの頭部の装飾があり、それが水飲み場の象徴だったとされています。
つまり、もともと日本にやってきた蛇口はライオンがモチーフだったのです。
ちなみに、なぜライオンなのかというと当時のヨーロッパでは「ライオン=水の神様」と考えられていたからなのだとか。
もともと「龍頭」だった?
日本の水の神様としては龍などが挙げられます。
これら「龍=水の神様」という発想は中国から伝来したものとされています。
事実、日本に蛇口が普及し始めた頃、中国の龍をモチーフにすることが多かったそうです。
そのため、最初蛇口は龍だったと言えます。
そこから次第に蛇に変わっていったのだとか。
しかし、なぜ蛇に変わっていったのでしょうか?
「蛇体鉄柱式共用栓の口」で蛇口
日本に伝来した当初は龍が水栓に採用されていました。
しかし、日本では龍に似た動物の蛇が次第に採用されるようになったそうです。
ちょうど日本では「蛇=水の神様」としての信仰を集めていたため、龍よりも蛇の方が採用されることが多くなったそうです。
つまり、もともと龍の頭だったものが蛇の頭に変わったことで、蛇口と呼ばれるようになったのです。
まとめ
「カラン」は蛇口のことを意味する言葉です。
これは英語だと思っている方も多いですが、オランダ語です。
事実、オランダ語の「kraan」から来ているとされています。
では英語ではどう表現するのかというと、英語で蛇口は「tap」「faucet」などと表現されます。
そこは国によって呼び方が異なるので注意しましょう。