段階や局面の意味で使用される言葉が「フェーズ」です。
これら「フェーズ」は使用される業界により意味も変わります。
また、英語とカタカナ語では意味も変わるのが特徴です。
そこで今回は「フェーズ」という言葉について解説します。
併せて業界別の意味だけでなく英語やカタカナ語の違いについても説明します。
「フェーズ」とは
まずは「フェーズ」の意味について詳しく見てみましょう。
「フェーズ」の意味
「フェーズ」とは段階や局面などの意味で使用される言葉です。
側面や様相、位相や相、段階的に行うなどの意味も持ちます。
日本語としては現象や活動、計画や事業などを時系列や状態の変化に応じて区切った段階・局面という意味で使用されます。
一般的にはプロジェクトを構成する、互いに内容や所管などが異なる工程や段階を指すことが多いかもしれません。
わかりやすく表現するなら特定の区切りと言えるでしょう。
業界による「フェーズ」
「フェーズ」は業界によってもその意味が変わります。
ここからは業界別の「フェーズ」の意味を見てみましょう。
ビジネス・IT分野における「フェーズ」
ビジネスやIT分野における「フェーズ」は単位に表せない、変化の過程にあるものを表します。
実際にビジネスやIT分野ではプロジェクトをいくつかの工程に分ける際に「第1フェーズ」「第2フェーズ」などと使用されます。
これらは進捗管理などで頻繁に使用される言葉です。
事実、大規模なプロジェクトは全体像が見えづらいです。
不確定要素によって方向性を見失うこともあるかもしれません。
それを防ぐため、各仕事をフェーズごとに分けて内容を明確にするわけです。
それがリスク回避に繋がり次の「フェーズ」に進むタイミングも明確になります。
医療分野における「フェーズ」
医療分野における「フェーズ」は段階という意味で使用されます。
例えば、感染症の拡大などに対して「第3フェーズに入った」などと言うのが一般的です。
また、治験をはじめとする研究が進んだことを「第4フェーズに入った」などと表現することもあります。
単に患者の症状が進むことを「第5フェーズに入った」と表現することもあるかもしれません。
これらは「ステージ」などの言葉でも言い換えられます。
実際にどちらも段階という意味で使用される言葉です。
ただし「ステージ」は段階、「フェーズ」は指標として使用することもあるので注意しましょう。
英語における「phase」とは
ここからは英語における「phase」について見てみましょう。
英単語としての「フェーズ」
「フェーズ」の語源は英語の「phase」にあります。
それら英単語の「phase」も段階や局面などを意味します。
特に繰り返される周期の中で発生する特定の現象を言う言葉です。
その発音がそのまま日本語の「フェーズ」に引き継がれているわけです。
これらは日常生活で使用される意味と学術領域で使用される意味に大別されます。
“phase”の由来
英単語の「phase」はギリシャ語の「phainein」が語源です。
ギリシャ語の「phainein」は出ることや見えることを言います。
そこから現象という意味を持つようになったとされています。
その他「phase」は月の満ち欠けを表現する言葉でもあるとか。
さらには化学組成や物理状態が全体的に均一である表現にも使用されることがあります。
それら特定の現象を表すところがギリシャ語の「phainein」から来ていると言えるでしょう。
転じて、日本語にも共通する現代の意味合いが生まれたとされています。
「フェーズ」の類義語
最後に「フェーズ」の類義語について見てみましょう。
ステップ・ステージ
「ステップ」は物事の進行上の段階を意味しています。
「ステージ」は物事が至った局面を意味します。
どちらもニュアンスとしては同じ言葉となるでしょう。
それら物事の段階や局面を言うところが「フェーズ」と重なります。
プロセス
「プロセス」は工程や過程、方法や手段を意味します。
これらは物事に対する経過の表現としても使用される言葉です。
特に一定の流れによって生まれる作業のことも意味します。
それらの点が「フェーズ」にも通ずるのではないでしょうか。
フロー
「フロー」は物事の流れのことを意味します。
特に作業の手順を追った流れを意味するとされます。
それらの点が「フェーズ」にも似ているかもしれない。
ただ、政治経済の世界では一定期間内に流動する金品や物品、商品の量のことを意味します。
そこは両者まったく同じとは言えないので注意しましょう。
まとめ
「フェーズ」は特定の段階や局面のことを意味する言葉です。
これらは同じ意味を持つ英語「phase」から来た言葉となります。
実際に英語の「phase」もカタカナ語の「フェーズ」も基本的な同じ意味となります。
しかし、使用される業界によってその意味が変わるのも特徴です。
そこは微妙な違いなどもあるからこそ、それぞれの業界用語としても正しい意味を覚えておきたいところです。