観光地として知られている「世界三大瀑布」。
これは、「ナイアガラの滝」「イグアスの滝」「ヴィクトリアの滝」のことです。
その規模はどれもワールドクラス!となりますが、ここではこの世界三大瀑布がどのような滝なのかを解説します。
地名度は屈指「ナイアガラの滝」
ナイアガラの滝は、カナダとアメリカにまたがって広がる滝です。
大きさだけでなく知名度も世界屈指の滝ですね。
3つの滝から形成されるナイアガラの滝
ナイアガラの滝はカナダ滝・アメリカ滝・ブライダルベール滝の3つの滝から形成されています。
アメリカとカナダの国境にあることでも知られ、セントローデンス川からオンタリオ湖へと抜ける要衝にあります。
カナダ滝はカナダ側で最も水量の多い滝のことであり、馬の蹄のような形状をしていることから「ホースシューフォールズ」とも呼ばれています。
ナイアガラの滝で最も幅が広く、その幅は675m、落差が56m、滝壺の深さは55mとなっています。
アメリカ滝はアメリカ側から降り注ぎ、テラピンポイントから眺めることのできるアルファベット「W」のような形状の滝となっています。
幅はカナダ滝よりも狭く330mと半分以下ですが、落差はナイアガラの滝の中で最も大きく58mあります。
ブライダルベール滝は幅が15m落差は55mとナイアガラの滝の中では最も規模が小さい滝で、ルナ島とゴート島の間にあります。
カナダ滝を見られるのは・・・あとたったの25,000年?
ナイアガラの滝は10,000年前のウィスコンシン氷期に形成された場所にあり、その浸食の早さから25,000年後には消滅するといわれています。
近年は浸食を抑えるために馬蹄形全体を均等化する工事が行われているのですが、それでも年間で約3cmずつ浸食されているというのですから驚異のスピードです。
私たちが生きている間は見られると思いますが、いずれは消滅してしまうと思うと一度は見ておきたいですね。
観光地化が進み便利なナイアガラの滝
ナイアガラの滝は、他の世界三大瀑布に比べて観光地化が進められています。
周辺には飲食店などの建物が立ち並び、アメリカでもカナダでも一大観光地の1つとして知られています。
レインボーブリッジから国境を徒歩で渡れるのはもちろん、霧の乙女号による滝壺クルージングなどが人気のアトラクションとなっているのも魅力ですね。
その他、風の洞窟と呼ばれるスポットでは滝に急接近することができるスポットもあります。
びしょ濡れになるので電子機器や書籍には要注意となるばしょです。
さらにはテーブルロックやスカイロンタワーなどからの絶景も楽しめる他、ヘリやセスナで上空から眺めることもできるので、観光は果てしなく楽しめます。
3カ国にまたがる「イグアスの滝」
イグアスの滝は南米2ヶ国にまたがる巨大な滝で、その雄大な自然とのコントラストが美しい滝でもあります。
イグアスは「大いなる水」を意味する
イグアスの滝は、ブラジルとアルゼンチンにまたがる最大落差が約82mある滝で、世界遺産にも登録されている場所です。
ブラジル側とアルゼンチン側の両方から望むことのできる滝は、会話が聞こえなくなるほどの轟音を鳴り響かせています。
数km先からでもその轟音が聞こえる事があるとも・・・。
パラナ川とイグアス川の合流地点近くにあり、周辺には大小含め150~300の滝が約4kmにわたって広がっている巨大瀑布です。
「ナイアガラがかわいそう」とまで言われた名瀑
イグアスの滝は150~300の瀑布からなる規模を誇り、悪魔の喉笛と呼ばれる場所は高さ82mの幅150m、U字型で長さ700mという迫力満点の景色が望めます。
また、4kmにもわたる滝幅の規模は世界一ともいわれています。
玄武岩からなるパラナ高原の端にあり、100年で30cm削られ上流へ後退するほどの水量を持つ滝でもあります。
毎秒65,000tの水が滝壺へと流れ込んでいく姿は、ナイアガラとは比べ物にならないほどの大迫力と言えるでしょう。
アメリカのエレノア・ルーズベルト大統領夫人が訪れた際には、「ナイアガラがかわいそう」とまで口を滑らせたという逸話があります。
トリップスポットも充実!
イグアスの滝があるエリアは、秘境ではあるものの徒歩でも飛行機でもアクセス可能です。
ブラジル、アルゼンチンもしくはパラグアイ、いずれの国からでも観光できます。
ただし訪れる場所によって景色も大きく変わってくるものがあり、景観が特に良いと言われているのがアルゼンチンからのルートです。
トリップスポットとしてはやはり悪魔の喉笛が外せないところですが、満月の夜に開催されるウォーキングやトレッキング、マイナスイオンを全身で受け止めるクルージング、熱帯雨林広がるジャングル探検などもおすすめです。
圧倒的な水量による水飛沫で虹が生まれるため、虹を探すだけでも楽しいかもしれません。
飛行機から眺めるツアーも人気です!
世界一危険な「ヴィクトリアの滝」
ヴィクトリアの滝は、世界一危険な天然のプールがあることでも知られる滝です。
その規模は圧倒的でイグアスの滝と肩を並べる滝とも言われています。
かつては「雷鳴の轟く水煙」と呼ばれたヴィクトリアの滝
ヴィクトリアの滝は1855年にイギリス人探検家デビッド・リビングストンによって発見された、当時の英国女王の名を冠した滝です。
かつて、現地のバツワナ人とマコロロ人は「雷鳴の轟く水煙」と呼んでいました。
ジンバブエとザンビアにまたがる滝であり、大きく6つ部分に分けることができます。
以下が主なポイントです。
1.デビルズキャタラクト
2.レインボーキャタラクト
3.メインフォールズ
4.フォースシューフォールズ
5.アームチェアフォールズ
6.イースタンキャタラクトアフォールズ
滝の最大幅は約1,700mもあり、滝の最深部の滝壺は落差108mにもなるほどの規模を誇るのがイグアスの滝の魅力です。
その規模は地球の力強さを感じるのに十分なほどです。
そして、このイグアスの滝は世界遺産にも登録されています。
水量の増減が激しいヴィクトリアの滝
ヴィクトリアの滝は環境によって水量の増減がかなり激しく、最大で毎分約500,000,000Lほどの水が流れ落ちているほどの巨大瀑布です。
11月~4月までの雨季とその他の乾季では水量が極端に違うこともあり、そこには希少な自然環境が生まれています。
実際に雨季の終わりの4月と乾季あがりの11月では水量が10倍近く違ってくることもあるそうです。
スケールの違いに驚きますよね!
世界一危険なプール?!「デビルズプール」
ヴィクトリアの滝で有名なのが世界一危険なプールと呼ばれるデビルズプールです。
そこは断崖絶壁の窪みに形成された水の溜まり場で、現地では悪魔のプールと呼ばれています。
その圧倒的な恐怖感を求めて世界中から旅好きが集まってくるほど、かなり危険なスポットです。
ただしその場所で遊泳可能なのは9月~12月の間の水位が低い間だけとなっています。
過去には実際の死亡事故も発生しているので、どうしても泳ぎたい場合は細心の注意を払ってくれるツアーに参加した方がいいかもしれませんね。
落差がありすぎて滝壺が無い?!世界一の滝「エンジェルフォール」
エンジェルフォールはベネズエラにある世界一落差のある滝で、カナイマ国立公園の中にあります。
その最大落差は979mほどで、ドバイにある世界一高い超高層ビル「ブルジュハリファ」の828mを優に超えるほどです。
その落差「約1,000m」
エンジェルフォールは落差約1,000mあるのですが、なんと滝壺が存在していません。
その理由はあまりにも落差が大きいため、落下する水が地面に当たる前に分散してしまうためだと言われています。
ちなみに落下部は滝壺が無い代わりに、分散した水が大雨のように常に降り注いでいるそうです。
天使の滝の意味では無い
エンジェルフォールと聞くと「天使が舞い降りる滝なのかな?」と、ロマンチックなことを考えてしまいますが、天使は関係ありません。
実はエンジェルフォールを世界中に広めたアメリカ人探検家ジミー・エンジェルという人物の名を冠しているのです。
ですから、天使の滝という意味を持つわけではないようです。
秘境の中の秘境にある「エンジェルフォール」
エンジェルフォールはがあるのは、「世界最後の秘境」ともいわれるギアナ高地にあるテーブルマウンテンの中でも特に最大規模を誇るアウヤンテプイ。
そのため、そこはまるで映画やゲームに登場するかのような世界が広がっています。
まさに秘境に存在しているんですね。
まとめ
世界三大瀑布はナイアガラの滝、イグアスの滝、そしてヴィクトリアの滝です。
これらの滝よりも落差を誇る滝として、エンジェルフォールがあります。
もっとも観光化が進んでいるのは、知名度も高い「ナイアガラの滝」ですが、「エンジェルフォール」に至ってはギアナ高地の中というかなりの秘境にあります。