「ブラボー」は、主にヨーロッパ社会での歓声の一種で、観客や聴衆などが感動した際に口にする感嘆詞です。
この言葉は日本でも口にする機会がありますし、特にコンサートやリサイタルなどでは耳にすることもあるかもしれません。
しかし、そもそもブラボーとはどういう言葉なのでしょうか?
そこでここでは、「ブラボー」の意味はもちろん、語源ついて見ていきましょう。
「ブラボー」とは
まずは「ブラボー」の意味や、そもそも何語に属するのかを見ていきましょう
「ブラボー」の意味
ブラボーとは、観客や聴衆などが賞賛の意味を込めて発する一種の感嘆詞です。
「素晴らしい!」「見事だ」といった意味を込めて、喝采や歓呼する際に使用されることが多くなっています。
主に相手を褒め称える際に用いる言葉です。
日本では日常会話で使っている人はまりいないですが、コンサートやリサイタルなどであれば口にするという方もいるかもしれません。
「ブラボー」は何語?
ブラボーは英語・・・だと思っている方もいるかもしれませんが、元はイタリア語です。
イタリア語のブラボーが、同スペル同義のまま英語にも導入されました。
日本でも使われるようになったのは、英語の影響とされています。
「ブラボー」の語源
ここからはブラボーの由来について見ていきましょう。
語源はラテン語
イタリア語の「ブラボー」、その由来はラテン語にあります。
ラテン語では、(自民族ではない者がよくわからない言葉で)なんとかかんとか言っているという侮蔑の表現として「blah-blah-blah」と表現しました。
この「blah-blah-blah」から、野蛮な・凶暴なという意味の「barbarus」という単語が派生しました。
この「barbarus」に、悪い・歪んだという意味の「pravus」と合わさり、「bravo」、ブラボーの原型となる単語が生まれました。
フランス語の影響で感嘆詞に
もともとブラボー、つまり「bravo」はネガティブな意味で使われていました。
しかし、フランスに伝播した「bravo」は、フランス語で勇敢を指す「brave」の影響を受け、相手を褒め称える意味で使われるようになりました。
このフランスでの用いられ方が、イタリア語に一種の逆輸入ともいえる形で入ってきたことで、賞賛や喝采や歓呼の際に使われる感嘆詞となりました。
「ブラボー」に関する豆知識
ブラボーにまつわる豆知識もあるため、併せてご紹介します。
「フラボー」は相手や人数によって使い分けが必要?
イタリア語には男性系と女性系、単数形と複数形といった変化形が存在します。
これは「ブラボー」でも同じです。
ブラーボ(bravo)が男性単数、ブラーバ(brava)が女性単数の変化形です。
そして男性複数形にブラービ(bravi)、女性複数形にはブラーベ(brave)があります。
ちなみに、男女混合グループへの称賛としてはブラービ(bravi)が用いられます。
ただしこれはイタリア語での話です。
英語では変化形はなくブラボー(bravo)のみなので、英語を経由して広まった日本でも使い分けなくていいとされることが多いです。
ブラボーはいつ言ってもいいものでは無い!ブラボーのマナー
いい作品に出会ったら、いつでも「ブラボー!」と喝采をあげていい訳ではありません。
例えば、コンサートの序盤や中盤などで「ブラボー!」と叫ぶのはマナー違反となってしまいます。
すべてのプログラムが終了した後に使用する言葉となっています。
長時間にわたるオペラ作品の中には、「ブラボー」という喝采や拍手を幕間などで入れてくれるなという注意が出される作品もあります。
また、レクイエムのように死者への鎮魂を願う歌や曲では、そもそもブラボーという事自体がマナー違反とされていることもあります。
まとめ
「ブラボー」は日本でも聞くことのある喝采の言葉です。
日本には英語として入ってきましたが本来はイタリア語由来の言葉です。
原型となったラテン語では、相手への侮蔑となる言葉だったという意外な経歴のある言葉だったのです。