砂に覆われた土地や場所のことを「砂丘」や「砂漠」と表現します。
この2つは、地形を指すのか地域を指すのかで区別をすることができます。
そこでここでは、「砂丘」と「砂漠」の違いについて紹介します。
また、日本に砂漠があるのかどうか、日本一の砂丘はどこなのか、という点についても見ていきましょう。
砂丘は地形、砂漠は地域
砂丘と砂漠は、その規模感で区別されているようです。
「砂丘」とは
砂丘とは、風で運ばれた砂が作る丘などの地形のことです。
特に海辺や川辺など、開けている地形に多く形成されます。
そのため砂丘は、砂の表面が乾いていても掘るとすぐに湿った砂が出てくることも。
「砂漠」とは
砂漠とは、年間降雨量が250mm以下の地域のことです。
あるいは降雨量より蒸発量のほうが多い地域のことを指します。
砂や礫、岩石の多い地域を総じてあらわす言葉となります。
そのため、砂漠は表面が乾いていて掘っても乾いた砂しか出てきません。
成り立ちによる「砂丘」と「砂浜」の違い
前述のとおり、砂丘は風が砂を運んできて形成された地形です。
一方で、波が砂を運んで石を砂に変えたことによってできる地形は「砂浜」と呼ばれます。
そのため、砂丘と砂浜は同じような場所にできることもありますが、できるまでの流れが異なるという事になります。
日本一大きい砂丘はもちろん鳥取砂丘・・・ではない!
日本一の砂丘はどこ?と聞かれたら、「鳥取砂」丘を思い浮かべる人も多いことでしょう。
鳥取砂丘は山陰海岸国立公園にあり、昭和30年に国定公園として指定された場所です。
昭和38年には国立公園に昇格され、良好な砂丘景観が特別保護地区や天然記念物に指定されています。
しかし、鳥取砂丘は日本一の大きさを誇るわけではないのです!
日本一大きい砂丘「猿ヶ森砂丘」
日本一の面積を誇る砂丘は、青森県の下北半島にある「猿ヶ森砂丘」という場所になります。
その大きさは東西に約2km、南北は約17kmもあるとされます。
それだけの規模感がありながら知名度が高くないのには、致し方ない点があります。
なぜなら、この猿ヶ森砂丘は防衛省の弾道試験場がある場所で、一般人は立ち入り禁止となっているからです。
そのため、一般人が観光で訪れることはありません。
あまり知られていない砂丘となっているのは、そんな理由があるためなのです。
日本には砂丘が多いので「日本三大砂丘」もある
日本には、猿ヶ森砂丘や鳥取砂丘以外にも砂丘があります。
そのため著名な砂丘を「日本三大砂丘」と呼ばれる事もあります。
鳥取砂丘を筆頭に、鹿児島の「吹上浜海岸砂丘」や静岡の「遠州大砂丘」などがこの日本三大砂丘としてあげられます。
意外と知られていないのですが、日本には砂丘が多々あるのです。
日本に砂漠はある?
日本には砂漠と呼ばれる場所はありますが、砂漠自体はありません。
なぞかけのようになっていますが、その理由を見ていきましょう。
日本の砂漠とは
東京都大島町、つまり伊豆大島の三原山山麓には「裏砂漠」と「奥山砂漠」と呼ばれる場所があります。
この「裏砂漠」と「奥山砂漠」だけが、国土地理院によって発行されている地図において「砂漠」と明記されている場所になります。
そのため、日本における「砂漠」はこの地にあるといえます。
ただし、この「裏砂漠」と「奥山砂漠」がある伊豆大島は降雨量も多いため、砂漠の定義とされる「年間降雨量が250mm以下」からは外れます。
ですから、砂漠とされる地域ではないという事になります。
そのため、日本には砂漠と呼ばれる場所こそあれど、砂漠自体は存在しないということになるのです。
世界一大きい砂漠、実は意外な場所だった!
世界一大きい砂漠は、サハラ砂漠だと言われることが多いです。
しかし、実際の世界最大の砂漠とは意外な光景の広がる場所になります。
世界最大の砂漠は「南極大陸」
世界最大の砂漠とされるのは、実は「南極大陸」だったりします。
南極と言えば、凍てつく世界というイメージがあるかもしれませんし、「砂漠=砂地が広がる場所」というイメージもあると思います。
しかし、実際の砂漠の定義は「年間降水量」だけです。
周囲に広がる光景については、特に定義に含まれていません。
そのため、降水量の少ない南極は全域にわたり砂漠の定義に一致するとされることから、南極大陸が世界最大の砂漠とみなされることがあるのです。
とはいえ、実際には南極大陸を砂漠とみなすだなんてことはそうないと思われますが・・・。
まとめ
「砂丘」と「砂漠」の違いは、地形を指すのか地域を指すのかという点にあります。
また、「砂丘」と「砂浜」の場合は砂が風か波どちらによって運ばれてきたかという違いがあります。
ちなみに日本にも一応は「砂漠」とされる地名が伊豆大島にありますが、砂漠の定義には当てはまりません。