夏土用に行われる「土用干し」。
この日は梅干し作りをする人もされますが、他にも干すものがあるとされています。
そこでここでは、「土用干し」がどのような日なのかを解説します。
「土用干し」とは
ここでは「土用干し」とは何かを解説します。
梅を干す日
6月ごろ収穫し、塩漬けにした梅。
これを梅雨明け後数日にわたって干しすることを「土用干し」といいます。
梅と塩を混合して重石をすると塩の浸透圧と荷重負荷によりウメから水分が抜けます。
これが数日にわたることで「白梅漬け」と呼ばれる状態になります。
この状態の梅を、三日三晩にわたって天日干しすることで梅干しが出来上がります。
田んぼを干す日
「土用干し」は、農業用語のひとつでもあります。
夏土用の頃に水田の水を抜き、穂をよく実らせるために行うための作業のことを指します。
この水田の「土用干し」は、「中干し」という別の呼び方もされます。
地面を乾くので根が土中に酸素を取り込むことができる、収穫の見込めない稲の無駄な生長を抑えることができるといった効果が見込めることから、土中にある稲の根を強化することができると考えられています。
衣類などを干す
梅雨の時期になると、どうしても衣類などは湿気を含んでしまいます。
こうした衣類や本を夏土用に陰干しすることも「土用干し」といいます。
梅雨も明けて雨の降っていない晴れた日に陰干しすることで、虫やカビが付着するのを防ぐことを狙って行われます。
「土用干し」はいつ行うもの?
ここからは「土用干し」はいつ行うものなのか解説します。
「土用」があるのはいつ?
土用干しが行われる「土用」ですが、土用自体は年4回あります。
その中でも、土用干しが行われるのは夏の土用、いわれる「夏土用」といわれる時期です。
土用干しが行われるのは「夏土用」
「土用干し」は、行われるのは年4回ある「土用」の1つ「夏土用」です。
この「夏土用」があるのは、立秋前となる7月中旬から8月初旬です。
なお、「冬土用」は立春前の1月中旬。
「春土用」は、立夏前となる4月中旬。
「冬土用」は、立冬前の10月後半にあります。
他にもある夏土用の風習
現在は、「丑の日」としても知られる夏土用。
土用干し以外にも行う風習や逆にしてはいけないこともあります。
丑湯
夏土用には、薬草を入れたお風呂に入る「丑湯(うしゆ)」という風習があります。
季節の変わり目となる時期でもあるので、桃の葉やよもぎの葉などを入れた湯船に浸かることで疲れを取ってきていました。
「う」の付くものを食べる
夏土用つまり「土用の丑の日」といえば、うなぎを食べるのが定番となっています。
この風習は、江戸時代中期に発明家や作家として活躍した平賀源内のキャッチコピーによるものとされています。
しかし、それ以前から既に土用の丑の日には「う」の付くものを食べるという習慣がありました。
例えば「うどん」や「ウリ」が食べられてきました。
草むしりはしてはいけない期間?
夏土用は、陰陽五行説の考えから「土の気が盛んになる」とされています。
そこから、土を動かすようなことは控えるようにするという事も。
草むしりや土いじり、そして畑仕事などもせずに休養を取る日にするという一面もあったのだとか。
まとめ
夏の土用、いわゆる夏土用には「土用干し」という風習があります。
6月に収穫した梅を塩漬けしたものを、干して梅干しにする作業を行う日となっています。
「土用干し」は、他にも水田の水を抜いたり衣類を陰干しして湿気を飛ばす日ともされています。