フランス・ミッテラン政権で法相を務め、死刑を廃止したロベール・バダンテール弁護士が9日までに亡くなりました。95歳でした。バダンテール氏は去年、JNNのインタビューで日本が死刑制度を続けていることについて「恥ずべきことだ」と批判していました。
バダンテール氏は1981年、死刑廃止を公約に掲げ誕生したミッテラン政権で法相に就任。当時のフランスはギロチンによる死刑執行が行われ、国民の大半が死刑制度を支持していたこともあり、西ヨーロッパの中で死刑廃止は遅れていました。
しかし、ミッテラン大統領とともにバダンテール氏は政治解決で押し切り、死刑廃止を実現しました。
そのバダンテール氏は去年秋、JNNのインタビューに応じ、日本の死刑制度を批判していました。
バダンテール元法相
「生きる権利は人間にとって一番大切な権利なのです。世界中が日本を素晴らしい文明国だと認めています。その日本が(死刑制度を)続けることは恥ずべきことです。日本の政治家は意気地なしです。もう少し勇気をもってもらいたい」
バダンテール氏の死を受けアタル首相は「フランス人の自由と権利に大きく貢献した人物だ」と称え、マクロン大統領は「世紀の人であり、フランスの精神だった」とその死を悼みました。