【インタビュー】高橋克典、「王道の勧善懲悪だけじゃない魅力にあふれています」 舞台『忠臣蔵』で吉良上野介役

2024-02-10 14:30
【インタビュー】高橋克典、「王道の勧善懲悪だけじゃない魅力にあふれています」 舞台『忠臣蔵』で吉良上野介役

上川隆也主演、豪華キャストで描く令和版の舞台『忠臣蔵』が、実際の討入りの時期に合わせて12月12日(金)東京・明治座で開幕。1月には名古屋、高知、富山、大阪、新潟(長岡)の各地で上演されます。

元禄時代に実際に起こった赤穂浪士たちの仇討ちを題材に、歌舞伎で取り上げられて以来、幾度もドラマ化、映画化、舞台化された屈指の名作。平穏な日々からお家取り潰し、情報戦や攻防・調略、苦難を乗り越え、最後の吉良邸襲撃、仇討ち本懐に至るまで、様々な人間模様が描かれます。

年末と言えば『忠臣蔵』と言われるほど、永らく師走の風物詩にもなっている赤穂浪士たちが繰り広げる義と葛藤と信念の物語について、吉良上野介役を演じる高橋克典に話を聞いた。

――多くの人々に愛される『忠臣蔵』ですが、今回の出演が決まった時の心境はいかがでしたか。

年末と言えば忠臣蔵というように、僕自身も小さい頃から慣れ親しんでいる作品です。三船敏郎さんは『大忠臣蔵』として民放版大河ドラマのようにやられていましたし、数々作られてきた大きな作品です。それに今回自分も携われるのかと感慨深い想いでいっぱいですが、まさか吉良上野介を演じることになるとは(笑)。大きな感慨と驚きが混在しております。

――『忠臣蔵』の物語の魅力については、どのように思われますか。

大石内蔵助ははじめは昼行燈と言われていましたが、お家再興を目指したところから、最終的に吉良邸へ討ち入りにいたるという心中の変化ですよね。その群像劇と、当時の薄れていく侍、武士の魂も描かれる。江戸も商人の世になり、武士の精神が形ばかりになっていた時期に忠義、侍の魂を美しいものとして描いて、日本人の魂として大衆が必要としたのかもしれない。そういうところでしょうね。

――仇討ちをされる吉良上野介という役は、どのように演じますか。

今言った当時の時代背景のなか、史実とは別れた形で勧善懲悪の物語の中で吉良のキャラクターが出来上がっていった流れがあるわけですが、自分が演じるにあたって改めて吉良のニュアンスは難しいと思いました。みんなが憎たらしいと思う存在になっているけれど、結局のところ浅野内匠頭と吉良の間に何があったのか、本当のことは当人同士じゃないとわからないんですよね。それによる難しさは感じているところです。

――『忠臣蔵』を令和の今、上演する意義についてはいかがでしょうか。

ワンサイドだけの楽しみ方じゃないところでしょうね。歴史的な勧善懲悪の物語で、大きな作品ではあるけれども、時代が変わってそれぞれに理由があるだろうという見方もするようになった。群像劇の面白さと恐ろしさがあります。吉良で言うと、情報とイメージだけでどんどんと自分たちの中で悪の存在を育ててしまう。人の心の恐ろしさもあるわけですよね。今『忠臣蔵』を観ると、それが描かれている作品でもあると思いました。

――かなり今の時代に通じるテーマでもありますね。

昔はそれこそ忠義がメインでしたよね。昭和なら大企業が生まれ、そこにたくさんの社員がいて、喰わせてもらっている会社や上司に対する忠義で組織は成り立っていたけれど、時代の流れでそういうものが壊れ、僕らの見方も変わってきた。たとえば今なら、昔の人間が決めた取り決めに対して、これでいいのかと大勢が疑問を持っていることがありますよね。みんなで手を組めば何かをひっくり返せるかもしれないという現代的な見方ができると同時に、そしてその危険性も感じながら観られると思います。

――『忠臣蔵』を楽しみにされている方へメッセージをお願いいたします。

舞台『忠臣蔵』、物語としては王道の勧善懲悪が貫かれていると思いますが、それだけじゃない魅力にあふれています。特に今回登場する若いキャラクターたちは、その若さゆえの勢いのよさとは裏腹に、考えの浅さも描かれている。そこに現代の縮図のようなものを感じられることもあると思うので、いろいろな見方でお楽しみいただければと思います。

■あらすじ

元禄14年(1701年)3月、江戸城松の廊下で赤穂藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷に及び、内匠頭は即日切腹の上、赤穂藩・浅野家はお家断絶という厳しい処分が下された。

筆頭家老・大石内蔵助は赤穂城を明け渡し、藩士は浪人の身となるが、その裏では、内匠頭への断罪に対し、吉良にはお咎めなしとなったことへの憤り、そして亡き主君の仇を討ちたいという家臣たちの一念が募り、赤穂浪士たちの仇討話が現実味を帯び始める。

一方、吉良方も上杉藩家老・色部又四郎を中心に対抗策を講じ、浪士からの離脱を計り、仇討をさせないための謀略、神経戦が繰り広げられる。

やがて、内蔵助は敵の目を欺くため、敢えて遊興にふけり、仇討は遠のいたように映っていたが、その実、着々と準備は進み、元禄15年(1702年)12月14日未明、遂にその時がやってくる。

四十七人の赤穂浪士が吉良邸になだれ込み、遂に吉良上野介を討ち果たす。

高らかに勝鬨を挙げ、内匠頭が眠る泉岳寺に向けて、洋々と引き揚げていくのだった…。

■舞台『忠臣蔵』

東京公演 2025年12月12日(金)〜28日(日)明治座
名古屋公演 2026年1月3日(土)〜6日(火)御園座
高知公演 2026年1月10日(土)高知県立県民文化ホール
富山公演 2026年1月17日(土)富山県民会館
大阪公演 2026年1月24日(土)〜27日(火)梅田芸術劇場メインホール
新潟(長岡)公演 2026年1月31日(土)長岡市立劇場

詳しくは公式ホームページでご確認ください:https://chushingura-ntv.jp/

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