![アジア新記録&8位入賞の田中希実「パリでは安定して入賞、メダルを目指すという意識で」日本選手団が帰国【世界室内陸上】](/assets/out/images/jnn/1036463.jpg)
イギリス・グラスゴーで開催された世界室内陸上競技選手権大会(3月1日~3日)に出場した日本選手団が5日に帰国。女子3000mでアジア室内記録を更新し8位入賞を果たした田中希実(24、New Balance)、男子60mで日本初のファイナリストとなった多田修平(27、住友電工)が羽田空港で取材に応じた。
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大会2日目に行われた女子3000mに出場した田中は、5000m世界記録保持者・ツェガイ(エチオピア)ら海外勢がハイペースでレースを展開する中しっかりと海外勢に食らいつくも、終盤に離され8位でフィニッシュ。それでも、自身の記録をおよそ4秒更新する8分36秒03のアジア室内新記録をマークしてみせた。「今の等身大の力は出せたがプラスアルファの力が出せなかった。それでも目標の8分40秒切りが達成できたのは素直に嬉しい」とレースを振り返った田中。
今夏に控えるパリ五輪に向けては「安定して入賞できるような力をつけて、その先にメダルを目指すという意識を持つことは大事だと思う」と意気込んだ。次戦としては、今月30日にセルビア・ベオグラードで行われる世界クロスカントリー選手権に出場予定。そして4月からは本格的に屋外のトラックシーズンが始まる。「東京五輪の時はチャレンジャーという気持ちだったが、今年は2回目のオリンピックイヤーを迎えるので、どっしりと構えてチャレンジャーとは違う楽しさを持てる年にしたい」。
また大会1日目に行われた男子60mに出場した多田は、予選から従来の記録を0.01秒更新する6秒52の日本新記録をマーク。準決勝では6秒53の組3着となるも、タイムによるプラスで拾われ同種目日本人初のファイナリストとなった。決勝ではスタート直前の準備段階で軽度の肉離れを起こし、その影響で脚がつりながら走るというアクシデントもあって6秒70の7位。「自己ベストと日本新記録、ファイナルに残れたことは素直に嬉しいが、決勝では脚が限界で勝負ができなかった。世界とちゃんと戦えなかったということが悔しい」と無念さを滲ませた。
気になる脚の状態については「終わった直後は歩きづらかったが、だいぶ痛みも無くなってきたので、ちょっと休めばすぐに走れそうな感じ」。そして、100mで出場を狙うパリ五輪に向けては「目標はまず9秒台を出してオリンピックの参加標準記録(10秒00)を突破すること。突破して日本選手権でしっかり優勝し、オリンピックの代表権を獲得したい。パリ五輪のファイナルで、海外のトップ選手としっかり争えるような走りがしたい」と虎視眈々。4月からの屋外シーズンを万全で迎えるために、じっくりと調整していく。