中国の習近平国家主席は中国軍の会議に出席し、「海上軍事闘争の準備」を進めるよう指示しました。
中国国営の中央テレビによりますと、習近平国家主席は7日、中国軍の幹部らが出席する会議に出席し、「海上での軍事闘争の準備、海洋権益の保護、海洋戦略能力を高める必要がある」と述べ、海軍力などの増強に力を入れるよう指示しました。
中国は尖閣諸島周辺海域や南シナ海での活動を活発化させており、今回の指示により、こうした威圧的行為がさらにエスカレートする可能性もあります。
中国は以前から台湾について、「武力による統一の可能性も排除しない」という姿勢を示しており、台湾への圧力を念頭に置いた指示ともみられます。
また、近年、安全保障をめぐり、重要性を増しているサイバーや宇宙空間、AIといった分野について、「強国建設に向け、前進するために重要だ」としたうえで、「新領域分野での戦略的能力を全面的に強化する」よう指示しました。
今年の全人代=全国人民代表大会で2024年の国防費として前の年に比べ、7.2%増の1兆6655億元、日本円でおよそ34兆円を計上する方針が示されています。
中国経済の先行きに不透明感が広がる中、軍事費の強化には、引き続き力を入れる姿勢が鮮明になっており、今回の習近平国家主席の指示も軍拡路線を堅持するものといえそうです。