中国政府は、王毅外相がオーストラリアを訪問し、ウォン外相と外交戦略対話を行うことを明らかにしました。中国外相のオーストラリア訪問はおよそ7年ぶりで、両国の関係改善が進んでいます。
中国外務省の発表によりますと、王毅外相は17日から21日にかけてオーストラリアとニュージーランドを訪問し、オーストラリアではウォン外相と外交戦略対話を行います。
汪文斌報道官は14日の記者会見で、「包括的戦略パートナーシップを安定的に推進し、世界の平和、発展、繁栄に積極的に貢献することを期待している」と述べました。
両国の関係は、4年前にオーストラリアが中国に対し、新型コロナウイルスの発生源について、独立した調査を求めたことから悪化しました。
しかし、2022年に中国との関係改善を掲げるアルバニージー首相が就任し、去年は中国で習近平国家主席と会談。両国は、中国によるオーストラリア産ワインへの制裁関税を見直すことでも合意するなど、関係修復が進んでいます。
オーストラリアは、日本・アメリカ・インドとの4か国の枠組み「QUAD」や、アメリカ・イギリスとの安全保障の枠組み「AUKUS」を構成していて、中国としては、対中包囲網の一角を占めるオーストラリアとの関係改善を進めることで、アメリカをけん制したい思惑もあるとみられます。