世界10か国のシンクタンクの代表者らがグローバルな課題について論じる「東京会議2024」が14日、都内で行われ、ウクライナとガザで続く「2つの戦争」をどのようにして終結させるかなどについて議論し、声明を発表しました。
「東京会議」は民間シンクタンクの「言論NPO」が主催し、G7=主要7か国とインド、シンガポールなど、世界10か国のシンクタンクの代表者らが参加しました。
ウクライナ情勢をめぐる議論ではロシアが優勢な現状での停戦交渉に否定的な意見が相次ぎ、ウクライナへの軍事支援を続けるべきだという意見が多くあがりました。
ドイツの国際政治安全保障研究所のステファン・マイヤー所長は「いま停戦するのはプーチン大統領に褒美を与えることになり、再び侵略することになりかねない」と述べました。
イスラム組織ハマスとイスラエル軍によるガザでの戦闘をめぐっては、「G7は戦争を止め、イスラエルと独立したパレスチナの平和共存を図る『2国家解決』を主導すべき」との意見が大勢を占めました。
この2つの戦争について、インドの「オブザーバー研究財団」のサンジョイ・ジョッシ理事長は「紛争はこれまで考えられなかったような食料、医療、エネルギーなど、すべてを武器化した」としたうえで、「紛争はがんのようにどんどん拡大している」と懸念を示しました。
アメリカの「外交問題評議会」のジェームス・リンゼイ上級副所長は中国のスタンスについて、「中国はずっと国家主権が大事だと言い続けているが、ガザとウクライナでの紛争を止めようとしなかった」として、「解決に向けて中国が果たしうる役割がある」と指摘。
そして会議の終盤、「言論NPO」の工藤泰志代表が「国際社会の最優先課題は、ウクライナとガザでの戦争の終結だ」とする声明を発表。
この中で、国際社会の安定のためには「ルールや制度、法の支配が不可欠である」として、「紛争解決で機能を果たせない国連」の改革は避けられず、G7は国連の立て直しを主導すべきだと提言しています。