EU=ヨーロッパ連合のボレル外交安全保障上級代表は20日、経済制裁で凍結されたロシア中央銀行の資産から得られる収益をウクライナなどへの軍事支援にまわす案を、加盟国に提案したことを明らかにしました。
EU ボレル外交安全保障上級代表
「まもなく合意に至り、紙幣が武器に変わることを望んでいます」
EUのボレル外交安全保障上級代表は20日の会見で、ウクライナ侵攻を受けてヨーロッパで凍結されているロシア中央銀行の資産から得られる収益が年間およそ30億ユーロ=日本円でおよそ4940億円に上ると明らかにしました。
ボレル氏はこのうち9割をウクライナなどへの軍事支援に使われるEUの基金に移し、残りの1割をウクライナの復興や防衛産業に回す案を加盟国に提案したということです。この提案は、21日から開かれるEU首脳会議で審議されます。
ロイター通信によりますと、ボレル氏の発言を受けてロシア外務省のザハロワ報道官は、「盗賊と同じだ」と反発しています。
こうした中、ロシア軍によるウクライナへの攻撃は続いていて、北東部ハルキウ州では20日、ミサイル攻撃で5人が死亡したと知事が発表しています。