![歴史的Vの尊富士、足引きずりながら表彰式「千秋楽土俵に上がれてよかった」「皆さんの記憶に残りたくて」と土俵への思い語る](/assets/out/images/jnn/1071436.jpg)
■大相撲春場所・千秋楽(24日、エディオンアリーナ大阪)
新入幕の前頭17枚目・尊富士(24・伊勢ヶ濱)が110年ぶりの「新入幕V」を達成。前日、朝乃山との一番で敗れた際に右足を負傷した尊富士は、その悲運を乗り越え見事初賜杯を手にした。
表彰式では少し右足を引きずりながら入場し、八角理事長から天皇賜杯を受け取った。
土俵下の優勝インタビューでは「本当に千秋楽土俵に上がれてよかったなと安心しています」とまずは安堵の表情をみせた。
「身体的にきつくて、絶対に15日間しっかりと務めることが力士としてと思ったんで。本当に優勝を勝ち取りたくて、しっかり(土俵に)上がることができてほっとしてます」と力強くコメント。
負傷を抱えながら挑んだ千秋楽について「このケガだったらたいした相撲を取れないと思っている方もいたと思いますが、自分もここで負けたら皆さんが15日間大阪場所に来ていただいた意味がないなと思ったんで、その辺は自分でしっかり考えて土俵に上がりました」と、土俵への強い思いを口にし会場からは大きな拍手が沸き起こった。
入門してから10場所での最速優勝に「記録も大事ですけど、皆さんの記憶にひとつでも残りたくて必死でがんばりました」と話した。
今場所、尊富士は初土俵から史上最速タイ(幕下付け出し除く)の所要9場所で“幕内デビュー”。持ち味の鋭い出足を武器に初日から破竹の「11連勝」を飾り、新入幕力士としては1960年初場所の大鵬以来、64年ぶりの快挙を達成した。
12日目に大関・豊昇龍(24・立浪)に敗れ連勝街道はストップしたが、13日目に関脇・若元春(30・荒汐)を圧倒し、星の差「2」で優勝に王手をかけた。だが14日目は朝乃山に敗れ2敗に。さらに右足を痛めてしまうアクシデントで車いすで移動する事態となり、快挙目前で悲運に見舞われた。休場の心配もあったが、千秋楽では前頭6枚目・豪ノ山(25・武隈)を押し倒しで下し見事初優勝、初土俵(22年秋場所)から所要10場所目での「史上最速V」の快挙も達成した。