「僕の口座に勝手にアクセスし送金」大谷選手が声明で関与否定 メジャー元通訳に聞く“勝手に送金”は可能?【news23】

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2024-03-27 16:43
「僕の口座に勝手にアクセスし送金」大谷選手が声明で関与否定 メジャー元通訳に聞く“勝手に送金”は可能?【news23】

26日に水原氏の賭博問題について口を開いた大谷選手。声明の内容、現地の受け止めはどのようなものだったのでしょうか。

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大谷選手「関与していない」 潔白を主張

<大谷選手の関与は?>

大谷翔平選手
「まずはじめに、僕自身は何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、またそれを頼んだりということもないし、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことも全くない」

声明の冒頭で、身の潔白を主張した大谷選手。

大谷選手
「僕はもちろんスポーツ賭博には関与していないし、ブックメーカーに送金をしていたという事実は全くない。彼(水原氏)に送金してくれと頼んだこともないし、許可したこともない」

約11分間の声明発表のなかで、3度にわたり違法賭博への関与をきっぱりと否定しました。

「僕の口座に勝手にアクセスしブックメーカーに送金」

<大谷選手はいつ知ったのか?>

大谷選手
「僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは韓国での第一戦が終わったあとに行われたチームミーティング、試合の後のチームミーティングのとき。そのミーティングで、彼は全部英語で話していたので、僕に通訳はもちろんついていなくて、すべて英語で話していたので完全に理解はできなくて。彼は僕に対して、ホテルに帰ったあとで2人でより詳しいことを、2人で話したいので、いまは待ってくれと言っていたので、僕は待つことにしていた。試合後ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをそのとき知った。彼はそのとき私に『僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していた』と伝えた。結論からいうと、彼が僕の口座からお金を盗んで、みんなにウソをついていた

大谷選手「水原氏はウソをついていた」「気持ちの切り替え難しい」

<水原氏がついた『ウソ』とは?>

大谷選手によると、水原氏は大谷選手の代理人や周囲に対してこう説明していたと言います。

大谷選手
「某友人の借金の肩代わりとして支払ったと、僕も含めて代理人みんなに話していました。その翌日に、さらに尋問で一平さんは『借金は自分のもの、一平さん自身が作ったものだ』と説明しました。それを僕(大谷選手)が肩代わりしたという話をその時に代理人に話した。そして、これらは全くウソだったということです」

声明で、水原氏を「信頼していた方」と呼んだ大谷選手は、いまの心境について…

大谷選手
「正直ショックという…言葉が正しいとは思わないし、上手く言葉では表せないような感覚で、この1週間ぐらいは過ごしてきたので、気持ちを切り替えるのは難しいけど、シーズンに向けてまたスタートしたいし、きょうお話できて良かったなと思っているので、これが今お話できる全てなので質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います」

「今話せることは全て話した」として、26日は記者からの質問は受け付けませんでした。

ドジャースファン
「彼は何もしていないと思う。そんなことするような男には見えないよ。ただ利用されただけだと思う」
「あとは代理人弁護人に任せて、大谷くんにはホームランを打ってほしい」

ドジャースのロバーツ監督も、大谷選手の対応を評価したうえで…

ドジャース ロバーツ監督
「ただ野球に集中してほしい。自分の考えを話してくれて誇りに思っている」

どうやって口座にアクセス?疑問残る “質疑応答なし”に現地記者は…

声明発表の場で取材した、海外メディアの記者は…

FOXニュース カイル・クラスカ記者
「最大の疑問点は、銀行口座から500万ドル近い大金を、持ち主に気づかれずにどうやって移動させることができるのか。彼の話し方に疑うべき点はなかった。あれで真実を語っていなかったらとてもにショッキングですね」

この問題を最初に報じた記者も「勝手にアクセスして送金した」という説明には大きな疑問が残ったと指摘します。

LAタイムズ ディラン・ヘルナンデス記者
どうやって大谷選手の口座に水原通訳がアクセスできたか、そこがまだ明らかになっていない」

メジャー元通訳に聞く “勝手に送金”は可能?

藤森祥平キャスター:
会見が終わった後に各メディアの反応を見ていたんですけど、一様に「思ったよりもしゃべってきたな」と、中には「びっくりした」という話をしている人もいました。アメリカでは捜査中のことに関してはなかなか話しません。記者もそれに関しては深追いしてもしょうがないというところもあったんです。その割には自分で用意したメモをよどみなくしゃべり切っていたという点での驚きだと思います。そういう距離感がある中で、会見が終わった後に記者の方から大谷選手に質問を強引にぶつけるというスタイルはなかったのかもしれません。

小川彩佳キャスター:
もっと聞きたいというモヤモヤ感も記者からは特になかったということですか。

藤森キャスター:
もちろん多くの疑問が残っているので改めて調べが進んでいきますし、記者から質問をぶつける機会が来ると思います。終わった後には、全米メディアも会場の外で中継をしたり、スポーツ担当記者以外のジャーナリストの姿もありましたので、改めてアメリカでの注目度の高さを感じました。

喜入友浩キャスター:
では、何を大谷選手が語ったのかを整理していきます。

(1) 問題を知ったのは韓国での第1戦の終了後
(2) 借金返済に同意していない、送金してくれと頼んだこともない
(3) 僕の口座に勝手にアクセスして送金していた

ただ疑問も残ります。

(1)7億円近くの送金に気づかなかったのか?
(2)勝手に本人以外が送金することはできたのか?

小川キャスター:
この点、小島さんは通訳として、選手のそばにいた立場としてどのように感じますか?

スポーツ&コミュニケーション専門家 小島克典さん:
私がメジャーリーグで通訳をしていた時代はiPhoneができる前で、電子送金が便利に行われていた時代ではありません。憶測も入りますが、ある超富裕層の方に聞いたところ、上限50万ドルほどまではノーチェックというか本人がやればできると言っておりましたので、仮にそれが事実だとしてかつ大谷選手の口座も最大50万ドルまでいけるという条件があったことを水原元通訳が知っていたのであれば、操作できなくはないのかなとは思いました。

小川キャスター:
チェックというのは本人確認などの暗証番号やパスワードですか?

小島克典さん:
何かを知ってさえいれば、指紋認証や目の瞳孔での生体確認はなくてもできるとは聞きました。

喜入キャスター:
7億円近く動いても本人は気づかないものなのでしょうか?

小島克典さん:
ちょっと前に元プロ野球選手の里崎さんが話していたのですが、例えば年俸1億・毎月1000万ぐらい入ってくる口座で入ってくるお金の方が多いと、シーズン中に記帳などしないので気づかないこともあるんじゃないかなとは言っていました。そんな話を「億」を稼ぐ選手からナマで聞くと、そういうもんなのかなとは思いました。

喜入キャスター:
メジャーの通訳はどんな仕事をするのか、小島さんに聞いたところ▼移籍時の新居探し、▼口座開設、▼クレジットカードの作成、▼グラウンド内外の通訳などがあります。

小島克典さん:
我々通訳はアスリートの可能性を最大限に引き出して、最終的にチームの勝利に貢献することを求められる仕事なんですけど、グランドから出ても球場と自宅の間も英語の標識ばかりですから、日本人選手はわからないわけですよ。そうすると自宅から球場までの安全な道、試合が終わった後に安全に帰る道みたいなところまでガイダンスするのが現役時代の務めだと思っていました。

これは別に契約書に書かれているわけでもないんですけど、心情的にはやりたくなりますよね。そうするとここのレストランは美味しそうだなとか、ここはデーゲームのときしか行けないなとか、“食”のところにもかかってくるし、どんどん仕事なのか仕事じゃないのか、そこがにじんでくるわけですよね。

そうすると、やった方がより選手のパフォーマンスやストレスの軽減になるなとなると、どんどんにじみが広がっていっちゃうことはありました。

小川キャスター:
それだけ密接な関係にあると、通訳だけがアクセスできる口座を開設したり、高額な資金の移動もできるわけですか?

小島克典さん:
憶測ですけれども、メインのバンクアカウントへのアクセスは本人だけだと思うんですよ。ただサブアカウントとかサードアカウントとかがあったのであれば、サブとかサードのアカウントはスタッフと共有することはあるのかなと。日本人の感覚だと、銀行口座から電気代・水道代・ガス代は自動で引き落とされるじゃないですか。でも、アメリカは第三者が自分の口座から大きくお金を引き落とすことを嫌がる国なので、クレジットカードで払う以外は基本的に自動引き落としをしていないです。

そうすると、遠征から帰ってきてポストを見ると請求書がたくさんあるのは、アメリカで生活していると結構ストレスなんですね。

それで多くの方はクレジットカード払いにしているとは思うんですけれども、そうじゃなかった場合に経費用のアカウントを作って、そこでやっといてくれっていう会話は想像に難くないかなとは思いました。

喜入キャスター:
なぜ大谷選手が送金できた方法について語らなかったのか、カリフォルニア州の弁護士資格を持つ清原博さんに伺いしました。

清原さんは、大谷選手が知っていたが語らなかった場合、「被害者である以上、犯行の手口を喋っても不利益はない。むしろアピールしてもよい。ただ今回は『水原氏を非難する場ではない』という判断があったのではないか」と分析しています。

残った疑問 米メディア今後の追及は?

小川キャスター:
今後、アメリカのメディアはさらに追及していく構えなのでしょうか?

藤森キャスター:
もちろん水原氏の周辺情報、近況も含めた情報を求めに動くことは考えられますし、今後、新たに大谷選手サイドからの発表があるかもしれません。それは大々的に報じられることになると思います。

あとは、水原氏と最初の代理人とのやり取りの中身について関係者からの情報などが漏れ広がったりする可能性もなくもないのかなと。そうなると一斉に報道されるのではないかということは憶測ですけど考えることはできると思います。

ただ、会見に臨んだ大谷選手をファンもおおむね評価しているということで、26日の試合での歓声は前の日より大きく聞こえました。

試合で大谷選手の顔の近くにボールが飛んできてのけぞるようなシーンがありましたけど、そのときのスタジアム全体からのブーイングは愛を込めたメッセージのようにも聞こえました。

藻谷浩介さん(日本総合研究所 主席研究員):
ひとつ語られてないこととして、おそらくアメリカ人と日本人では見ている感覚が違うと感じます。アメリカ人は、よほどの大富豪は違うかもしれませんが「お金の管理は自分がやるべきだ」という庶民感覚を持っています。

6億円とは言わないけれども6万円でも人の口座にというのは「だらしないよね、大谷さん」という感覚をアメリカ人は多分持つ。逆に日本人はお金のことについてああだこうだ言うことはみっともないという感覚を持っている。

だから、疑問を持っている人は早く嫌疑を晴らすべきだと思って言っていると思うけれども、アメリカ人は逆にだらしないのは良くないと思っている。やがてはっきりすると思いますが、大谷さんにはお金にそんなにかかわらずに野球に専念するという日本的な感覚を持って頑張ってほしい。そこまでアメリカに従う必要はないと思います。ドジャースが面倒をみて、お金を気にせず残りのシーズンを頑張ってほしいですよね。

小川キャスター:
ずっと近くにいた水原さんがいなくなってしまうことの影響は、計り知れないものがありますよね。

小島克典さん:
大谷選手、2024年はピッチャーのリハビリなんですね。1回目のリハビリプログラムを近くで見ていた水原さんがいなくなるのは、すごく大きなマイナスだと思いますので心配しています。

「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『大谷選手の声明の受け止め』などについて「みんなの声」を募集しました。

Q.大谷選手の声明 どう受け止めた?
「信用できる」…27.4%
「疑問が残った」…52.7%
「試合への影響が心配」…16.4%
「発表の必要はなかった」...0.7%
「その他・わからない」…2.7%

※3月26日午後23時18分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません

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