全国初の私立の夜間中学 沖縄に開校 様々な理由で義務教育を受けられなかった人たちに学びの場を提供

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-04-25 12:25
全国初の私立の夜間中学 沖縄に開校 様々な理由で義務教育を受けられなかった人たちに学びの場を提供

シリーズ「現場から、」。今月、全国初となる私立の夜間中学校が沖縄で開校しました。夜間中学に通う男性の姿をとおして、学びの原点を見つめます。

沖縄のある学校で開かれた「入学を祝う会」。

珊瑚舎スコーレ東表中学校 星野人史 校長
「二十数年やってきましたが、ことし初めて正式な卒業証書を出せる夜間中学校になりました」

様々な理由で義務教育を受けられなかった人たちに学びの場を提供してきた「珊瑚舎スコーレ夜間中学」。今月、全国初となる私立の夜間中学校として開校しました。

珊瑚舎に3年間通ってきた城間清廣さん(68)もあらためて入学しなおしました。

城間清廣さん
「緊張している。校長先生にありがとうございますと言いたい」

父親が出稼ぎのため渡ったブラジルで生まれ育った城間さん。幼いころから働きづめで、学校で学ぶことがほとんどできませんでした。

城間清廣さん
「難しい、漢字書くの。どうやって書くか分からん」

仕事を終えると、すぐに夜間中学へ向かいます。

城間清廣さん
「ひらがなは少し覚えてきた。先生も『うまくなってきているよ』と言ってくれる。(ページを)めくったら楽しいよ」

義務教育を終えていない人は全国におよそ90万人いるとされています。その受け皿として、公立の夜間中学がない沖縄で20年にわたり自主夜間中学を運営してきた「珊瑚舎スコーレ」。正式な中学卒業認定を得られるようにするため、全国から集まった2万人以上の署名を提出するなどして働き掛けた結果、今月、全国初となる私立の夜間中学校が誕生しました。

珊瑚舎スコーレ東表中学校 星野人史 校長
「これでスタート地点に立ったという感じ。(Q.夜間中学校は何のために必要?)「人間のためですよ。学びはやはり喜びだから。夜間中学校はそのことがよくわかる。『学校で学ぶ』ということの原点のようなものがある。そういう場をこれから作っていかなくちゃいけない」

城間清廣さん
「もう少し漢字の練習をやらないといけない。勉強」