罪状認否の手続きで約1か月ぶりに姿を見せた水原一平被告。今後の司法手続きの流れでどんな事が考慮され量刑が決まるのか？スタジオで詳しく見ていきます。
【写真を見る】約30億円 被害の賠償はどうなるか？水原一平被告 有罪となれば刑務所に収監 日本とは大きく異なるアメリカの刑務所【Nスタ解説】
アメリカの刑務所での生活は？自由に買い物、映画鑑賞も
良原安美キャスター:
水原被告が罪状認否の手続きで約1か月ぶりに姿を見せました。今後の動きですが、早ければ1〜2週間以内に再び出廷し有罪を認め、2〜3か月後には量刑が言い渡されます。有罪となればアメリカの刑務所に収監されることになります。
アメリカの刑務所ですが、日本とは大きく異なるようです。
セキュリティごとに4段階にわかれているそうで、数字が上がるほどセキュリティが厳しくなっていきます。水原被告は逃亡の恐れがなく、凶悪犯罪ではないため、最初はレベル2か3に収監されるのではと言われています。
また、模範囚に関しては、セキュリティの低い刑務所へ移動することもあるということです。
ではその刑務所の中での生活は、どんなものなのでしょうか？
アメリカの刑務所に10年弱服役した経験がある井上ケイさんによりますと、いろいろとできることが多いことがわかりました。
【アメリカの刑務所でできること】
・ドラマやスポーツなど約20種類の映画の鑑賞
・スーパーで食品や日用雑貨などの買い物
・大学で語学の勉強や資格の取得
・仕事を自由に選択し、仕事での外出（レベル1の刑務所）
ホラン千秋キャスター:
レベル1から4までそれぞれ犯罪の重さによって入るレベルが変わってくるということなんですか？
米・カリフォルニア州弁護士 鈴木淳司さん:
まず、刑務局に身柄が渡され、レベル1〜4までのどこのレベルに入るかを決めていきます。
罪の重さも一つありますが、保護観察局のレポートに基づいて、凶暴性の有無や、社会に迷惑を今までどのぐらいかけてきたのかの度合いなどいろいろなファクターを考慮して、行政が決めていくという感じです。
井上貴博キャスター:
どこのレベルに決まるかわからないですよね。レベルがある程度低く、自由度が高いとなった場合に、例えば中で囚人同士が賭け事をしたりポーカーをしたりというのは普通に行われていて、水原被告を利用するような囚人が出てきてもおかしくないと思うのですが、そういう場合に水原被告限らず、隔離して他の囚人と接触を避けるなどの措置はとられることもあるのでしょうか。
米・カリフォルニア州弁護士 鈴木淳司さん:
例えば麻薬をやってる人とかは隔離されたりしますが、そもそも水原被告はおそらくレベル1には入れません。なぜ入れないかというと、アメリカ国籍を持っていないからですね。永住権しか持っていない方は、おそらくレベル2に入れられると思います。いわゆる自由度がそれなりに限られている状況にあると思います。そこに入った場合、通常は他の受刑者たちと一緒に過ごせますから一緒にテレビを見たり映画を見たりボードゲームをやったりすることはできますが、隔離をこれでされるというのはまず考えられないですね。
約30億円 どう支払う？水原被告 巨額の賠償責任
良原キャスター:
そして水原被告は今後、多額の賠償金や罰金を支払う必要があります。
賠償金については大谷選手に対して、口座から不正に入手した約26億円、さらにアメリカの国税庁に対して虚偽の納税申告による約1億8000万円、その他、罰金など約30億円ほど支払う義務があります。
では、どのようにこのお金を支払っていくのでしょうか？1か月ぶりに公の場に出た水原被告に現地の記者からは矢継ぎ早に質問が飛び交いました。
記者
「イッペイ、本を書く予定は？」
「みんな君が何を考えていて何が起きたのか知りたがっているよ」
「ドキュメンタリーかな？」
水原被告 事件ドラマ化へ 手に入れた収入は？
良原キャスター:
ドキュメンタリーに関する質問も出ましたが、映像化の話も進んでいます。2016年に公開した「ラ・ラ・ランド」などを制作した「ライオンズゲート」というアメリカの制作会社が水原被告の事件をモデルにしたシリーズドラマ制作を発表しています。“信頼と裏切り、富と名声の罠のストーリーになる”ということも発表されています。
井上キャスター:
水原被告の事件をモデルにしたシリーズドラマ制作の方向性はあり得るんですか。
米・カリフォルニア州弁護士 鈴木淳司さん:
あり得るのかもしれないですけど、本人抜きでもこのような映画は作れるわけですから、映画をフィクションとして作ることはあり得ますが、本人がどこまで乗り気なのか、映画会社がどれだけお金を払うかというところは注目していくべきだと思います。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＜プロフィール＞
鈴木淳司さん
米・カリフォルニア州弁護士 30年近く米で商事・刑事等の裁判を多数経験
マーシャル・鈴木総合法律グループに所属
