子どもたちが思い描く「夢のかばん」とは?「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト 2024」が発足

2024-05-18 11:00

ファッションを彩るだけではなく、大切な持ち物を運ぶツールとしての機能も兼ねそろえる鞄。われわれの生活には欠かせないアイテムですよね。そんな時「洋服に合わせやすいオシャレなカバンがあれば……」「もっと使い勝手の良い鞄があれば……」と思うことはありませんか?
われわれ大人はこのようにデザインや機能性を重視して鞄を選びますが、果たして子どもの場合はどうでしょう?
このたび、兵庫県豊岡市にある兵庫県鞄工業組合は「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト 2024」を発足。子どもや未来のものづくりの担い手たちに“ものづくり”の魅力を知ってもらうための取り組みを進めます。
先日、プロジェクト発足を記念し、東京丸の内KITTE内にある「豊岡鞄」ショップにて『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』発足式が催されました。イベントでは子どもたちが“ものづくり”を体験できるワークショップも行われ、たくさんの子どもたちの笑顔が見られました。

「豊岡鞄」とは?

職人たちの洗練された技術で作られた「豊岡鞄」

兵庫県豊岡市は、“日本製の鞄”の生産地として全国から注目を集める地域です。
その起源は奈良時代。コリヤナギの木からとれた麻糸で作った箱形の物入れ「柳行李(やなぎごうり)」から始まったとされています。やがて江戸時代に繁栄し、大正以降は高い伝統技術と流通経路を基盤に新素材への挑戦、ミシンの導入によって“鞄の街”として広く知られるようになりました。

『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』発足の理由とは?

兵庫県鞄工業組合代表 植村憲仁さん

『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』発足式では、まずプロジェクトを代表して兵庫県鞄工業組合より「マスミ鞄嚢(ほうのう)」代表取締役の植村さんがご挨拶されました。そして、今回このプロジェクトを立ち上げた理由として、次のように説明しました。
「現在少子高齢化が進み、全国的にものづくりの伝統を受け継ぐ職人たちの人口が減少しています。それは兵庫県豊岡市も同じで、鞄職人の後継者不足に悩まされています。この現状をくつがえすためにも、将来を担う子どもたちにこの技術を伝承していきたいと思い、このプロジェクトを立ち上げました」
また植村さんは今回の発足式について意気込みを語りました。
「このあと行われるワークショップでは、今日ここに集まってきてくれた子どもたちに“ものづくり”の楽しさやワクワク感、喜びを知ってもらいたいです」

プロジェクト実行委員会 宮下栄司さん

続いて、兵庫県鞄工業組合「豊岡鞄」シナジープロジェクト委員会委員長「株式会社ナオト」代表取締役の宮下さんによるプロジェクト発足宣言が行われました。ふだん宮下さんはつくり手で「このような場に立つのは初めて」と緊張しながらも、子どもたちに向けて語りかけました。
「今回は子どもたちにミニボストンバッグづくりと『夢のかばん』のデザインを体験してもらいます。このワークショップは日本のものづくり産業への貢献として大きな価値があると考えています」

プロジェクト発足記念の贈呈セレモニー

そして、ワークショップで使用する材料と画材がそれぞれ子どもたちに手渡されました。

プロジェクトメンバーと子どもたち

この日は5歳から8歳までの子どもたち合わせて12人が集まり、ワークショップの時間を今か今かと待ちわびています。

みんな真剣!「ミニチュアボストンバッグ」制作

スタッフたちに教えてもらいながら制作に没頭する子どもたち

ワークショップではまず、鞄づくりに触れるミニチュアボストンバッグ制作が行われました。サンプルを参考に、土台を組み立てて自分の好きな色の取っ手を選びます。子供たちはとまどいながらも真剣にバッグづくりに取り組み始めました。

完成したバッグは他のバッグにも取り付け可能な金具付き

どの子どもたちも悪戦苦闘しながらも、バッグが完成すると達成感に満ちた表情を浮かべていました。感想を聞くと「とても簡単だった。楽しかった」と笑顔で話してくれました。
ここで筆者もぜひ体験したいと思ったのですが「小さいお友だち限定」とのことで、大きいお友だちは見ているだけしかできませんでした。残念。

子どもたちのイマジネーションがふくらむ「夢のかばん」デザイン

イラストレーター まさみ先生

続いては、デザインイメージ。子どもたちが思い描く「夢のかばん」をイラストにして表現してもらうワークショップです。今回の講師をつとめるイラストレーターのまさみ先生が子どもたちにお手本のイラストを見せて説明します。

子どもたちの自由な発想が生まれる

子どもたちはそれぞれ好きな色を使って画用紙いっぱいに「夢のかばん」を描いていきます。大人になってしまうと子どものような柔軟な発想はなかなかできないものだな、と思い知らされました。

今後のプロジェクトの活動は?

ものづくりの魅力を知ってもらうために取り組むこと

『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』は、今後どのような展開をしていくのでしょうか?
前出の実行委員会宮下さんがこの先の活動内容を教えてくれました。
「子どもたちの自由な発想で描かれたデザイン、そして公募にて集められた『夢のかばん』のアイデアをもとに優秀なデザインを10点選出します。採用者のデザインは実際に豊岡鞄プロジェクトチームが製作し、世界にひとつだけの『夢のかばん』としてプレゼント。さらに豊岡鞄のものづくりに触れられる兵庫県豊岡市の現場視察ツアーにもご招待します」

なお、詳細については以下の特設サイトをご覧ください。
https://toyooka-kaban.jp/dreambag/

子どもたちが考える「夢のかばん」にはどんな夢がつまっているのでしょう。大人が置いてきてしまったピュアな心を取り戻せるような、そんな鞄を見てみたいですね。
そして、それをきっかけに鞄職人を目指す子どもが出てきてくれることを願ってやみません。

<取材・撮影・文/櫻井れき>

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