子どもたちが思い描く「夢のかばん」とは?「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト 2024」が発足

ファッションを彩るだけではなく、大切な持ち物を運ぶツールとしての機能も兼ねそろえる鞄。われわれの生活には欠かせないアイテムですよね。そんな時「洋服に合わせやすいオシャレなカバンがあれば……」「もっと使い勝手の良い鞄があれば……」と思うことはありませんか?
われわれ大人はこのようにデザインや機能性を重視して鞄を選びますが、果たして子どもの場合はどうでしょう?
このたび、兵庫県豊岡市にある兵庫県鞄工業組合は「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト 2024」を発足。子どもや未来のものづくりの担い手たちに“ものづくり”の魅力を知ってもらうための取り組みを進めます。
先日、プロジェクト発足を記念し、東京丸の内KITTE内にある「豊岡鞄」ショップにて『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』発足式が催されました。イベントでは子どもたちが“ものづくり”を体験できるワークショップも行われ、たくさんの子どもたちの笑顔が見られました。

「豊岡鞄」とは?

職人たちの洗練された技術で作られた「豊岡鞄」

兵庫県豊岡市は、“日本製の鞄”の生産地として全国から注目を集める地域です。
その起源は奈良時代。コリヤナギの木からとれた麻糸で作った箱形の物入れ「柳行李(やなぎごうり)」から始まったとされています。やがて江戸時代に繁栄し、大正以降は高い伝統技術と流通経路を基盤に新素材への挑戦、ミシンの導入によって“鞄の街”として広く知られるようになりました。

『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』発足の理由とは?

兵庫県鞄工業組合代表 植村憲仁さん

『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』発足式では、まずプロジェクトを代表して兵庫県鞄工業組合より「マスミ鞄嚢(ほうのう)」代表取締役の植村さんがご挨拶されました。そして、今回このプロジェクトを立ち上げた理由として、次のように説明しました。
「現在少子高齢化が進み、全国的にものづくりの伝統を受け継ぐ職人たちの人口が減少しています。それは兵庫県豊岡市も同じで、鞄職人の後継者不足に悩まされています。この現状をくつがえすためにも、将来を担う子どもたちにこの技術を伝承していきたいと思い、このプロジェクトを立ち上げました」
また植村さんは今回の発足式について意気込みを語りました。
「このあと行われるワークショップでは、今日ここに集まってきてくれた子どもたちに“ものづくり”の楽しさやワクワク感、喜びを知ってもらいたいです」

プロジェクト実行委員会 宮下栄司さん

続いて、兵庫県鞄工業組合「豊岡鞄」シナジープロジェクト委員会委員長「株式会社ナオト」代表取締役の宮下さんによるプロジェクト発足宣言が行われました。ふだん宮下さんはつくり手で「このような場に立つのは初めて」と緊張しながらも、子どもたちに向けて語りかけました。
「今回は子どもたちにミニボストンバッグづくりと『夢のかばん』のデザインを体験してもらいます。このワークショップは日本のものづくり産業への貢献として大きな価値があると考えています」

プロジェクト発足記念の贈呈セレモニー

そして、ワークショップで使用する材料と画材がそれぞれ子どもたちに手渡されました。

プロジェクトメンバーと子どもたち

この日は5歳から8歳までの子どもたち合わせて12人が集まり、ワークショップの時間を今か今かと待ちわびています。

みんな真剣!「ミニチュアボストンバッグ」制作

スタッフたちに教えてもらいながら制作に没頭する子どもたち

ワークショップではまず、鞄づくりに触れるミニチュアボストンバッグ制作が行われました。サンプルを参考に、土台を組み立てて自分の好きな色の取っ手を選びます。子供たちはとまどいながらも真剣にバッグづくりに取り組み始めました。

完成したバッグは他のバッグにも取り付け可能な金具付き

どの子どもたちも悪戦苦闘しながらも、バッグが完成すると達成感に満ちた表情を浮かべていました。感想を聞くと「とても簡単だった。楽しかった」と笑顔で話してくれました。
ここで筆者もぜひ体験したいと思ったのですが「小さいお友だち限定」とのことで、大きいお友だちは見ているだけしかできませんでした。残念。

子どもたちのイマジネーションがふくらむ「夢のかばん」デザイン

イラストレーター まさみ先生

続いては、デザインイメージ。子どもたちが思い描く「夢のかばん」をイラストにして表現してもらうワークショップです。今回の講師をつとめるイラストレーターのまさみ先生が子どもたちにお手本のイラストを見せて説明します。

子どもたちの自由な発想が生まれる

子どもたちはそれぞれ好きな色を使って画用紙いっぱいに「夢のかばん」を描いていきます。大人になってしまうと子どものような柔軟な発想はなかなかできないものだな、と思い知らされました。

今後のプロジェクトの活動は?

ものづくりの魅力を知ってもらうために取り組むこと

『豊岡鞄とつくる「夢のかばん」プロジェクト 2024』は、今後どのような展開をしていくのでしょうか?
前出の実行委員会宮下さんがこの先の活動内容を教えてくれました。
「子どもたちの自由な発想で描かれたデザイン、そして公募にて集められた『夢のかばん』のアイデアをもとに優秀なデザインを10点選出します。採用者のデザインは実際に豊岡鞄プロジェクトチームが製作し、世界にひとつだけの『夢のかばん』としてプレゼント。さらに豊岡鞄のものづくりに触れられる兵庫県豊岡市の現場視察ツアーにもご招待します」

なお、詳細については以下の特設サイトをご覧ください。
https://toyooka-kaban.jp/dreambag/

子どもたちが考える「夢のかばん」にはどんな夢がつまっているのでしょう。大人が置いてきてしまったピュアな心を取り戻せるような、そんな鞄を見てみたいですね。
そして、それをきっかけに鞄職人を目指す子どもが出てきてくれることを願ってやみません。

<取材・撮影・文/櫻井れき>

  1. 【読めたらスゴイ!】「棗椰子」とは一体何のこと!?健康に良い果実がなる木の一種ですが・・・この漢字を読めますか?
  2. 犬の行動をカメラで覗いてみた結果…まさかの『嘘みたいな二度見』が面白すぎると209万表示「犬って二度見するんだw」「綺麗すぎる」と爆笑
  3. 冠動脈と僧帽弁の病気は隣り合わせ…「虚血性心筋症」と「僧帽弁閉鎖不全症」~『ブラックペアン』監修ドクターが解説 vol.29~
  4. 怖くない幽霊屋敷で幽霊と撮影体験!?“無常と不変”の世界を味わうアート展『やがて、みんな幽霊展 』
  5. 赤ちゃん犬が『お座り』に挑戦した結果…可愛すぎる『一生懸命考える姿』が25万再生「習得早すぎるw」「頑張る姿がいじらしい」と悶絶
  6. 「牛のげっぷ」抑制で温室効果ガス削減目指す<シリーズSDGsの実践者たち>【調査情報デジタル】
  7. 『くっさー...』猫が初めてガムの匂いを嗅いだら…予想外の『仕草』が687万再生「可愛すぎるww」「人間みたいw」と大反響
  8. 「夏はうつ状態になるリスクが潜んでいる」食欲低下に不眠…一見似ている「夏バテ」と「夏うつ」を見分ける方法
  9. 【三ツ矢雄二】独占②:「コン・バトラーV」での声優デビュー~「タッチ」収録秘話 浅倉南役・日髙のり子さんとのエピソードを語る
  10. やんのかステップをしていた子猫がコテン!床に寝転がる姿に「やばっ天使がいる」「コテンの後の顔もかわいい」
  1. 髙橋健太郎「僕はもう終わったんだ」東京五輪落選で引退決意も妻の助言で奮起 パリでのメダル獲得は“使命”
  2. 生徒会費584万円着服 高校女性教諭(40)を懲戒免職処分に… 教諭は「カードの支払いに使った」
  3. 「牛のげっぷ」抑制で温室効果ガス削減目指す<シリーズSDGsの実践者たち>【調査情報デジタル】
  4. 競走馬のエサ代で月169万円…「特養」で相次ぐ不正流用 「内部をYESマンで固めて…」“監査の甘さ”突く悪質手口【報道特集】
  5. 「夏はうつ状態になるリスクが潜んでいる」食欲低下に不眠…一見似ている「夏バテ」と「夏うつ」を見分ける方法
  6. 犬の行動をカメラで覗いてみた結果…まさかの『嘘みたいな二度見』が面白すぎると209万表示「犬って二度見するんだw」「綺麗すぎる」と爆笑
  7. 怖くない幽霊屋敷で幽霊と撮影体験!?“無常と不変”の世界を味わうアート展『やがて、みんな幽霊展 』
  8. 英・新型コロナ調査委「政府の対策上の欠陥が多くの死を招いた」
  9. 【読めたらスゴイ!】「棗椰子」とは一体何のこと!?健康に良い果実がなる木の一種ですが・・・この漢字を読めますか?
  10. 英新政権 ネタニヤフ氏への逮捕状に反対せず 前政権から方針転換 UNRWAへの資金拠出も再開
  11. 聖火は気球でパリの夜空へ 雨天も幻想的演出の開会式 セリーヌ・ディオン“愛の讃歌”でフィナーレ、旗手の半井「本当に楽しかった」
  12. パリ五輪が開幕!史上初スタジアム外での開会式、ジダン&レディー・ガガ登場、ベールに包まれた式典がついに始まる
×