犬が「カタツムリを誤食」した時の危険性について解説します。カタツムリを愛犬に食べさせないためにできる対策や、食べてしまった時の対処法もご紹介しますので、参考にしてください。
カタツムリが犬にとって危険な理由
突然ですが、犬にとって「カタツムリ」が危険な存在だということをご存じでしょうか。
梅雨の風物詩でもあるカタツムリに散歩の時に遭遇し、その奇妙な姿と動きに興味を持つ犬は多いでしょう。
しかし、犬がカタツムリを誤食すると、「広東住血線虫」という名の寄生虫に感染してしまう可能性があり、大変危険です。
広東住血線虫はカタツムリを中間宿主とする寄生虫で、本来はネズミを終宿主としていますが、宿主となったカタツムリやナメクジを食べた犬に寄生することもあります。
寄生された犬は「広東住血線虫症」を発症し、主に次のような症状が見られるようになります。
- 下痢、嘔吐
- 咳
- 気管支炎
- 四肢の麻痺
- 失禁
- 衰弱
最悪の場合は犬が衰弱して死んでしまうこともありますので、カタツムリは絶対に犬に食べさせてはいけません。
犬が「カタツムリを誤食」してしまった時の対処法
もし愛犬が誤ってカタツムリを食べてしまい、口の中にカタツムリがまだ残っている場合はすぐに取り出しましょう。できれば自分の手を手袋やビニール袋を使って保護しながら行うのが理想的です。
取り出すのが間に合わず、犬がカタツムリを飲み込んでしまった場合は、急ぎ動物病院へ連れて行きましょう。飼い主といえど素人が無理に吐かせようとするのは非常に危険ですので、処置は必ず病院で行ってもらうようにしてください。
動物病院へ行く際には、いつ、どこでどんなカタツムリを食べたのか、食べた後にどんな症状が出ているのかを詳しく獣医師に伝えることで、診察がスムーズに進みます。
犬に「カタツムリを誤食」させないためにすべきこと
犬にカタツムリを誤食させないようにするためには、散歩中に愛犬から目を離さないことが大切です。
散歩をしながらスマホを見たり、同行者とのお喋りに夢中になっていると、道端のカタツムリの存在に気づかず、無意識に犬をカタツムリに近づけてしまう恐れがあります。
愛犬の散歩中は、路上に危ない物はないか、犬が何か口にしないか、しっかりと注意しながら歩くようにしましょう。
そして、もし道にカタツムリやナメクジがいたら、愛犬を近づけないようにしましょう。梅雨の時期の雨上がりの道や、コンクリートがある場所にカタツムリは生息します。そのような道は、あらかじめあえて避けるのも効果的です。
また、散歩の時だけでなく、庭で愛犬を自由に遊ばせている時にもカタツムリには気をつけましょう。飼い主が気づかないうちに、犬が食べてしまうこともあり得ます。犬を庭に出す前に、カタツムリなどの危険な存在がないか、必ずチェックするようにしてください。
万が一、犬がカタツムリを口にした時に吐き出させることができるように、日頃から「離せ」「ちょうだい」の練習をしておくことも大切です。
さらに、長毛の犬の体に、知らない間にカタツムリが付着してしまうことも。そのため、散歩の後はボディチェックを行い、愛犬の安全を守るようにしましょう。
まとめ
梅雨になると現れるカタツムリは可愛らしいですが、寄生虫の存在を忘れず、愛犬には決して近づけないようにしましょう。
散歩の時はリードを必ずつけて、愛犬の行動に注意してください。庭で遊ばせるときも、愛犬を庭に出す前にカタツムリがいないかどうか、入念なチェックが必要です。
もし愛犬がカタツムリを誤飲してしまった場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。「ただのカタツムリ」と安易に考えず、愛犬の命を守るために適切な治療を早期に行うことが大切です。
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