地域の声を胸に、公共サービスを向上させようと北見工大と日立ソリューションズ東日本が新たな技術開発の研究・検証をスタートしました。
研究背景と目的
行政機関では座談会やアンケートにより住民から直接意見を集めることで、より良い施策や行政サービスを提供する試みがなされています。しかしこの方法では、特に若年層の意見を集めるのが困難とされていました。そこで、これらの世代をも含めた、より広範囲な意見収集方法として、SNSの情報を用いることが提案されました。しかし、SNS情報の活用には、不要な情報(ノイズ)の分類や除去が求められ、新たな分析手法の確立が必要となりました。これを背景に、SNS情報の抽出・分析について、北見工大の桝井 文人教授と日立ソリューションズ東日本が共同研究を開始しました。研究の概要と展望
本研究では、質的分析法の一つであるGTA(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)のコーディング部分を自動化し、分析処理の効率化を目指しています。また、2023年度には北見市と美幌町の2つの自治体で行われた研究には、SNS情報の解析結果が自治体職員へ提示され、具体的なフィードバックも得られました。この結果、幅広い意見の把握が可能な見通しを得ることができ、地方自治体向けSNS情報分析の自動化手法の確立に一歩近づきました。さらに、2025年度にはこのシステムのサービス開始を予定しています。編集部視点
北見工大と日立ソリューションズ東日本の共同研究は、地方自治体が行政サービスを改善するための新しい道筋を示しています。SNSを通じた幅広い意見の収集と、それらを効率的に分析するための機械学習技術の組み合わせは、現在の行政サービス改善の方式を一新する可能性を秘めています。特に盛況のフィードバックでは、地元に住んでいてもなかなか行きづらい場所の情報や地元企業に対する意見など、既存方法で把握しづらい情報が対象となることが役立つと予想されます。詳細情報
北海道国立大学機構 北見工業大学: https://www.kitami-it.ac.jp/
株式会社日立ソリューションズ東日本: https://www.hitachi-solutions-east.co.jp/
データダウンロード: https://www.hitachi-solutions-east.co.jp/newsrelease/2024/local_sns0531/index.html