まん福ホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:加藤智治)はシリーズBラウンドにおいて合計12億円を調達し、エクイティによる累計資金調達額が25億円を突破したと発表した。
2024年6月3日(月)に発表したもの。かんぽNEXTパートナーズ株式会社、アグリビジネス投資育成株式会社、マネ―フォワードベンチャーパートナーズ株式会社が運営する「HIRAC FUND」、肥銀キャピタル株式会社、株式会社山陰合同銀行、その他複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により、合計12億円を調達した。
※シリーズBラウンド=スタートアップの成長フェイズにおける投資ラウンドの一つ。製品・サービスをリリースし、市場でのポジションをある程度確立したシリーズAの後、さらなる成長や市場拡大のために必要な資金を調達する段階。
まん福ホールディングスとは
日本の中小企業において後継者不在が社会課題となり、2025年問題とまでいわれている昨今。
まん福ホールディングス株式会社は『「うまい」でこの星をしあわせ一杯に。」をミッションに掲げ、食に特化した事業承継プラットフォーム事業を展開する。
創業は2021年4月。あきんどスシローにターン・アラウンド・マネージャーとして参画して専務・取締役COOを歴任、回転寿司売上日本一、顧客満足度日本一に貢献した立役者の加藤智治社長をはじめ、食業界において豊富な経験を持つメンバーが集まり、創業した。
まん福ホールディングスの事業モデルは、「暖簾と雇用」を守りつつ“第二の創業”を軌道に乗せて発展・進化していく、ユニークなものとなっている。
創業3年目の2024年6月時点で、すでに9社を事業承継。いずれも食事業に関わる会社で、後継者不在に悩まれていた。
今までに受け継いだ9社は、肉と魚を軸に大きく分けて4つ〈熊本、静岡、南関東(東京・神奈川)、北海道〉のエリアで“共和国”を形成。共和国内ではもちろん、全国にまたがりグループでのシナジーを発揮している。
食事業の事業承継の経験値を積み上げて事業基盤を強化/拡大させていき、世界に誇る日本の「食」を未来につなぐねらい。そして、業界特化型の事業承継プラットフォームとして、今後ますます拡大するであろう事業承継領域のゲーム・チェンジャーを目指すという。
まん福ホールディングス株式会社 企業概要
- 住所:東京都渋谷区恵比寿西1-15-10 第6横芝ビル7階
- 代表取締役社長:加藤智治
- 事業内容:食に特化した事業承継プラットフォーム事業
- まん福ホールディングス公式サイト
まん福ホールディングス 4つの“共和国”(地域別)と含まれる企業の概要
熊本
オオツカ(8号案件)
- 食肉加工会社、精肉店、レストラン
- 年間売上規模24億円
さくらや食産(2号案件)
- 食肉加工会社、精肉店、レストラン
- 年間売上規模4.6億円
おぐらの唐揚(5号案件)
- 唐揚げ専門店
- 年間売上規模4.4億円
静岡
山佐食品(3号案件)
- 水産加工会社
- 年間売上規模9.3億円
かねか水産(7号案件)
- 水産加工会社
- 年間売上規模3.1億円
南関東(東京・神奈川)
ちがさき濱田屋(1号案件)
- 弁当製造販売
- 年間売上規模6.5億円
肉のハッピー(4号案件)
- 精肉店
- 年間売上規模1.3億円
北海道
札幌海鮮丸(6号案件)
- 宅配寿司
- 年間売上規模34.2億円
寿し心なかむら(9号案件)
- 大衆寿司店
- 年間売上規模1.2億円
資金調達の目的
今回のシリーズBラウンドにおける調達資金(合計12億円)は、創業後の約3年間で事業承継した9社の収益性改善・成長への再投資、新たな事業承継への投資、そして今後の中長期的な成長を可能とする本部機能の強化・拡充等に充てる予定。
これらの投資を行うことで、連結売上規模として年間ベースで約90億円まで拡大したグループの収益性改善を基軸に、新たな事業承継を積み上げ、さらにはグループ全体でのシナジーを段階的に創出していく質的成長を目指す。
まん福ホールディングスのパート・アルバイトを含む従業員数は、グループ総勢で約1,300人となっている。
まん福ホールディングスでは今後、4つの共和国内での事業承継を中心に、4つの共和国に隣接した事業承継を行うことでのエリアの拡大や新たなエリアでの“共和国”づくりにも挑戦する意向。
中小企業1社ではなかなか実現できないグループシナジーの創出に努め、グループ全体の収益性を高めるとし、追及する「3つのグループシナジー」として以下を挙げている。
まん福ホールディングス 追及する「3つのグループシナジー」
- 仕入れ業務統合による食材調達力強化/原価率の適正管理
- 管理業務統合による生産性向上/販売管理費の適正管理 DX推進(インターネット販売やデジタルプロモーション等)による売上向上
まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長 加藤智治氏コメント(全文引用)
今回の資金調達の発表にあたり、まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長の加藤智治氏は、以下の通りコメントしている。
この度、数多くの投資家様の方々から、ご出資を通じて弊社のビジネスモデル/可能性をご応援頂きました。
創業以来、ご出資ならびにご融資によりご応援頂きました方々を初め、事業を弊社に託して頂きましたオーナー様、食材をご提供してくださっている方々を中心としたお取引様各社の皆様、弊社グループに様々なサポートをしてくださっている外部協力企業の皆様、そして弊社グループの商品をご購入して頂いているお客様、共に働いているグループの仲間の皆さん、弊社のステークホルダーの皆様に喜んで頂けるようなグループを目指して、全社一丸となって、社業発展に邁進していく所存です。
今後ともご指導ご支援ご応援、何卒よろしくお願い致します。
引受先コメント
資金調達の引受先各社は、以下の通りコメントしている(以下、まん福ホールディングス発表資料より全文引用)。
かんぽNEXTパートナーズ株式会社 シニア・ディレクター 遠藤正人氏
日本の大きなアジェンダの一つと考えられる中小企業の事業承継問題に真正面から向き合いながら、まん福HD社は食に特化した独自プラットフォームを構築し、短期間で顕著な実績をあげてこられました。温故知新の強い組織文化、業界知見の深い専門家集団、日々磨き上げられる承継ノウハウにより、日本の「うまい」食文化を未来に繋ぐ社会的価値のある活動は拡大していくと信じております。ファンドのVISION「次の一歩の、一番そばで。」のとおり、目指す未来への挑戦をサポートして参ります。
アグリビジネス投資育成株式会社 取締役 代表執行役社長 堀部恭二氏
『「うまい」でこの星をしあわせ一杯に。』というミッションを掲げ、地域食産業の事業承継課題に取り組む加藤社長の理念に共感し、地方創生や持続可能な食のバリューチェーン構築、農林漁業生産者、食品製造業者の収支改善に寄与する点を評価し出資いたしました。投資後も、株主である日本政策金融公庫、農林中央金庫をはじめとした系統組織等のネットワークを活用しながら、国内農林漁業及び食品産業の持続的な発展に貢献するように共に取り組んでまいります。
マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社 HIRAC FUND 代表パートナー 金坂直哉氏
地域を取り巻く環境が変化し続ける昨今、食文化に携わる事業者も絶えず成長することが求められています。まん福ホールディングス社は「“食”に特化した事業承継プラットフォーム」としてその一翼を担いでおり、加藤代表を含む食のプロが日本の食文化の再生に貢献すると強く確信しています。地域に根ざす「おいしい」の再発見に挑戦し続ける同社を、引き続き応援して参ります。
肥銀キャピタル株式会社 代表取締役社長 横山輝氏
「”食”に特化した事業承継プラットフォーム」の実現に向けて前回ラウンドに引き続き、今回のラウンドでも追加でご支援させていただくことを決定いたしました。これまで当社には熊本の事業者を3社承継いただき、事業と雇用の継続に多大なお力添えをいただいております。今後も食に関わる中小企業に関する事業承継の課題解決に向けて肥後銀行グループのリソースを最大限活用して当社をサポートしてまいります。
株式会社山陰合同銀行 取締役頭取 山崎徹氏
山陰においても「食」を担う事業者の後継者問題は重要な地域課題となっています。まん福ホールディングス様のビジネスモデルである「“食”に特化した事業承継プラットフォーム」は、当行の取引先の後継者問題を解決するとともに、事業承継を通して成長機会を創り出すことで、地域の「食」を次世代に繋げることができるスキームだと確信し、出資を決定いたしました。加藤社長様がミッションとして掲げておられる『「うまい」でこの星をしあわせ一杯に。』の実現、そして地域における「食」の持続可能性の向上を目指し、当行も取り組んで参ります。