夏に関する言葉の1つ、それが「三伏」です。
しかし、その字面からでは意味がまったく予想できません。
現に「三伏」が何を指すのかわからない人もいるはずです。
今回はそんな「三伏」とは何かを解説します。
「三伏」とは
ここでは「三伏」の意味を解説します。
三伏の意味
「三伏」とは、夏の最も暑い時期を意味する言葉です。
「初伏・中伏・末伏」という3つ日を総称でもあります。
なお、この言葉は三重に折り曲げて押し伏せることも意味します。
ただし、通常「三伏」は夏の最も暑い時期のことを指し、折り曲げたり押し伏せたりする意味ではあまり使用されません。
その点は注意が必要となるでしょう。
三伏の時期に控えるべきとされること
「三伏」の時期は控えるべきとされることがあります。
例えば、この日は「種まきに適していない」とされています。
特に古代中国の陰陽五行思想では「夏=火」「秋=金」に当たることから「夏至から立秋にかけて様々なことを控えるべきだ」という考えがありました。
その考え方が日本にも伝わってきたとされています。
ちなみに「三伏」では種まきだけでなく、療養・遠行・男女和合などもすべて慎むべき日とされています。
三伏の「初伏・中伏・末伏」とは
ここからは「三伏」の「初伏・中伏・末伏」について解説します。
「初伏・中伏・末伏」の時期
「三伏」は「初伏・中伏・末伏」の総称とされます。
それぞれ夏至後の第3の庚の日を「初伏」、第4の庚の日を「中伏」、立秋後の最初の庚の日を「末伏」と呼びます。
その3つをまとめて「三伏」と呼ぶわけです。
・初伏:7月11日~7月20日頃の梅雨明け前
・中伏:7月21日~8月9日頃の梅雨明け頃
・末伏:8月10日~8月19日頃の立秋後
つまり、どれも夏の時期を表す言葉となります。
「庚の日」とは
「庚の日」は「十干」の7番目に当たる日を意味します。
「十干」は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素からなるもので、古代中国で考案された陰陽五行思想が始まりとのことです。
現代ではあまり見かけませんが、古くからのしきたりなどでは「庚の日」のように陰陽五行思想から成る季節の表現が存在します。
なお、日本では十二支と合わせて暦の表示などに使用されるのが特徴です。
時候の挨拶に用いられてきた「三伏」
ここからは時候の挨拶に使われる「三伏」についてまとめます。
暑中見舞いで用いられる「三伏」
「三伏」は暑中見舞いなどで使われる前文の1つです。
特に「三伏」の時期は7月中旬~8月上旬と酷暑の時期ということもあり「三伏の候」「三伏の猛暑」と手紙の前文に書かれます。
具体的には「拝啓“三伏の候”……」「拝啓“三伏の猛暑”……」のように使用します。
こうした「三伏」は現代でも酷暑の時期を表現する言葉として使用されるのが特徴です。
暑中見舞いを送る時期
「暑中見舞い」は夏の暑い時期に送るものを指します。
時期としては二十四節気の「小暑(7月7日頃)~立秋の前日(8月7日頃)」にかけて送るのが一般的です。
ただし、暑さよりも暦を基準とするのが特徴です。
そのため、忙しくて間に合わない場合もあるでしょう。
その場合は「残暑見舞い」として贈るのも間違いではありません。
「残暑見舞い」であれば「立秋(8月8日頃)~8月末頃」までに届くよう送るのが定番とされています。
まとめ
「三伏」は「初伏・中伏・末伏」の総称とされる言葉です。
この言葉は夏の最も暑い時期の表現として使用されます。
現に「三伏」は7月終盤から8月序盤の時期を指します。
なお「三伏」の時期にはやってはならないとして種まき・療養・遠行・男女和合などがあるので注意しましょう。