![気象庁「普段と異なる『ゆっくりすべり』などの現象観測されず」 南海トラフ地震との関連は調査中 改めて備えの確認を 宮崎・日南市で震度6弱](/assets/out/images/jnn/1349057.jpg)
「ゆっくりすべり」は観測されず
井上貴博キャスター:
気象庁が会見で新たに、この地震が発生する前に、普段と異なる「ゆっくりすべり」などの現象は観測されていなかったというメッセージを発しています。
TBS 福島 隆史(災害担当 解説委員):
「南海トラフ地震臨時情報調査中」という情報が今回初めて出ています。
出るきっかけになる原因の一つに、地震ではなく、「ゆっくりすべり」という現象が通常と異なる形で観測された場合に発表される場合があります。
結論から言うと、そうではないです。「ゆっくりすべり」というのは、陸のプレートと海のプレートが激しく跳ね上がったりするときに、巨大地震が発生します。
地上には揺れをもたらさない形で、地下深くでプレートの境界がごくゆっくりずれ動くケースがあります。これは精密な観測機器でしか捉えられないぐらいの動きです。
それが通常とは異なる形で、例えば拡大して観測されたりすると、南海トラフ巨大地震に結びつくおそれがないかどうかという形で、臨時情報が発表されます。
そういう現象は今回、確認されていないということなので、純粋に想定震源域の中、日向灘でマグニチュード7を超える地震があったので、臨時情報が発表されたということになります。
ホラン千秋キャスター:
「ゆっくりすべり」は起きていても感じない?
TBS 福島 隆史(災害担当 解説委員):
まず、ないです。
「就寝中に起きた場合には、すぐに逃げられるような準備を」
井上キャスター:
続いては、我々は何ができるのかということで、少しまとめてみました。
▼ハザードマップを確認できる場合は確認なさってください。▼避難場所・経路を確認なさってください。▼ご家族・ご友人との連絡方法を決めておいてください。
▼食料・水・常備薬・懐中電灯など、非常時に持ち出す品を、寝るときもすぐに持ち出せるように準備していただければと思います。
「すぐに逃げられる服装で寝る」とは、どういうことでしょうか。
TBS 福島 隆史(災害担当 解説委員):
パジャマや寝間着ではなく、普段着で寝るというのはなかなか難しいかもしれませんが、要は、確実にそういう形で寝てくださいということではありません。
特に沿岸部にいる方は、次に巨大地震が起きた場合、南海トラフの沿岸はものすごいスピードで津波がやってきます。就寝中に起きた場合には、とにかくすぐに飛び起きて逃げられるような準備をしておいてくださいという意味です。
「寝間着やパジャマは必ず着ないで」ということではなく、先ほどの午後4時台の地震が起きる前よりは、巨大地震が起きる可能性が高まっているかもしれません。少なくとも、それに備えられる体制は、今この段階で整えましょうという呼びかけになります。
住まいの対策・避難生活への備えを
井上キャスター:
意識の部分を、少し引き上げていただければ幸いです。屋内でも、安全な場所で生活なさってください。
お住まいに関しては、皆さんもやっていることかと思いますが▼窓ガラスの飛散防止、▼家具の固定・タンス類の転倒防止。また、▼高い場所に物を置かないようにしてください。
あとは▼ブレーカーのあたりや、▼火災報知器の電池を確認できるようであればなさってください。
避難生活への備えとしては▼食料と水の備蓄・簡易トイレ。そして、大変重要ですが▼携帯ラジオや携帯電話の予備バッテリーは、命綱にもなります。今一度、確認していただければと思います。
TBS 福島 隆史(災害担当 解説委員):
避難生活への備えについて、補足させてください。食料と水の備蓄は、今ある以上に少し揃えるのは大事なことです。
これが大袈裟になり、例えば買いだめになったり、一斉に皆さんがやりだすと、別の意味で社会的に混乱や影響を生じます。
日常生活を続けながら、普段よりも地震への備えを高めるという程度です。その範囲内で収まる程度の用意をしましょうという点です。
それから、南海トラフ沿いでないところにいる方々、例えば北海道や東北などの北日本、日本海側にいる方が「南海トラフ大変だから、自分たちもちょっと買い置きしなきゃ」ということでもないです。
対象エリアにいる方が、もしこのままだと、例えば明日、地震が起きたときに食べられるようなご飯や水がないということであれば、そのぐらいは買い足しておきましょうというメッセージです。