【調査報告】建築士の資格取得や年収に関する実態 4人に1人が年収700万円以上、約7割が現在の年収に満足

2024-08-14 08:00

普段、何気なく立ち寄るスーパーやコンビニ、よく利用するスポーツジムや仲間と酒を酌み交わす居酒屋、そして自分が暮らす家やマンションなど、日本の建物は建築士が設計・施工管理している。もちろん専門的な知識が必要なので、一級建築士や二級建築士、木造建築士といった国家資格を取得しなければ建築士になることはできない。では、実際に建築士として働いている人たちは、どのような場所で活躍しているのだろうか? そしてまた、建築士としての収入に満足している人はどのくらいいるのだろう? そこで今回、建設・不動産関連の資格取得スクール「総合資格学院」を運営する株式会社総合資格(https://www.shikaku.co.jp)が、全国の建築士を対象に「建築士の資格取得や年収」に関するアンケートを実施した。

建築士になったきっかけと現在の勤め先は?

まず最初に「建築士になった理由はなんですか?」と質問したところ、『建築物・設計に興味があった(51.2%)』と回答した人が最も多く、次いで『自分の作ったものが長く残るから(28.0%)』、『家族の影響(26.2%)』、『特定の建築士への憧れ(24.7%)』と続き、建築物や設計への「興味」が建築士になる理由として半数以上を占め、最も大きな要因であることがわかった。また「自分の仕事の成果」が目に見える形で社会に貢献し続けることに魅力を感じる人や、家族の影響や特定の建築士への憧れなど、「人」から影響を受けて建築士になった人も一定数いることが判明した。

続いて「どのような勤務先ですか?」と質問したところ、『ハウスメーカー(23.2%)』と回答した人が最も多く、次いで『工務店(19.2%)』、『ゼネコン(14.4%)』という結果になった。ハウスメーカーは安定した需要と雇用があり、住宅建築に特化した経験を積むことができる場として人気があることがうかがえる。また工務店は地域密着型の仕事ができるため、その土地に適した建築の提案を行うことで、地域の人達から信頼される魅力的な職場環境であるようだ。

建築士の気になる年収は?

「現在の年収はどのくらいですか?」と質問したところ、『550万円~600万円未満(14.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『500万円~550万円未満(13.7%)』、『600万円~650万円未満(12.4%)』と続いた。一方で700万円以上は25.8%と、4人に1人が年収700万円以上ということが判明した。

「資格手当ではどのくらい月収は上がりましたか?」と質問したところ、『15,000円~20,000円未満(26.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『20,000円~25,000円未満(20.4%)』、『10,000円~15,000円未満(19.7%)』と続いた。資格手当によって20,000円以上月収が上がったと答えた人は4割近くにのぼり、中には30,000円以上上がった人という方も一定数おり、「建築士資格=月収アップ」という資格の価値を企業が認めている結果となった。

「現在の年収に対しての満足度はどのくらいですか?」と質問したところ、『とても満足している(17.0%)』、『ある程度満足している(52.5%)』、『あまり満足していない(23.6%)』、『まったく満足していない(6.9%)』と、7割近くの人が満足していることが明らかになった。では実際にどのような点に満足しているのか、詳しく聞いてみた。

●年収に対する満足度の理由を教えてください。(自由回答)
・仕事内容に対しての待遇に満足できているから (20代/一級建築士/岩手県)
・貯金できているから (20代/一級建築士/千葉県)
・資格を取得したことで大きな武器ができ、キャリアアップにも繋がったから (30代/一級建築士/神奈川県)
・やりがいがあるから (40代/二級建築士/広島県)
・勤務時間、仕事量などを考えたら恵まれているから (50代/二級建築士/神奈川県)
・平均年収より上だと思うから (50代/二級建築士/神奈川県)
・仕事に関して裁量がある程度認められている点や、自らの発想やセンスが発揮できることに魅力を感じているから(50代/二級建築士/兵庫県)

建設業も働き方改革で労働環境の改善が進められる中、勤務時間や仕事量などに対して満足のいく給料をもらえているからといった理由や、自らの発想やセンスが発揮できるからといった建築士ならではの理由が挙げられた。

資格取得までの期間や予備校のニーズは?

「建築士の資格取得までにどのくらいの期間がかかりましたか?」と質問したところ、『1年~2年未満(32.8%)』と回答した人が最も多く、次いで『2年~3年未満(27.9%)』、『半年~1年未満(14.8%)』、『3年~4年未満(10.7%)』、『5年以上(5.4%)』、『4年~5年未満(4.4%)』、『~半年未満(4.0%)』という結果になった。約半数が2年以上かかっていることから、難関国家資格であり、簡単に達成できるものではないことがよくわかる。

さらに「建築士の資格取得のため、どのような方法で勉強をしましたか?」と質問したところ、『独学で勉強を行っていたが、途中から資格学校等へ通った(36.6%)』と回答した人が最も多く、次いで『独学で勉強を行った(25.9%)』、『資格学校等へ通っていたが、途中から独学で勉強を行った(21.3%)』と続き、自分に合った学習方法を見つけるための情報提供やサポートが重要であることがうかがえる結果となった。また資格学校などの利用を検討する際には、初めからでなく途中からの利用も効果的であることも明らかになった。

「建築士の資格取得のために建築士受験に特化した予備校を利用するのは有効だと思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(32.3%)』、『ややそう思う(51.9%)』『あまりそう思わない(14.5%)』、『まったくそう思わない(1.3%)』という結果になった。8割以上が建築士受験に特化した予備校を利用するのは有効だと思っていることから、専門的な予備校が合格に大きな価値を提供していると認識されていることが判明した。

さらに「建築士受験に特化した予備校を選ぶ際にチェックするべきポイントはなんだと思いますか?」と質問したところ、『カリキュラム・教材の質(45.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『合格実績(38.5%)』、『サポートの質(33.2%)』と続いた。半数以上がカリキュラムと教材をチェックすべきと答えていることから、学習の効率化と試験対策において高品質な教材・カリキュラムであることが重要な役割を果たしていることが示唆された。また受験する人にとって安心材料のひとつでもある合格実績は、予備校の信頼性と教育の効果を示すためチェックするほうがよいことがうかがえる。

【調査概要】 「建築士の資格取得や年収」に関する実態調査
調査期間/2024年7月23日(火)~2024年7月25日(木)
調査方法/リンクアンドパートナーズが提供するPRIZMAによるインターネット調査
調査人数/1,024人(20代:292人、30代:431人、40代:132人、50代:169人)
調査対象/調査回答時に一級・二級建築士であると回答したモニター 
調査元/株式会社総合資格(https://www.shikaku.co.jp)
モニター提供元/PRIZMAリサーチ

このところ全国各地で頻発する大地震。ニュースでは地震で倒壊した建物が画面に映し出されることが多いが、よくよく報告を聞いていると全壊した建物は古くに建てられたものがほとんどで、火事や津波を除けば地震後もしっかりと建っていることがわかるはず。これはあくまでも記者の意見だが、これこそが日本の建築士の底力ではなかろうか。海外の大地震の映像では、大きな建物から小さな住居まで瞬く間に倒壊する様子が映し出されるが、難関の国家資格をパスした猛者が設計した日本の建物は、海外と比べると耐震性に優れているのだろう。今回の調査結果で判明した建築士の年収は、設計した建物に暮らす人たちの安心・安全を考えれば決して高額ではないのかもしれない。そして、一年でも早く資格を取得して現場経験を積むには、建築士受験に特化した予備校の利用は必然なのかもしれないと感じた。

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