犬の肥満は健康に深刻な影響を及ぼしますが、太りやすい犬種もいるため、注意が必要です。この記事では、肥満になりやすい犬種をご紹介し、太りすぎが犬の体へ与える悪影響と、太りすぎな犬への対処法について解説します。愛犬の健康のために、ぜひご参考になさってください。
肥満になりやすい犬種は?
犬の肥満は、主に食べすぎや運動不足によって起こります。どの犬でも肥満になる可能性がありますが、特に肥満になりやすい犬種も存在します。では、どの犬種が該当するのでしょうか?以下では、肥満になりやすい6犬種をご紹介します
1.パグ
丸い大きな目と短い鼻、そしてがっちりとした体型が特徴のパグは、食欲が旺盛で肥満になりやすいです。
犬は暑さを感じると舌を出しながら荒い呼吸をし、唾液を気化させることで体温を下げます。しかし、パグのような鼻が短い短頭種は、気道が短いために呼吸がしづらく、上手く体温を下げることができません。
そのため、熱中症になるリスクが高いです。そして、肥満は熱中症のリスクをさらに高めます。
熱中症のリスクを下げるためにもパグの飼い主は、愛犬の食事と運動の管理をしっかり行い、適正な体重を維持していくことが非常に重要です。
2.ダックスフンド
ダックスフンドは、サイズによって『スタンダード』『ミニチュア』『カニンヘン』の3種類に分けられます。スタンダードが一番大きいサイズで、日本では真ん中のサイズのミニチュアが人気です。
もともと猟犬として活躍していたダックスフンドは、体格の割に多くの運動量を必要とする活発な犬種です。
しかし、家庭犬として飼われていると必要な運動量が満たされず、運動不足になりがちです。それに加えダックスフンドは食欲旺盛なため、太りやすい傾向があります。
長い胴と短い脚がダックスフンドの特徴ですが、この体型は背骨に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアを発症しやすいです。太りすぎると背骨に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアのリスクが高まるため、注意が必要です。
3.ビーグル
世界的に有名なキャラクター『スヌーピー』のモデル犬種であるビーグルは、明るく好奇心旺盛です。そして食べることが大好きな食いしん坊で、太りやすい一面もあります。
食いしん坊なビーグルは、食事やおやつを与えたら与えただけ食べてしまう傾向があるため、飼い主が適量を把握し、それを守ることが大切です。また、運動不足は肥満につながるため、1日2回、各30分程度の散歩を毎日欠かさないようにしましょう。
4.キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
キャバリアは温和でフレンドリーな性格で、子どもや他のペットとも仲良くできることから、初心者でも飼いやすい犬種とされています。
見た目が優雅で上品なため、少食なイメージがあるかもしれませんが、実はとても食いしん坊で、太りやすいです。
キャバリアは遺伝的に、僧帽弁閉鎖不全症という心臓病にかかりやすいです。肥満は心臓へ負担をかけるため、食事やおやつの与えすぎと運動不足に気をつけて、肥満を予防しましょう。
5.アメリカン・コッカー・スパニエル
アメリカン・コッカー・スパニエルは、長く柔らかい被毛を持つ中型犬です。高貴な雰囲気とは裏腹に食欲旺盛で肥満になりやすいため、食事やおやつを与えすぎないように注意が必要です。
また、もともとは猟犬で運動量が多いため、運動不足による肥満にも気をつける必要があります。散歩は1日2回、各30分程度を目安に行いましょう。
6.ラブラドールレトリバー
ラブラドール・レトリーバーは温和で優しく、高い学習能力と社交性を持っており、大型犬の中でもゴールデン・レトリーバーと並んで人気の高い犬種です。盲導犬や介助犬などとしても活躍しています。
大型犬でありながら飼いやすいとされているラブラドール・レトリーバーですが、肥満になりやすい一面を持っています。大変食欲旺盛で際限なく食べてしまう傾向があるため、食事やおやつの量はもちろん、盗み食いや拾い食いにも注意が必要です。
太りすぎによる犬の体への悪影響は?
肥満は、犬の体にさまざまな悪影響を及ぼします。肥満になると犬の関節や心臓に負担がかかり、関節炎や椎間板ヘルニア、心臓病などのリスクが高まります。その他、糖尿病や膵炎、呼吸器疾患などを引き起こすこともあります。
また、肥満は寿命に密接に関わり、肥満の犬は寿命が短くなる傾向があります。ある研究では、肥満の犬とそうでない犬を比較したところ、最大で2年半ほど肥満の犬のほうが寿命が短いという結果が示されています。
太りすぎな犬への対処法は?
犬が肥満になった場合、放置してしまうと犬の体にさまざまな悪影響が出ます。では、犬の肥満にはどのように対処したらよいのでしょうか?ここでは、犬の肥満に対処するための具体的な方法を解説します。
1.適切な食事管理
肥満は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで起こります。そのため、犬が太ってきたら、適切な食事管理を行うことが重要です。食事の内容や量を見直し、おやつも与えすぎないように注意しましょう。
いきなり食事の量を減らすと犬のストレスになったり、栄養不足になったりする可能性があるため、獣医師と相談しながら、段階的に食事量を減らすことが大切です。
2.適度な運動
毎日適度な運動をすることは、犬の肥満の解消につながります。散歩や遊びを通じてカロリーを消費させて、適正な体重に導きましょう。適度な運動は、身体的だけでなく精神的な健康にもよい影響を与えます。
運動は適度であることが大事であり、過度になると体に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。犬の年齢や体力、犬種などを考慮して、運動量を調整しましょう。
3.獣医師に相談
犬の肥満は、飼い主だけではうまく対処できないことが少なくありません。そのため、専門知識のある獣医師に相談し、個々の犬に合ったダイエット計画や運動プログラムを立ててもらうとよいでしょう。
獣医師の指導の下、適切な食事管理や適度な運動を行うことで、無理なくダイエットを進めることができます。
肥満は、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)といった病気によって引き起こされることもあります。肥満の原因を明確にするためにも、犬が太ってきたら、まずは獣医師に相談することをおすすめします。
まとめ
今回は、肥満になりやすい犬種として以下の6犬種をご紹介しました。
- パグ
- ダックスフンド
- ビーグル
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ラブラドール・レトリーバー
これらの犬種は特に肥満に注意が必要ですが、どの犬種でも食べ過ぎや運動不足によって肥満になる可能性があります。犬が肥満になると、関節炎や椎間板ヘルニア、心臓病、糖尿病など、体にさまざまな悪影響が及びます。
愛犬が太ってきたら体に悪影響が及ぶ前に、適切な食事管理と適度な運動でダイエットすることが重要ですが、まずは獣医師に相談することをおすすめします。
愛犬にとって最善なのは、肥満にならないことです。適切な食事管理と適度な運動は、肥満の予防にもなるため、この2つを日頃から心掛けましょう。
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