愛犬をトリミングにつれていく頻度として、多くの方は「月に1回程度」を目安にされていると思います。確かに、皮膚被毛のケアや爪のお手入れをするにあたって月に1回を目安にしておけば、よほどひどい状態にはなりにくいです。しかしそれは、あくまでも外側から見える範囲の状態のお手入れに限っての話です。犬にとってトリミングサロンは自分で望んでキレイにしてもらいに行く場所ではないうえに、普段とは違う環境なのでとても緊張しストレスの大きい場所。せっかくなら心身ともにリラックスできる、もしくは可能な限りストレスを感じにくいような状態で過ごしてほしいですよね。そのため、犬にとって大事なのは「トリミングサロンの利用頻度」です。回数が多ければ多いほどストレスの受け方も変わってきます。
犬のトリミングで大事なのは頻繁な利用回数
犬のトリミングといえば、多くの場合月に1回程度、多くて2回ほど利用している飼い主さんが多いと思います。皮膚被毛・爪の長さ等を良い状態にキープするためだけなのであれば、そのくらいの頻度で問題ないことがほとんどです。
しかし、もとからその場所が好きな犬であれば良いのですが、多くの犬の場合、トリミングサロンに行くことはストレスが大きく、ときには恐怖すら感じてしまっているケースも少なくありません。
実際、犬にトリミングそのものを好きにさせたり、トリミングされても平気でいられる心を育てるのには、数多くのプロセスとアプローチが必要になります。
しかしまずは第一段階として「犬にトリミングサロンを好きな場所として認知してもらう」ということが必要です。そのためにすべきことは、実はシンプル。
それが、トリミングサロンを頻繁に利用することです。例えばその日は爪切りだけ、3日後は足裏だけ、その次の週はブラッシングだけ、というように、一度にすべてをお手入れするのではなく、部分ごとに少しだけお手入れする方法です。
爪切りや足裏の毛カットなどの単品メニューを用意しているトリミングサロンは多いので、そのようなメニューを利用するといいでしょう。そのような簡単なメニューであれば施術自体も数分で済みますので、犬を不慣れな環境から早期開放することもできストレスも少なくすることもできます。
犬をトリミングサロンに連れていくだけでもOK!
また、施術だけではなく、単純にトリミングサロンにつれていくだけでもOKです。その際は、事前にサロンのトリマーに「サロンを好きになってもらいたいので協力してほしい」という相談・連絡をしておくとスムーズ。
その際、普段のドッグフードでもいいですが、特別に美味しいスペシャルなトリーツを使うのもおすすめですし、遊ぶことやふれあいが大好きな子であればその体験をさせてあげるのもいいですね。
「この場所に来るとおいしい物がもらえる」「この場所に来ると遊んでもらえる」というように、犬にとってポジティブな体験を頻繁にさせてあげることがポイントです。
そのようなポジティブな経験を繰り返すことで、その場所と良いことが犬の中で関連づけられていき、犬は「トリミングサロン」という場所に対して、ストレスよりも楽しみな気持ちを持ってくれるようになります。
ポジティブな体験の回数を積み重ねる意識を
愛犬には、ポジティブな体験をとにかくたくさんさせてあげてください。先述したように、トリミングの日だけでなく、ただそのサロンに連れていくだけでも良いのです。
大事なのは、愛犬に何かを経験させる際に、それがその犬にとって「ポジティブな経験」であるということ。もし緊張が強く見られたり怯えているなど、ネガティブな様子が見られたら、そのような反応が見られない場所からポジティブな経験との関連づけをスタートさせます。
このとき犬のボディランゲージを読むことができるとトレーニング完了への近道にもなるので、社会化トレーニングとしてドッグトレーナーに相談するのもおすすめです。
適切なタイミングで適切な対応をする、つまり「大丈夫だよ、ここは楽しい場所だよひどいことはしないよ」と犬に伝えることで犬は少しずつ学習していきます。そしてそれは、回数や頻度が多ければ多いほど学習は進むため、必ずポジティブな体験とセットで取り組んであげるようにしてください。
まとめ
犬のキレイを維持するためには、月に1〜2回程度の利用でも問題はありません。しかし、拘束される時間が長く、不慣れな環境であればあるほど犬の精神的な負担は大きくなります。
トリミングサロンの利用頻度を増やすことで、短時間でその場所から解放することができるのでおすすめです。さらには必ずポジティブなことが提供されるように配慮することで犬のストレスを軽減したり、トリミングサロン自体を好きになってもらうことも可能です。
「犬のトリミング」と言うと、どうしても見た目の美しさと日常生活のしやすさだけに目がいきがちですが、犬自身の精神的な部分まで考えてあげることができると、犬にとってより豊かな日常につなげることができると思います。
必要な場合はドッグトレーナーにも相談をする等、みんなで協力しながら愛犬のために時間と手間を使ってみてください。
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