「人生を狂わせることを覚えていて」“飲酒トラック”衝突で家族3人を亡くした遺族が見せてくれた子どもが“大切にしていた”おもちゃ【news23】

群馬県伊勢崎市で“飲酒運転トラック”が衝突し、2歳の湊斗ちゃんを含む3人が死亡した事故。「常に笑顔でいっぱいの子でした」。遺族が見せてくれたのは、事故当日も湊斗ちゃんが大切にしていたおもちゃでした。家族3人の大切な命をなくした遺族が訴えるのは“なくならない”飲酒運転への思い。

【写真を見る】「人生を狂わせることを覚えていて」“飲酒トラック”衝突で家族3人を亡くした遺族が見せてくれた子どもが“大切にしていた”おもちゃ【news23】

事故前日　2歳の“成長の証”　“飲酒トラック”3人死亡事故

塚越湊斗ちゃん（2）が映った動画は、事故の前日にとられた成長の証でした。

湊斗ちゃんの母親
「（積み木を）最初は全然積めなかったものが事故の前日、ふと見たらすごい高さに積んでいて夫に見せたときに『すごいすごい』って湊斗を褒めていたのが最後の思い出」

湊斗ちゃんとその父親の寛人さん（26）、湊斗ちゃんの祖父の正宏さん（53）。3人の命は理不尽に奪われました。

2024年5月、群馬県伊勢崎市で湊斗ちゃんら3人が乗る車に対向車線のトラックが衝突。湊斗ちゃんらは、クレーンゲームのお店に行った帰りでした。

逮捕されたトラック運転手の鈴木吾郎容疑者（69）。車内からは焼酎の空き瓶が見つかっていて、飲酒運転の疑いが持たれています。

「許せなくて　信じられなくて」「ちょっとの油断が、たくさんの人の人生を狂わせる」

事故から4か月を前に、初めて取材に応じた遺族。湊斗ちゃんが大切にしていたおもちゃを見せてくれました。

湊斗ちゃんの母親
「アンパンマンとバイキンマンのおもちゃは湊斗が初めて（クレーンゲームで）とれたもの」

「この人形は湊斗が赤ちゃんのときからずっと一緒にいた人形で、湊斗が人形に絵本の読み聞かせをしていた」

「この消防車はお子様セットでもらった初めてのおもちゃです」

湊斗ちゃんが大きい恐竜をママ、小さい恐竜を自分に見立てておままごとをしていたそうです。

並べられたおもちゃの中には、壊れた消防車がありました。

湊斗ちゃんの母親
「どこに行くにも持って行って、事故の日も持って行っていて、本当ならハシゴがあったんですけど、ハシゴがかえってこなくて。とにかく優しくて、私がくしゃみをすれば『大丈夫？』って毎回聞いてくれるし、常に笑顔でいっぱいの子でした」

湊斗ちゃんを溺愛していたという寛人さん。事故後の7月に第2子が生まれました。

湊斗ちゃんの母親
「夫が立ち合い出産をすごく楽しみにしていて、湊斗のときはできなかったので『やっと立ち会える』ってすごく楽しみにしていて、寛人はとにかく家族優先で、子どもが大好きで、私にとっても頼りがいのある夫で、湊斗からしても最高の父親だったと思います」

なくならない飲酒運転に湊斗ちゃんの母親はこう訴えます。

湊斗ちゃんの母親
「一瞬で、たった数秒の衝突で、この3人の命がなくなっていったんだと思うと、本当に許せなくて、信じられなくて。自分の命が大切なのと同じように、ほかの車を運転している人も誰かの大切な命なので、お互いがお互いの命を守れるような運転をしてほしいと思います。ちょっとの油断が、たくさんの人の人生を狂わせるということを覚えていてほしいです」