犬の平均寿命は、約15歳と言われています。長いシニア期を過ごす子も増えてきました。今回はシニア犬が甘えてくる理由と、愛犬に幸せな老後を送ってもらうための対応方法について見ていきましょう。
️シニア犬が「甘えてくるようになる」理由
若い頃は甘えん坊でなかったのに、シニア期に入ってから急に甘えん坊になるという子がいます。この変化は一体なぜなのでしょうか?
1.体調への不安がある
犬もシニア期に入ると、免疫力の低下、筋力の衰えなどから、体にさまざまな不調が見られるようになります。
私たち人間も、体調が悪いときには漠然と不安になり、誰かに甘えたい気持ちになりますよね。それは犬も一緒なのです。
シニア犬が甘えてきたら、まず目視や症状から、病院の受診が必要そうなあきらかな体調不良がないかを確認し、必要であればすみやかに受診できるようにしておきましょう。
2.体が不自由になっている
目が見えなくなる、耳が聞こえなくなる、歩行がゆっくりになるなど、シニア犬になると体が思うように動かせなくなっていきます。
そのため、それらの不自由をサポートしてもらいたいという気持ちから、飼い主さんを頼って甘えてきていることも。
甘えてきたのがこの理由の場合は、できる限りのサポートで不自由への不安を解消してあげましょう。
3.体温調節が苦手になってきた
犬もシニア期になると体温調節が難しくなるうえ、筋肉や脂肪も減ってくるので寒さを感じやすくなります。
秋冬の肌寒い日にシニア犬が甘えてくるのは、飼い主さんの体温を求めているのかもしれません。
洋服を上手に活用したり、暖房や毛布などで体温を下げない工夫をしてあげたいですね。
4.要求を通したい
年をとると頑固になったりワガママになったりということが人間でもありますよね。実は犬も一緒で、シニア期に入ると自分の要求を通したいという気持ちが強くなる場合があります。
そのため、飼い主さんに甘えることで自分の要求を飲んでもらおうとしているのです。
この根底には体調の問題が隠されていることもあるため注意が必要ですが、これまで我慢していた分が溢れているのだとしたら、多少のワガママは応えてあげても良いかもしれません。
️飼い主が配慮するべきシニア犬への対応方法
では、上記のような状態をシニア犬が見せてきた場合、飼い主としてどのような対応をすべきなのでしょうか。
体の変化に対応した環境づくりを
シニア期になると今まで当たり前にできていたことができなくなったり、何でもなかったことが危険なことになったりします。
体が不自由になっても愛犬が可能な限り今まで通りに暮らせるよう、適切な環境づくりに取り組む必要があります。
たとえば、ソファやベッドに上がるためのステップを用意する、愛犬が移動時に障害物にぶつからないように動線上の家具やモノの配置を変える、などです。
また、冷暖房の温度調節や暑さ寒さ対策グッズの導入など、体温管理にも注意を払うべきでしょう。
こまめな健康診断
シニア犬は、人間同様健康リスクが高くなります。
成犬の頃には年一回の健康診断でもおおむね十分ですが、シニア期に入ったら半年に一回、3ヶ月に一回など頻度を上げて、体の変化にいち早く気付けるようにしておきたいところです。
動物病院によっては診断内容を拡充したシニアコースを設けているところもありますから、コースを変更するのも良いでしょう。
️まとめ
いつまでも幼い子供のように無邪気で可愛い愛犬でも、生きている以上確実に年をとります。実はその変化を受け入れられない飼い主さんも少なくありません。
しかし、愛犬の老いをいつまでも受け入れられずに対策が遅れると、愛犬にリスクを与えてしまう可能性があることを忘れてはいけません。
愛犬に幸せな老後を過ごしてもらうためにも、「老い」という変化を受け入れて適切に対応していきましょう。
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