ニチイ学館 新プロジェクト『MY CARE ACTION』を始動、ヤングケアラーの就労支援も

2025-07-08 07:15

医療・介護・保育サービスを全国で展開する株式会社ニチイ学館は、企業のブランド支援を手がける株式会社パラドックスと協働し、介護やケアに対する社会全体の理解促進と、ケアラー支援を目的とした新プロジェクト『MY CARE ACTION(マイ ケア アクション)』をスタートさせた。同社支店での採用募集や資格取得支援など、ヤングケアラーが介護しながら働くための就労サポートを行うと共に、ケアラーと働く職場の理解促進に向けた社内研修を行っていく。

誰もがケアと向き合う時代に

少子高齢化が進む日本では、「ヤングケアラー(家族の介護や世話をする未成年)」や「ビジネスケアラー(仕事をしながら介護する人)」「Wケアラー(育児と介護をする人)」など、介護やケアに直面する人が急増している。

2025年4月には育児・介護休業法の改正が行われ、企業にもケアラー支援のための雇用環境整備が義務付けられた。国も政策としてケアラー支援を進めており、今や「ケア」は一部の人だけの問題ではなく、社会全体で向き合うべき重要なテーマとなっている。

こうした状況を受け、同社は「ケアに直面する当事者に対する理解促進」、そして「当事者がケアと社会の中での活躍を両立できる仕組みづくり」の両面からアプローチする必要があると考えた。また、将来を担う子どもたちに対しても、学校教育の中でケアを“自分ごと”として捉える視点を育むことが重要だとし、就労支援・職場研修・教育支援の三つの柱からなる『MY CARE ACTION』プロジェクトを始動。さまざまな民間企業や教育機関と連携し、世代を超えてケアへの理解を育む取り組みを行う。

ヤングケアラーが介護しながら安心して働ける職場環境に

近年、家族の介護やケアを担うヤングケアラーの実態が明らかになる中、進学・就職の機会が制限されるケースが増えている。厚生労働省の調査(2021年※)では、中学2年生の約17人に1人がヤングケアラーに該当し、その後のキャリア形成にも深刻な影響を及ぼすことが指摘されている。特に、進学を断念して就職を選ぶ若者にとって、「家族のケアを続けながら働ける職場」が圧倒的に不足していることも課題である。

ヤングケアラーの就労支援『いばしょに就こうPROJECT』

そのような中、『MY CARE ACTION』における「就労支援」の具体策として、一般社団法人ヤングケアラー協会監修のもと、ヤングケアラーをはじめとする“ケアを担う若者”の就労機会の創出と職場環境の整備を目的とした支援プロジェクト『いばしょに就こうPROJECT』を2025年6月より始動。このプロジェクトは、ヤングケアラーの就労の入り口から職場環境までをトータルで支援。同社支店での介護職員として採用募集を行うと共に、ケアと仕事の両立を可能にする柔軟な勤務体制の整備や、働きながらスキルアップできる仕組みとして資格取得を支援する社内制度を導入。また、家族の介護サービスを希望する就職希望者に対しては、ニチイグループが提供する介護サービスを利用できる仕組みなどの整備にも取り組む。就労前には、本人の職場と家族の入居施設をそれぞれに見学できる「ふたりで無料体験」制度も用意し、安心して就労に踏み出せる環境を提供する。2025年6月から埼玉県および愛知県エリアにて順次スタートし、2026年以降、全国へ展開予定。

ケアラーと働く職場の意識・環境づくり「職場のケア研修」

ヤングケアラーの就労支援と並行して、「ケアと仕事の両立」に対する職場および社会全体の理解を促進することを目的に「職場のケア研修」を『MY CARE ACTION』の2つ目の取り組みとして進めていく。ヤングケアラーの就労支援などを行う株式会社ENCHORD監修のもと、ヤングケアラーや若年層のワーキングケアラーの実体験をもとにしたケーススタディを中心に構成し、参加者が当事者の立場や悩みを具体的に理解し、実務的な配慮へとつなげるための研修内容となっている。まずは、埼玉県および愛知県エリアにある同社支店、介護拠点を対象に2025年6月より開始。今後全国の介護拠点においても展開する予定。

研修当日の様子

▽研修の様子をYouTubeでも公開中▽
https://youtu.be/LqGgv5c4BVM

探究学習プログラム「ケア探究学習」の提供

『MY CARE ACTION』の3つ目の取り組みとなる「教育支援」では、次世代のケア理解を育むことを目的とした「ケア探究学習」の提供を行う。広告会社の株式会社TBWA HAKUHODOとコラボレーションし、ケアを探求する独自授業を開発、学校現場へ展開していく。「ケア」という視点を教育現場に持ち込み、子どもたちが身近なテーマと組み合わせながら、自分なりのケアのかたちを考え、発表する授業を実施。この取り組みにより、「誰もが当事者になり得るケア」について、子どもたちが自分ごととして捉えるきっかけを提供する。今秋に一部の学校で導入し、その後も全国の学校への展開予定。次世代を担う子どもたちが「わたしもできるケアがある」と思える社会づくりに取り組んでいく。

※参考:
「ヤングケアラーの実態に関する調査研究について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000767891.pdf

ヤングケアラーの支援には社会全体の理解と多面的な支援が必要だ。中でも今回の就労支援や職場の理解促進への取り組みは、介護と仕事の両立に悩む若者にとって精神的にも大きなサポートとなり、具体的に自分の人生を考えるきっかけとなるだろう。誰もが直面しうる介護やケア、そしてヤングケアラーの実情について、この機会に考えてみてはいかがだろうか。

■『MY CARE ACTION』特設サイト
https://nichii-mycareaction.jp

■『いばしょに就こうPROJECT』特設サイト
https://ibasho.nichii-mycareaction.jp

X公式アカウント
https://x.com/Nichii_MCA

■ 株式会社ニチイ学館 公式HP
https://www.nichiigakkan.co.jp/

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