東急リゾートタウン蓼科の「TENOHA蓼科」が第2期オープン! 森の素材研究室やグローサリーショップの新設でコンセプトが深化

2025-07-30 08:00
東急リゾートタウン蓼科の「TENOHA蓼科」が第2期オープン! 森の素材研究室やグローサリーショップの新設でコンセプトが深化

「東急リゾートタウン蓼科」の地域連携・環境取組発信拠点「TENOHA蓼科」エリアが7月26日に第2期のオープンを迎えることになり、開業前日にマスコミ向けの見学会が開催された。現地では各担当者の説明のもと、新設およびリニューアルポイントを見学。また、敷地内の「蓼科東急ホテル」に新たに設けられたコンセプトルーム「Karamatsu Classic」の室内も公開され、地域とのつながりやサステナビリティの推進に力を入れる同タウンの進化を感じることができた。

1周年を迎えた「TENOHA蓼科」が第2期オープン

「TENOHA蓼科」は、長野県茅野市の蓼科地区に664ヘクタールの敷地を擁する「東急リゾートタウン蓼科」で行われている環境への取り組みを体感してもらうことを目的に、昨年7月26日にオープンした施設だ。エリア内ではそれらの取り組みが「自然環境」と「地域環境」に分けた形で紹介され、共創による「環境共生」のマインドを食や体験を通じて感じられる場所になっている。

この度の第2期オープンでは、同施設の周辺に森の素材研究室「TENOHA TATESHINA Lab.」と地域の魅力を伝えるショップ「EMMA’s FOOD&GROCERY」が新設。同じく周辺の遊歩道や遊び場、ワーキングスペースもリニューアルされ、この日は東急不動産のウェルネス事業ユニットでリゾート事業部に所属する石原宏基氏のガイドで各所を見学した。

研究室であり体験の場にもなる「TENOHA TATESHINA Lab.」

別荘風の建物をリノベーションしたTENOHA TATESHINA Lab.は、研究室・アトリエ・ギャラリーを兼ね備えた施設で、蓼科の樹木を活用した精油の蒸留や草木染め、植物標本作りの体験も行えるスポットだ。古き良き研究室の風情を放つ空間には、蓼科で採取された様々な樹木の葉や実がディスプレイされ、蓼科の自然環境がひとところに凝縮された雰囲気を感じさせる。

ここでは石原氏による概要説明の後、本施設のコンテンツディレクションを手がける株式会社ヤソ(以下、yaso)の猿渡凛太郎氏からも具体的な説明があった。

東急リゾートタウン蓼科では敷地内の植物から抽出したエッセンシャルオイルや芳香蒸留水を使ったプロダクトをオリジナルブランドの「TATESHINA by MORIGURASHI」で販売している。猿渡氏が紹介してくれた蒸留器では、その生成方法である水蒸気蒸留法を見学。この日はカラマツを使った蒸留が行われていた。

「東急リゾートタウン蓼科の敷地は標高差がすごくあり、標高1500メートル以上の亜高山帯でしか採れない植物も手に入るため、ギャラリーを見るだけでも十分に楽しんでいただける場所になっていると思います。なかなかオイルが取れない植物もあるので、そうしたものの加工も植生のリサーチにつなげていきたいです」と同氏。館内には実際に生産されたエッセンシャルオイルの香りをテイスティングできるスペースも設けられており、森の中と違って個種で感じる木々の香りに優しい癒しを感じた。

想像力・集中力をアップしてくれる木のワーキングスペース

続いて見学した「ワークラボMORIGURASHI」は、第2期オープンに際してリニューアルされたワーキングスペースだ。入館前には石原氏から、国立公園の木道にも使われている「パークスウッド」という耐久性の高い木材を用いた駐車場に関する説明があった。

木の温かみを感じる館内は、岐阜大学との共同実証実験によって構成された創造力・集中力の向上に効果のある木質建材を配した空間で、石原氏は「外にもテーブルを設け、隣を流れる川のせせらぎや鳥のさえずりを聴きながら、五感をリラックスさせて仕事に取り組める空間にしています」と話す。複数人で使えるテーブル、アイデア出しの時などに集中できそうなチェア、黙々と作業が進められるカウンター席に特別に集中したい時に便利そうな個室と、多彩なニーズに合わせた機能を擁しているのが印象的だ。

同じくリニューアルされた遊歩道と遊び場には、新たに設けられたという水車のほか、ニジマスなどを放流させている池とつかみ取り体験用のプールもあり、石原氏の話では今夏はウナギを放流する予定とのことで、「今後は養鰻も検討しています」と将来的な構想も明かされた。

味覚とプロダクトで信州の魅力を伝える「EMMA’s FOOD&GROCERY」

もうひとつの新規施設であるEMMA’s FOOD&GROCERYは、先ほど紹介したyasoが手がけるグローサリーショップ。地域の林業事業体と提携しながら森林資源の利活用に取り組む同社がセレクトした郷土のプロダクトと環境にやさしいアイテムを揃えている。

「当店はyasoの製品を直接手に取っていただける場所になっているほか、バイヤーが生産者の方々から直接仕入れた長野県内外の質の高いローカルプロダクトを取り揃えたショップです。TENOHA蓼科は観光の方々が多くいらっしゃる場所ですので、我々のような地元企業が橋渡しを担うことで、観光の方と生産者の方々に交流が生まれる場所にしていきたいです」と話してくれたのはyasoディレクターの黒澤祐美氏。

郷土の調味料やごはんのお供、お菓子、ジャムなどが揃う空間は、ところどころ手書きのPOPが配されており、手作り感を感じる印象。一方で壁棚には木材を使った家庭用品など手仕事を感じる商品がずらりと並んでいて見るだけでも楽しい。

また、この日はまだ稼働前だったが、酒とワインのテイスティングができる自販機バーも設けられ、ワイン特区に認定されている近隣の原村で生産されたワイン特区などを試せるようにする予定だという。店のシンボルである“EMMAちゃん”のロゴをあしらったオリジナルグッズにも注目だ。

なお、併設のカフェでは地元食材を使ったホットドックを提供している。この日はその中から2品を試食させてもらった。

『エマスタンダード』は、信州ポークのソーセージとザワークラウトを挟んだベーシックなホットドック。もう一方の『蓼科ジビエ』は、信州産鹿肉を使ったジビエソーセージを挟んだホットドックの上にブルーベリーソースがたっぷりのった一品だ。

『エマスタンダード』(ドリンクポテトセット)1500円~
『蓼科ジビエ』(ドリンクポテトセット)2000円~

どちらのホットドックも手に持つと分かる、ズシリとした重量感。

そしてエマスタンダードはソーセージをシンプルに味わいたい人にぜひ選んで欲しい一品で、かぶりつくとブリブリッとした肉の存在感とともにジューシーな旨みが一気に広がる。それに対して蓼科ジビエは鹿肉特有のワイルドさをふんだんに感じるソーセージと、ベリー系の酸味の中に味噌のようなコクも感じるソースとが個性をぶつかり合わせる濃厚な味わいで、日中ながらビールが欲しくなってしまった。

室内にいながらカラマツに包まれる癒しの客室「Karamatsu Classic」

さらにこの日は「蓼科東急ホテル」に新設された「Karamatsu Classic」も見学した。

「Karamatsu Classic」スタンダードツインの室内

こちらは天井や壁面、家具や装飾など室内の随所に地域産のカラマツ材を使ったコンセプトルームだ。カラマツは東急リゾートタウン蓼科の敷地内で最も一般的な樹木であり、間伐材を利用し、yasoをはじめとした地域事業者との商品化に力を入れる素材でもある。

「Karamatsu Classic」スタンダードツインの室内

客室はスタンダードツインとメゾネットワイドの2タイプ。そのうち前者は、窓の外にスクリーンのように広がるカラマツ林をベッドとワークデスクから見渡せる造りになっており、後者も緑を感じながら家族やグループでくつろげるガーデンビューの空間が作られている。

「Karamatsu Classic」メゾネットワイドの室内

そのほか、寝室のサイドテーブルにはカラマツの丸太を配し、バスアメニティもカラマツの精油を使ったものに統一。スチームサウナのアロマにもカラマツを使うこだわりぶりで、歴史と風格が非日常感を与えてくれる同館にあって、さらに特別感がプラスされた空間になっている。

見学を終え、最後に「訪れてくださった方々が自分の人生を豊かにするためのヒントを得てもらえるような場所にしていきたいです」と語った石原氏。大幅な施設の拡張は「TENOHA蓼科」が従来から掲げてきたコンセプトの深化を感じさせた。レジャーを楽しみながら自然の中で子どもを遊ばせたいというファミリー、あるいは登山好きなど自然を愛する人たちなどにとって恰好のディスティネーションになることだろう。

「TENOHA蓼科」
所在地:長野県茅野市北山字鹿山4026-2 東急リゾートタウン蓼科内
営業時間:9時~17時
定休日:水曜(7月17日から8月31日は水曜も営業)
電話番号:0266-69-3230
公式ホームページ:https://www.tateshina-tokyu.com/tenoha/

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