【獣医師執筆】犬の「レプトスピラ感染症」ってどんな病気?注意すべき症状や、治療から予防法まで解説
レプトスピラって何?

レプトスピラ感染症は、日常的になかなか遭遇しない病気の一つですが犬では重症度も高く、怖い疾患の一つです。ここではレプトスピラ感染症について詳しく解説をしていきます。
レプトスピラは細菌の一種
「レプトスピラ」とは、らせん状の細菌であるスピロヘータの一種です。
病原性をもつ型ともたない型がありますが、病原性をもつ型だけでも、250以上もの血清型があります。
運動性が高い細菌で、淡水や湿った土壌の中では数ヶ月生存していることもあります。
ネズミが自然宿主(細菌を宿していても病気を発症せず、周りに感染を広げる生き物)であり、ネズミの尿中に排泄されます。
レプトスピラ症は人畜共通感染症
レプトスピラは犬だけではなく、人間にも感染します。
人では頭痛、発熱、筋肉痛などの一般的な初期症状を示しますが、その中でも重症化すると腎不全、黄疸、出血傾向など重篤な症状を呈する「ワイル病」という病気に進行することもあります。
人では「四類感染症」に分類されています。
そのため、「レプトスピラ症」を発症した場合には人でも犬でも、自治体の保健所へ「届出」が必要な「届出伝染病」に指定されています。
レプトスピラ感染症の症状は?

初期症状は発熱や元気消失、食欲不振、嘔吐などごく一般的な症状です。
症状が進行すると、黄疸や粘膜出血、腎不全や肝不全などを引き起こすため、重症化してからの致死率は50%を超えるとも言われています。
症状だけでは他の疾患との鑑別が難しいため、PCR検査などで必ず裏付けをとる必要性があります。
感染初期での適切な診断、治療が予後に大きく関わるため、一般的な体調不良の症状であっても、まずは動物病院で診察を受けましょう。
どのようにして感染するの?治療は?

ネズミなどの尿で汚染された水辺、土壌から感染します。
レプトスピラの感染で怖いところは、「経皮感染」するというところで、汚染されたものを口にしなくても、皮膚や粘膜を介して感染してしまいます。
以前は「西日本に多い病気」「アウトドアの子が気を付ければよい病気」とされてきましたが、近年では東日本でも複数の感染事例があります。
また、都会でもネズミが増加し接触のおそれがあること、豪雨被害などが頻発する中、下水で汚染される危険性がたびたびあることなどから、レプトスピラ感染症は身近な病気として気を付けなくてはいけないものになってきています。
治療は適切な抗生物質を使用し、点滴などの対処療法をおこなうことです。
早期発見と早期治療が、予後に大きく関わります。
どうやって予防したらよい?

7種~10種混合ワクチンの中には、いくつかのレプトスピラ症の血清型が入っています。
基本の予防はワクチン接種ですが、レプトスピラ症はワクチンの中でも「不活化ワクチン」であり、個体差がありますが早ければ1年以内に抗体価が減少してしまう子もいます。
動物病院によっては、「7種以上の混合ワクチンの年一回接種」に加え、「レプトスピラ単体のワクチンを半年で追加接種」を推奨しているところもあります。
また、ワクチンを打っても250を超える全ての血清型を予防できるわけではありません。ワクチンで基本的な血清型を予防するのは勿論のこと、汚染された土壌や水辺に近づかないことも、とても大切です。
特に豪雨の後で浸水したばかりの地面や、雨上がりすぐのように、土壌が流れ出しやすい日のお散歩は注意しましょう。
まとめ

レプトスピラ感染症はまだまだ周知がされておらず、めったに感染しない病気と思われているかもしれませんが、近年では身近な病気になりつつあります。
愛犬を守るために、しっかり知識を身につけていきましょう。
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