もしもの時すぐ逃げられますか? 「逃げ一択防災」を提案する防災ブックが無料配布

地震や台風、大雨など、私たちは日々さまざまな災害リスクと隣り合わせに暮らしている。とりわけ日本は、世界で発生する地震のおよそ1割が集中しているといわれる地域であり、大きな災害がいつ起きても不思議ではない環境にある。近年も各地で大きな地震や水害が相次ぎ、防災意識は年々高まっている。とはいえ、いざ災害が起きた時に「すぐに避難できるか」と問われると、迷いが生まれる場面も少なくない。大切なものを取りに戻りたくなる、何を持っていけばいいのか考えてしまう──そうしたわずかな迷いが、避難の遅れにつながることもある。
こうした背景を踏まえ、マスターロック・セントリー日本株式会社は「逃げ一択防災」という新しい防災の考え方を提案している。これは、災害時には迷わず逃げることを最優先にするというシンプルな発想である。その内容をまとめた防災ブック『逃げ一択 防災のススメ』が、2026年3月7日よりホームセンターや家電量販店の防災コーナーなどで順次無料配布される予定だ。冊子では、災害時に迅速に避難するための考え方や備えのポイントが紹介されている。
迷わず逃げるための考え方「逃げ一択防災」

災害時に命を守るうえで最も重要なのは、迅速に避難することである。しかし実際には、貴重品や思い出の品などを取りに戻ってしまい、避難が遅れてしまうケースもある。東日本大震災の避難に関するヒアリングでも、荷物を取りに戻ったことが被害につながったという証言が複数報告されているという。
こうした経験や教訓を踏まえて提案されているのが、避難を唯一の選択肢にする金庫を活用した新しい防災の考え方「逃げ一択防災」である。災害が起きた際には、迷わず避難することを唯一の選択肢にする。そのためには、日頃から避難の判断を迷わせない環境を整えておくことが重要だという発想である。
「持ってく防災」と「置いてく防災」という備え

これまで防災といえば、防災リュックを用意するなど「持ってく防災」が中心だった。今回提案されている「逃げ一択防災」では、この考え方に加えて「置いてく防災」という視点が紹介されている。
避難の際に持ち出す必要はないものの、大切に保管しておきたいものは少なくない。例えば、通帳や重要書類、身分証明書、思い出の品などである。これらを安全な場所に保管しておくことで、「取りに戻らなくても大丈夫」という安心感につながり、避難時の迷いを減らすことができるという考え方だ。
冊子では、こうした「置いてく防災」を実践する方法として、耐火・耐水性能を備えた保管方法などについても紹介されている。
避難体験者の声から見える備えのリアル

防災ブックには、実際に災害を経験した人の体験談も掲載されている。東日本大震災を経験した人の話では、当時は命の確保と家族の安全が最優先で、貴重品を持ち出す余裕はなかったという。その後、避難生活を通して感じたのは、「持ち出すもの」と「置いていくもの」を事前に分けておくことの大切さだったそうだ。
このような実体験は、防災を考えるうえで現実的なヒントを与えてくれる。実際の避難の場面では、冷静な判断が難しくなることもある。だからこそ、あらかじめ備えを整えておくことが重要なのだと感じさせる内容となっている。
災害リスクに合わせた備えと金庫選び

冊子では、災害の種類ごとに想定されるリスクについても紹介されている。例えば火災の場合は炎だけでなく消火活動による放水、地震では家屋倒壊や落下、水害では浸水といったリスクが考えられる。また、災害時には留守を狙った犯罪の可能性も指摘されている。こうした状況を想定すると、大切なものを守るためには単に保管するだけでなく、災害に対応した保管方法が求められる。
そこで冊子では、こうしたリスクに応じた金庫選びの考え方も紹介されている。火災に備える耐火性能、浸水への備えとなる耐水性能、地震による落下衝撃への強さ、さらには防犯性能など、家庭の環境や想定される災害リスクに合わせて適切な金庫を選ぶことが大切だとしている。
自宅の立地や環境によって備えるべきポイントは変わる。冊子ではリスク診断や選び方のチャートも掲載されており、自分の家庭に合った備えを考えるヒントとして活用できる内容となっている。
防災ブック『逃げ一択 防災のススメ』について
掲載内容:
・逃げ一択のための準備
・災害避難の体験者の声
・持ってく防災と置いてく防災
・我が家のリスク診断&シミュレーション
・「置いてく防災」のための金庫選び
・リスクに応じて選べる金庫
・我が家の「逃げ一択」防災ノート
配布場所:ジョイフル本田をはじめ、主要ホームセンター・家電量販店のセントリー金庫売り場や防災コーナーに設置(※配布されないホームセンター・家電量販店もある)
配布開始:2026年3月7日(土)より
フリーダウンロードURL:https://masterlocksentry.jp/wp-content/uploads/2026/02/MLSJ_BousaiHandbook_B6.pdf
特設サイト:https://masterlocksentry.jp/nigeittakubousai/(3月11日よりオープン)

監修:藤田実沙(防災士)
整理収納アドバイザー、防災士。夫と中学2年生、小学6年生の息子と犬1匹と暮らす。大阪府北部地震をきっかけに防災に目覚める。
暮らしになじむ備えの情報をInstagramやVoicyで発信している。著書に「おしゃれ防災アイデア帖」「おうち防災アイデア」ほか。
東日本大震災の発生から、今年で15年となる。あの震災をきっかけに、防災への意識は社会全体で大きく高まった。しかし時間が経つにつれて、日々の生活の中で備えが後回しになってしまうことも少なくない。
そんな中で改めて考えさせられるのが、「いざという時、本当にすぐ逃げられるだろうか」という問いである。大切なものを守りたいという気持ちは誰にでもあるものだが、その思いが避難の判断を迷わせてしまうこともある。
「持ってく防災」に加えて、「置いてく防災」という考え方は、そうした迷いを減らし、避難という行動をよりシンプルにしてくれる発想である。災害がいつ起こるか分からない日本だからこそ、日常の中で防災を見直すきっかけは大切である。今回の取り組みは、改めて“逃げる準備”について考えるきっかけになりそうだ。