春は恋愛運が動く季節?出会いを関係へと育てる「セルフラブコミュニケーション」
春になると、なんとなく恋がしたくなる——そんな感覚を覚えたことがある人は少なくないだろう。「春恋」という言葉があるほど、春は新しい恋が生まれやすい季節だ。入学・入社・異動など、環境の変化とともに新たなコミュニティが形成され、自然と出会いの機会が増えていく。心理的にも「新しいスタートを切ろう」という意欲が高まりやすく、新たな関係を素直に受け入れやすくなるとも言われている。
そうした春の特性について、恋愛コミュニケーションの専門家として活動する株式会社アモネスフィア代表取締役・妃谷朱理氏に話を聞いた。
「春は恋愛の流れが動き出しやすい時期です。ただ、出会いがあっても『そこからどうつなげればいいのか』と迷う方が多い。大切なのは、出会いを関係に育てていく力です」
妃谷氏が提唱するのが、セルフラブコミュニケーションという考え方だ。自分を大切にしながら、相手とも心地よくつながるコミュニケーションを指す。
「恋愛において、関係を長く続けるにはときめきだけでなく、安心感や尊重といった『愛』の要素がとても重要です。その土台となるのがセルフラブなのです」
出会いを恋に変える「3ステップ」
妃谷氏は、新しい出会いを恋につなげる実践として、初級・中級・上級の3ステップを教えてくれた。
STEP 1(初級)——興味を持って、質問する
まず大切なのは、相手に興味を持つことだという。「人は、自分に関心を向けてもらえると、自然と安心感を覚えます」と妃谷氏は言う。「どんなお仕事をされているんですか」「休日はどんなふうに過ごすことが多いですか」——難しく考えずに、こうした一言から始めれば十分だ。
「ポイントは質問そのものより、相手の話を楽しそうに聞くことです。どんな質問よりも、聞く姿勢が会話の印象を決めます」
STEP 2(中級)——共感を、言葉にする
会話が生まれてきたら、次は共感を言葉にして返すことが重要になる。「それ楽しそうですね」「それは大変でしたね」「なるほど、そういうことなんですね」——こうした言葉には、「あなたの話をちゃんと受け取っています」というメッセージが込められている。
「恋愛では、ときめきだけでなく安心感も関係を深める大切な要素です。共感のある会話は、自然と心の距離を縮めてくれます」
STEP 3(上級)——相手の魅力を、言葉にする
上級編は、相手の良いところを言葉にして伝えるコミュニケーションだ。「すごいですね」「頼りになりますね」「そういうところ、素敵ですね」といった言葉がそれにあたる。
「相手に合わせることとは少し違います」と妃谷氏は強調する。「セルフラブが育っている人は、自分を否定せず、内側に安心感を持っています。すると心に余裕が生まれて、相手の魅力や良いところが自然と目に入るようになる。無理に褒めているのではなく、自然に見えている魅力をただ言葉にしている状態です。そのコミュニケーションが、相手に安心感を与え、関係を一歩深めるきっかけになります」

コミュニケーションを育てる「マインドセット」
セルフラブコミュニケーションは、テクニックだけではない。妃谷氏はその土台となる「心のあり方」として、3つのマインドセットを挙げる。
自分の気持ちを尊重する
「セルフラブとは、自分を甘やかすことではなく、自分の気持ちを正直に受け止めることです。『こんなことを思ってはいけない』と否定するのではなく、『そう感じているんだな』とまず認めてあげること。自分の気持ちを尊重できる人は、相手の気持ちも自然と尊重できるようになります」
自分の価値を、人と比べない
恋愛では「相手に好かれているかな」「自分は魅力的なのかな」と不安になることも多い。だがセルフラブがある人は、自分の価値を他人との比較で決めない。「その揺るがない安心感が、自然体のコミュニケーションにつながっていきます」と妃谷氏は言う。
相手を変えようとしない
「『もっとこうしてほしい』と思う気持ちは自然なことです。でもセルフラブコミュニケーションでは、相手をコントロールするよりも、関係を育てることを大切にします。相手を理解しようとする姿勢が、お互いにとって安心できる関係をつくっていきます」
恋愛がうまくいく人の共通点
妃谷氏によれば、恋愛が自然とうまくいく人は、無理に好かれようとするのではなく、自然体で人と関わっているという。その背景には、自分を大切にしている、相手を尊重できる、そしてコミュニケーションそのものを楽しんでいるという姿勢がある。
「その安心感が、相手にとっても『この人といると居心地がいい』という感覚につながっていくのです」
春は、新しい恋が生まれやすい季節だ。出会いを増やすことも大切だが、それ以上に大切なのは自分らしく人と関わることだと妃谷氏は締めくくる。
「焦らなくていい。あなたのペースで、この春の出会いを楽しんでみてください」

【取材協力】
株式会社アモネスフィア
代表取締役 妃谷 朱理
https://www.amonesphera.com