卸売市場取引のDX推進に向けた共同研究、第1期成果発表~業務改善アプリ「fudoloop」が価格・出荷量向上に貢献~

日本事務器株式会社は、国立大学法人東京大学 大学院農学生命科学研究科 農業・資源経済学専攻、および沼津中央青果株式会社と共同で進めている卸売市場取引のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する共同研究の第1期研究結果を発表しました。
概要
日本事務器株式会社は、東京大学 大学院農学生命科学研究科 農業・資源経済学専攻、および沼津中央青果株式会社と共同で、卸売市場取引のDXに関する共同研究を実施し、その第1期研究結果を発表しました。本研究は、農家と市場・青果流通事業者を情報でつなぐ業務改善アプリ「fudoloop」を導入した沼津中央青果の実績を基に、東京大学の知見と日本事務器のノウハウを融合させ、卸売市場取引のDX推進を目指したものです。
- 共同研究名:卸売市場取引のデジタルトランスフォーメーションに関する調査研究
- 研究期間:2024年9月1日~2026年3月31日
- 実施場所:東京大学 大学院農学生命科学研究科 農業・資源経済学専攻
- 研究内容:卸売市場関係者への聞き取り調査、DXの態様把握、DX化によるデータ収集と効果分析
- 役割:
東京大学 農業・資源経済学専攻:実態調査、データ収集、統計解析
沼津中央青果、日本事務器:調査対応、データ提供 - 研究成果:「fudoloop」利用者は非利用者と比較して、平均価格・出荷量が高い傾向を確認。ほうれん草では出荷量増加と価格変動の縮小、いちごでは価格水準の上昇が見られました。
第1期共同研究の成果と分析
第1期研究では、業務改善アプリ「fudoloop」の活用が、個々の出荷者の取引価格や出荷量にどのような影響を与えるかを定量的に把握することを目的としました。沼津中央青果の「ほうれん草」と「いちご」の取引履歴データを分析した結果、「fudoloop」を利用している生産者は、利用者でない生産者と比較して、平均単価および年間出荷量が高い傾向にあることが明らかになりました。具体的には、ほうれん草においては出荷量の増加と価格変動の縮小(安定化)が、いちごにおいては価格水準の上昇が確認されています。これらの成果は、論文「卸売市場における情報共有のデジタル化-取引価格と出荷量に関する数量分析-」として発表され、日本フードシステム学会からの許可を得て掲載されています。
今後の展望と第2期共同研究
今回の研究結果を踏まえ、2026年4月からは新たに株式会社須崎青果を加え、4者体制で第2期共同研究を開始します。第2期では、「労働コストへの影響」や「買参人群の拡大」といった、卸売市場の経営に直結する課題に対し、DXの効果を多角的に検証していく予定です。東京大学 農業・資源経済学専攻の学生も協働し、統計的因果推論の手法を用いたり、価格や出荷量以外の変数に着目した分析などが期待されています。
関連リンク
https://fudoloop.njc.co.jp/news/seminar_20260604/
https://fudoloop.njc.co.jp/lp/
https://www.genkibatake.co.jp/susaki/
まとめ
卸売市場取引のDX推進を目指した共同研究の第1期では、業務改善アプリ「fudoloop」の導入が生産者の取引価格や出荷量向上に貢献する可能性が示唆されました。今後、第2期研究を通じて、さらなるDXの効果検証と持続可能な食のサプライチェーン構築に向けた取り組みが進められます。