思春期で減る親子の会話、それでも伝わる? 制服から見えた“無言のコミュニケーション”

2026-05-18 08:00
思春期で減る親子の会話、それでも伝わる? 制服から見えた“無言のコミュニケーション”

子どもが成長するにつれて、親子の会話が少しずつ減っていく——そんな変化に、どこか寂しさを感じたことがある保護者もいるかもしれない。特に思春期は、自立心が芽生える一方で、以前のように何でも話してくれる時期ではなくなる。会話の量だけを見ると、距離ができたように感じることもあるだろう。

しかし、言葉が減ったからといって、親子のつながりまで薄れているとは限らない。毎朝きちんと整えられた制服、気づけば直されているボタン、季節に合わせて用意される衣替えの準備。何気ない日常の中には、言葉にしなくても伝わるやり取りがあるのかもしれない。制服は、単に学校生活で身につける衣服として語られることが多いが、毎日着るものだからこそ、家庭の中で自然と関わりが生まれる存在でもある。そうした視点から見ると、制服にはこれまでとは少し違った意味も見えてくる。そこで今回、株式会社トンボ(https://www.tombow.gr.jp/)は、①中学生・高校生/②中学生・高校生の保護者を対象に「新たな“制服の意義”」に関する調査を実施した。

思春期とともに変わる、親子の会話の距離感

まず注目したいのが、親子の会話量に関する調査結果である。株式会社トンボが中学生・高校生とその保護者を対象に「小学生の頃と比べて、親子で話す機会や会話の量は減ったと感じるか」を尋ねたところ、保護者側の半数以上が“減った”と感じていることがわかった。

中学生の保護者では「とても感じる」「やや感じる」を合わせて52.4%、高校生の保護者では58.7%となっており、高校生の保護者の方がより強く実感している結果となっている。子どもの成長とともに親子の関係性が変化していく様子が、数字にも表れているようだ。

一方で、中高生本人の回答を見ると、中学生では32.6%、高校生では43.7%が会話の減少を感じているという結果に。保護者ほどではないものの、子ども自身も変化を認識していることがうかがえる。中高生になると、学校生活に加えて部活動や友人との時間が増え、家庭で過ごす時間そのものが少なくなりやすい。家族そろって食事をする機会が減るなど、日常の接点が自然と変化していく時期でもある。今回の結果からは、そうした成長の過程の中で、親子の会話のあり方も少しずつ変わっていく様子が見えてくる。

言葉が少なくなっても、制服を通して伝わる気づかい

親子の会話が減りやすい思春期において、直接言葉を交わす機会が少なくなったとしても、日常の中で相手を気にかける場面は変わらず存在しているようだ。今回の調査では、中学生・高校生に対して「親が制服を綺麗に洗濯・アイロンがけしてくれた際、『ありがたいな』と感謝を感じることはあるか」と尋ねている。その結果、中学生では「とてもある」が22.1%、「ややある」が37.2%となり、合わせて59.3%が感謝を感じていることがわかった。さらに高校生では、「とてもある」が34.4%、「ややある」が42.3%となり、合計76.7%に。中学生よりも高い割合となっており、成長して会話の機会が減ったとしても、日々の気づかいはしっかり伝わっている様子がうかがえる。

制服は毎日身につけるものだからこそ、洗濯やアイロンがけといったお手入れも日常の一部になりやすい。何気なく続けていることでも、その積み重ねの中に保護者の気持ちがにじみ、それを子どもたちも自然と受け取っているのかもしれない。特に高校生の方がより感謝を感じているという結果は、言葉にする機会が少なくなる時期だからこそ、こうした行動の意味がより伝わりやすくなっているとも考えられそうだ。

制服がつなぐ、言葉にならない親子のコミュニケーション

今回の調査からは、思春期で親子の会話が減りやすくなっても、別の形でつながりが続いている様子が見えてきた。小学生の頃と比べて「親子で話す機会や会話の量が減った」と感じている割合は、子どもよりも保護者の方が高く、特に高校生の保護者ほどその変化を強く実感しているという。学校生活や部活動、友人との時間が増える中で、家庭での過ごし方や親子の距離感が少しずつ変わっていく時期であることがうかがえる。

一方で、保護者は制服の洗濯やアイロンがけの際に見つけた汚れやシワ、擦り切れなどから、子どもの学校での様子を想像していることもわかった。毎日着る制服が、会話とは違う形で子どもの様子を伝える存在になっているようだ。また、制服のお手入れに「ありがたい」と感じている中高生も多く、中学生で約6割、高校生では約8割にのぼった。言葉にしなくても、日々の気づかいはしっかり伝わっているのかもしれない。制服は、ただ学校で着るものではなく、親にとっては子どもを見守るきっかけに、子どもにとっては支えられていることを感じる存在にもなっているようである。

【調査概要】「新たな“制服の意義”」に関する調査
調査期間:2026年3月12日(木)~2026年3月16日(月)
調査方法:PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数:1,024人(①514人/②510人)
調査対象:調査回答時に①中学生・高校生/②中学生・高校生の保護者と回答したモニター
調査元:株式会社トンボ(https://www.tombow.gr.jp/)

思春期になると、親子の会話が以前より少なくなるのは、ごく自然な変化なのかもしれない。けれど、言葉を交わす時間が減ったからといって、親子のつながりまで薄れてしまうわけではない。今回の調査から見えてきたのは、毎日当たり前のように着ている制服が、その間をそっとつないでいる存在になっているということだ。保護者にとっては子どもの様子を想像するきっかけになり、子どもにとっては気づかいを受け取るきっかけになっている。

面と向かって言葉にするのは少し照れくさい年頃だからこそ、こうした何気ない日常のやり取りが、親子の関係を支えているのかもしれない。制服という身近な存在に、少し違った意味が見えてくる調査であった。

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