テレビ新広島、平和特別番組『描けなかった2枚の絵』英語版を世界配信

2026-05-20 14:00

テレビ新広島(TSS)が、核兵器廃絶と平和の実現を目指して発信する「Hiroshima Peace Program TSSアーカイブプロジェクト」の第11弾として、2008年に放送された報道特別番組『描けなかった2枚の絵』の英語版を2026年5月18日(月)から世界に向けて配信します。

番組概要

テレビ新広島(TSS)は、開局以来、核兵器廃絶と平和の実現を目指した番組制作に取り組んできました。この度、「Hiroshima Peace Program TSSアーカイブプロジェクト」の第11弾作品として、2008年8月6日に放送された報道特別番組『描けなかった2枚の絵』の英語版を、2026年5月18日(月)より世界に向けて配信します。
番組概要:2008年8月6日放送 TSS報道特別番組『描けなかった2枚の絵』英語版の世界配信
配信開始日:2026年5月18日(月)
制作:テレビ新広島(TSS)
受賞歴:2009年度日本民間放送連盟賞 中四国地区審査会・報道番組部門 優秀賞

平和への希望を託した物語

本作は、女優・深浦加奈子さんの遺作となったナレーションで構成されています。番組制作当時、闘病中であった深浦さんは、体調が悪化する中でも、ご自身の強い希望により広島へ赴き、本番組のナレーション収録に参加されました。収録から約1か月後に逝去されましたが、その全身全霊を込めた語りは、番組に深い感動を与えています。
番組では、被爆者である松原美代子さんが、自身の被爆体験を高校生に託し、未来への希望を語る姿が描かれます。松原さんの願いを叶えるため、心を込めて絵を描く高校生たちのひたむきな姿と、深浦さんの魂のこもったナレーションを通して、人々の平和への強い思いを伝えます。

被爆証言と高校生の絵

松原美代子さんは、12歳で被爆し、その後、平和巡礼ツアーで世界14カ国を訪れ、核実験反対を訴えるなど、精力的に証言活動を行ってきました。30歳から英語を学び、外国人観光客にも英語で被爆証言ができる貴重な存在となりました。松原さんが証言の際に用いるのは、ご自身で描いた13枚の原爆の絵ですが、どうしても描けなかった2枚の絵がありました。
その描けなかった絵を、広島市立基町高等学校の生徒である東郷佑紀さんと松原未羽さんが描くことになります。2人は松原さんの話を聞き、被爆場所を訪ねるなどして当時の状況を理解しようと努めました。松原さんの話をもとに、何度も描き直し、悩みながらも完成させた絵は、松原さんの心に希望の光を灯しました。

深浦加奈子さんの最後の仕事

深浦加奈子さんの姉である三木祥子さんは、妹の最後の仕事について、収録時の様子を振り返っています。「こんな状態で広島まで行って、ちゃんと仕事ができるの!?」という不安を抱えながらも、収録スタジオに入るとスイッチがONになり、凛として最後までやり遂げた姿に感動したと語っています。また、収録前には、深浦さんと共に平和記念公園の原爆ドームで涙を流しながらお参りしたことは、一生忘れることのできない大切な思い出であり、この最後の仕事は「永遠の誇り」であると述べています。

番組制作の背景と現代への継承

番組ディレクターの若木憲子さんは、被爆体験の継承における「絵」の重要性について語っています。被爆者が高齢化し、自ら絵を描くことが困難になる中で、絵を学ぶ高校生が被爆者の代わりに絵を描くという取り組みが、視覚を通して惨状をリアルに伝える役割を果たしていると指摘しています。番組制作時は、この取り組みが始まったばかりでした。
松原さんも2018年に亡くなり、当時の惨状を語れる被爆者が減少する中、生の声を聞ける機会はますます貴重になっています。この番組を通して、一人でも多くの方に被爆の惨状を知ってほしいと願っています。

まとめ

テレビ新広島が制作した報道特別番組『描けなかった2枚の絵』の英語版が、平和への強いメッセージを世界に届けます。被爆者の証言と高校生が描いた絵、そして女優・深浦加奈子さんの魂のこもったナレーションを通して、平和の尊さを改めて考える機会となるでしょう。

関連リンク

https://www.tss-tv.co.jp/web/archive_project/index.html