「Honda Sun × ENOWA FARM LAB」プレスプレビュー開催:多様な人が関わる農業の形を大分・湯布院から発信

2026-06-04 02:34

ホンダ太陽株式会社とENOWA YUFUIN/ENOWA FARMは、「Honda Sun × ENOWA FARM LAB」プレスプレビューを2026年5月27日(水)にENOWA FARM(大分県由布市湯布院町)にて開催しました。本プロジェクトは、ホンダ太陽が培ってきた「作業を人に合わせる」考え方を農業に応用し、多様な人が参加しやすい農業の形を検証していくものです。

概要

「Honda Sun × ENOWA FARM LAB」プレスプレビューが、大分県由布市湯布院町のENOWA FARMにて開催されました。本プロジェクトは、ホンダ太陽株式会社の工程設計・作業改善・治具開発の経験と、ENOWA YUFUIN/ENOWA FARMの農業・食・宿泊体験の現場を連携させ、多様な人が参加しやすい農業の形を検証します。

開催日時:2026年5月27日(水)

会場:ENOWA FARM(大分県由布市湯布院町川上丸尾452-2)

主催:ホンダ太陽株式会社

協力:ENOWA YUFUIN/ENOWA FARM

ホンダ太陽が培ってきた「作業を人に合わせる」考え方を農業へ

ホンダ太陽株式会社 代表取締役社長の山口 潤氏は、同社が障がいのある人の雇用拡大と自立促進に取り組み、ものづくりの現場で作業工程や道具を工夫してきた経験を、農業分野へ応用する本プロジェクトへの思いを語りました。完成形ではなく、これから現場で検証を重ねていくスタートであることを強調しました。

ENOWA FARMを舞台に、農業・食・地域をつなぐ

ENOWA YUFUIN ファウンダーの平川 順基氏は、ダイバーシティ、地域共創、食の場づくりを大切にするENOWAの考え方を紹介。ENOWA FARMで育てられた作物がレストランの料理や宿泊体験につながり、訪れる人に土地の背景や季節を伝える素材となることを説明しました。ホンダ太陽との連携を通じて、事業としての可能性を探り、将来的には他の地域にも広がる活動を目指したいと述べました。

構想の出発点は、農業の大変さへの実感と休耕地への思い

本プロジェクトの構想段階から関わってきたホンダ太陽株式会社 相談役の鎌田 雅仁氏は、幼少期に農作業の大変さを実感した経験や、会社の周辺の休耕地を見て「もったいない」と感じた思いが、プロジェクトの原点にあることを語りました。ENOWA YUFUINの平川氏、株式会社HiRAKU代表の廣瀬 俊朗氏との出会いが、農業と障がい者雇用、食や観光を結びつける構想を具体化させる転機となったと振り返りました。

人と人との縁が、プロジェクトを動かした

元ラグビー日本代表キャプテンで株式会社HiRAKU代表の廣瀬 俊朗氏は、スポーツを通じて多様な人が活躍できる場づくりに関わる中で、ホンダ太陽やENOWAとの縁が生まれた経緯を説明しました。多様な専門性を持つ人々が集まり、新しい農業の形を試すこのプロジェクトは、ラグビーのチームづくりにも通じると語り、大分から広がる可能性に期待を寄せました。作業手順やガイドラインが整えば、障がいのある人だけでなく、子どもや農業経験の少ない人も参加しやすくなるとし、世代を超えて関われるプロジェクトへの期待を示しました。

ENOWA FARMで実証する意味

平川氏は、ENOWA FARMで実証を行う意味として、食材が「どこで、誰によって、どう育てられたか」という背景までを伝えることを重視していると説明しました。今回のプロジェクトでは、「誰が、どのように作業に関わったのか」という視点が加わり、作業に関わる人、作業しやすい環境づくり、地域との関係まで含めて伝えていくことを目指します。ENOWA YUFUIN エグゼクティブシェフのタシ・ジャムツォ氏も、食材づくりの幅が広がることに期待を寄せました。

車いすで作物に近づける設備を公開

京都・石割農園の石割 照久氏は、障がいの有無で分けるのではなく、全ての作業者が作業しやすい形を考えるための養液栽培設備や試作治具について説明しました。特に、車いすを利用する人でも作物に近づきやすい栽培設備を紹介し、ハウス内での栽培は雨の日でも作業しやすく、シフトも組みやすい利点があると語りました。働きやすさだけでなく、事業として続けられる採算性もラボで検証していく大切なテーマであると述べました。

ホンダ太陽が試作した可動式の栽培設備

ホンダ太陽の担当者からは、製造現場の考え方を応用して試作された、棚を動かせる可動式栽培設備について説明がありました。イチゴなどを二段式で栽培する際、上段の作業がしづらくなる課題に対し、作業する人に合わせた高さや位置で作業できるようにする構想が紹介されました。

イチゴを中心に、高付加価値作物の栽培も検討

石割氏は、採算性、育てやすさ、食べた人に喜ばれることを重視し、実証の中心としてイチゴを想定していると説明しました。さらに、ライチ、アテモヤ、ヘーゼルナッツ、ブラッドオレンジ、バニラビーンズ、コショウなど、高付加価値作物の可能性も紹介されました。石割氏は、作物づくりを、作り手と食べ手の双方が笑顔になる営みとして語りました。

山口氏「これからが本番」 事業化へ向けた検証へ

山口氏は、本プロジェクトが構想を具体的な形にしていくための第一歩であり、最終的には事業として成立させる必要があると述べました。事業性だけでなく、お客様に喜んでもらえるものをつくることが大切であり、「これからが本番」として、より多くの仲間や協力を得ながら進めていきたいと意欲を示しました。

登壇者が苗を植え、実証のスタートを示す

「Honda Sun × ENOWA FARM LAB」の始動を記念した植苗セレモニーが行われ、登壇者が実際に苗を植えました。石割氏は、イチゴ栽培における細かな作業の違いが生育に影響することや、障がいのある人が作業する場合の伝え方や手順の見える化の重要性を説明し、ラボのテーマを共有しました。

質疑応答では、海外展開や雇用体制にも関心

質疑応答では、海外展開や人員体制についての質問が寄せられました。石割氏は、海外の有機栽培や高付加価値農業の事例に触れ、イチゴの輸送性や欧州での野菜栽培指導の経験などを紹介しました。山口氏は、ホンダ太陽内の専門人材を中心とした4名体制で実証を始め、今後は社内外の意見も取り入れながら事業化や雇用の可能性を検討していく考えを示しました。

地元テレビ局も、働きやすさの工夫に注目

当日の様子は、大分県内の民放テレビ局でも報道されました。各局は、障がいの有無にかかわらず誰もが関われる農業を目指す取り組みとして、車いすでも作業しやすい設備や可動式の栽培設備などの工夫に注目しました。また、農業の担い手不足や高齢化が課題となる中で、ホンダ太陽のノウハウを農作業へ展開し、ENOWA YUFUINのレストランや宿泊体験につなげていく点も取り上げられました。

湯布院から始まる、持続可能な農業と共生社会への挑戦

「Honda Sun × ENOWA FARM LAB」は、農業の担い手不足、障がい者雇用、働きやすい作業環境づくり、地域資源の活用、食体験への展開を同時に見据えた取り組みです。ENOWA FARMでは、有機農業や循環型農業にも取り組み、育てた作物が料理や地域の魅力としてどのように届くのかまでを見ていきます。本プロジェクトは、現時点では完成形ではなく、これから試し、課題を見つけ、改善していくためのラボであり、多様な人が関わりやすい農業の形を具体化していくことが目指されています。

関連リンク

https://www.honda-solar.co.jp/

https://enowa.jp/