広島国際大学「Mebia」が中学生へ届けた “リアルな福祉”と支え合う心

2026-06-08 08:00

福祉という言葉に対して、「大変そうな仕事」「自分にはなかなかできない仕事」と感じる人は少なくないかもしれません。
ですが今回、広島国際大学の学生たちが中学生へ届けたのは、制度や知識だけではない、“人と向き合うこと”の大切さでした。

難病支援に取り組む学生団体「Mebia(メビア)」は、地域や医療機関と連携しながら、難病当事者の暮らしや想いに寄り添う活動を続けています。今回行われた講演では、学生たちが実際に向き合ってきた経験や、「できない」を「できる」に変えていく福祉のあり方について、中学生へ自分たちの言葉で伝えました。

教科書の中だけでは見えにくい“リアルな福祉”に触れた時間は、中学生たちにとっても、「誰かを支えること」や「地域との関わり方」を考えるきっかけになったようです。

学生だからこそ届けられる言葉がある――。
そんな温かさが感じられる今回の取り組みについて紹介します。

難病支援に向き合う学生団体「Mebia」 学生たちが続ける“地域とつながる福祉”

広島国際大学の学生団体「Mebia(メビア)」が取り組んでいるのは、病院や施設の中だけではない、“地域とつながる福祉”です。

Mebiaは2020年に発足した難病支援プロジェクトです。広島難病団体連絡協議会の協力、医療機関などと連携しながら、難病当事者の日常生活の支援や、「やってみたい」「行ってみたい」という想いをかなえる企画などを行っています。

特徴的なのは、“支援する側”と“支援される側”という一方向の関係だけでは終わらないところです。
学生たちは、難病当事者の方と一緒に地域へ出かけたり、季節ごとのイベントを企画したりしながら、「その人らしい時間」を一緒につくってきました。そこには、ただ手助けをするだけではなく、「どうすればもっと楽しめるか」「どうすれば安心して過ごせるか」を考える姿勢があります。

実際にこれまでMebiaでは、コンサートへの付き添いや地域イベントへの参加、クリスマス会の開催など、地域との関わりを感じられる活動を続けてきました。どの取り組みにも共通しているのは、“誰かの想いを叶えたい”という学生たちのまっすぐな気持ちです。

今回の講演テーマにもなっていた「できないを、できるに変える」という言葉。
そこには、“困っている人を助ける”だけではない、誰かの「やってみたい」を一緒に支えていこうとする想いが感じられました。

地域や医療、福祉の現場と向き合いながら活動を続ける学生たちの姿からは、「福祉は特別な誰かだけのものではない」というメッセージも感じられます。 そして今回の講演は、そんな学生たちのリアルな経験や想いを、中学生へ直接届ける時間にもなっていました。

「できない」を「できる」に変える 学生たちが届ける“リアルな福祉”

今回、中学生たちへ伝えられたのは、教科書に載っている福祉制度の説明だけではありません。
学生たちが実際に地域へ出て、難病当事者の方々と関わる中で感じてきた“現場での学び”でした。

講演の中では、「できないを、できるに変える」というMebiaの活動テーマも紹介されました。
たとえば、「外に出かけたい」「みんなと同じようにイベントを楽しみたい」と思っていても、身体的な負担や環境の問題から、難病当事者の方が諦めなければならない場面は少なくありません。

そんな中で学生たちは、「本当に無理なのか」ではなく、「どうすればできるか」を考え続けてきました。
付き添いの方法を工夫したり、周囲の人と連携したり、安心して参加できる環境を整えたりしながら、一つひとつ“できる形”を探していったそうです。

そこには、“助けてあげる”という感覚だけではない、人と人として向き合う姿勢が感じられます。
講演の中では、実際の活動写真も紹介されました。
地域イベントで笑顔を見せる様子や、学生たちと自然に会話を交わす姿からは、「支援」という言葉だけでは表しきれない温かなつながりも伝わってきます。

また、学生たちは活動を通して、「相手の気持ちを想像すること」の大切さも学んできたといいます。
困っている人がいた時に、すぐに“何かしてあげる”のではなく、「今どんな気持ちなのか」「本当に望んでいることは何か」を考えること。
その積み重ねが、Mebiaの活動には強く根付いているように感じられました。

今回の講演を聞いた中学生たちにとっても、「福祉は特別な人だけが行うものではなく、誰かを思いやる気持ちから始まる」ということを感じる時間になったのかもしれません。

学生たちのまっすぐな言葉や実体験には、大人が説明する以上の説得力があります。
だからこそ今回の講演は、“福祉を学ぶ授業”というより、“人との向き合い方を考える時間”として、多くの生徒の心に残ったようです。

中学生へ届けた “人と向き合う”という学び

今回の講演では、Mebiaの活動紹介だけでなく、「人とどう向き合うか」というメッセージも中学生たちへ届けられました。

学生たちは、自分たちが実際に活動する中で感じたことや、難病当事者の方々との関わりを通して学んだことを、自分たちの言葉で語っていきました。
その中で特に印象的だったのが、「困っている人がいた時、まず声をかけることの大切さ」です。

たとえば、街中で困っていそうな人を見かけても、「本当に声をかけていいのかな」「迷惑にならないかな」と迷ってしまうことは少なくありません。
ですが学生たちは、“特別な知識”よりも、まず相手を気にかける気持ちが大切だと伝えていました。
「何かお手伝いできることはありますか?」そんな一言が、相手にとって大きな安心につながることもあるそうです。

また、講演では「福祉=特別な仕事」というイメージだけではなく、日常の中にある小さな思いやりも福祉につながっていることが紹介されました。
これは中学生たちにとっても、かなり身近に感じられる内容だったのではないでしょうか。
実際に中国新聞の記事では、講演を聞いた生徒から「困っている人がいたら声をかけたい」という感想も紹介されていました。

難病や福祉というテーマは、どうしても“遠い世界の話”として捉えられがちです。
ですが今回の講演では、学生たち自身の経験や言葉を通して、「自分にもできることがあるかもしれない」と感じられる空気が生まれていたように感じられます。

そしてそれは、単なる知識としての学びではなく、「相手の立場を考えること」や「地域の中で支え合うこと」を考える時間にもなっていました。

学生だからこそ伝えられる言葉がある。
年齢が近いからこそ届く想いがある。
今回の講演には、そんな“同じ地域で生きる先輩”としてのリアルな説得力もあったのかもしれません。

地域課題を“自分ごと”として考える 学生たちの学びが未来につながっていく

今回の講演は、中学生へ福祉について伝える授業であると同時に、「地域とどう関わっていくか」を考える時間にもなっていました。
近年は高齢化や地域の支え合い不足など、さまざまな社会課題が取り上げられる機会が増えています。
その一方で、「自分に何ができるのか分からない」と感じる人も少なくないかもしれません。

そんな中、Mebiaの活動には、“まず人と関わってみる”ことの大切さが自然と表れていました。
地域のイベントへ参加したり、難病当事者の方と一緒に時間を過ごしたり、何気ない会話を重ねたりする中で、学生たちは少しずつ「相手の立場を考えること」を学んでいきます。

それは、教室の中だけではなかなか得られない経験です。
今回、中学生たちが触れたのも、そうした“実際に人と向き合ってきた学生の言葉”でした。
だからこそ、「福祉」という少し難しく感じやすいテーマも、特別な話ではなく、“自分たちの日常につながること”として伝わっていたように感じられます。

また、今回の取り組みでは、学生だけで活動を完結させるのではなく、地域や医療機関、さまざまな人たちと連携しながら支援を続けている点も印象的でした。
一人だけでできることには限界があります。
ですが、誰かとつながることで、“できること”は少しずつ広がっていく。
Mebiaの活動からは、そんな地域福祉のあり方も見えてきます。

今回講演を聞いた中学生たちの中には、将来、医療や福祉の道へ進む人もいるかもしれません。
あるいは、別の仕事に就いたとしても、「困っている人に声をかける」「相手の気持ちを考える」という経験は、きっとどこかで生きていくはずです。

学生たちが地域の中で積み重ねてきた活動は、単なるボランティアではなく、“人と支え合う社会”を次の世代へつないでいく取り組みなのかもしれません。

誰かを思いやる気持ちが 地域の未来を少しずつ変えていく

難病支援や福祉という言葉は、どこか“特別な世界”の話のように感じてしまうこともあります。
ですが今回、広島国際大学の学生たちが中学生へ届けたのは、「誰かを気にかけること」や「相手の立場を想像すること」の大切さでした。

Mebiaの活動には、決して派手さはありません。
それでも、一人ひとりの「やってみたい」という想いに向き合い、“できない”を“できる”へ変えようとする姿勢には、人を動かす力があります。

学生たちが地域と関わりながら積み重ねてきた経験は、中学生たちにとっても、「自分にもできることがあるかもしれない」と感じるきっかけになったのではないでしょうか。

誰かを支えることは、特別な資格や知識だけで始まるものではなく、まずは相手を思いやる気持ちから始まる。
今回の講演は、そんな“リアルな福祉”を伝える時間になっていたように感じられました。


広島国際大学 概要

広島国際大学は、医療・福祉・健康・教育など幅広い分野で学べる総合大学です。専門知識だけでなく、地域社会との関わりや実践的な学びも重視しており、学生たちは地域連携活動や現場経験を通じて、人と向き合う力を育んでいます。
今回紹介した学生団体「Mebia」のように、地域課題と向き合いながら活動する取り組みにも力を入れています。

公式サイト:https://www.hirokoku-u.ac.jp/

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